先輩パパとママに聞きました!vol.5

ママも嬉しい赤ちゃんごはん

2016/4/4
ママも嬉しい赤ちゃんごはん ママも嬉しい赤ちゃんごはん

菓子・料理家として雑誌や書籍で活躍のほか、不定期で薬膳カフェも営む渡部和泉さんは1児のママ。料理のプロが作る赤ちゃんごはんは一体どんなメニューなのか、「食べてくれない」悩みはどう解決したのか、渡部家の食卓をのぞかせていただきました!

うちは6ヵ月頃から離乳食をスタート。ベーッと吐き出されたり、脱走されたりすることもしょっちゅうだったな。

ごはんは“たのしく”が、おいしいへの近道

ーー赤ちゃんにとって最初のごはんとなる「離乳食」。料理家の渡部さんは、どんな思い出がありますか?

渡部
出産する前は、赤ちゃんのかわいい泣き声を聞きながら、やさしい気持ちで毎日を過ごすと思っていたんですよね。でも現実は、ずっと抱っこをせがむ娘のお世話で日が暮れて、部屋の掃除もトイレに行くのもままならない。あんまり体調はすぐれないけど、大切な子どもの離乳食だもの、素材選んで出汁とって食器は殺菌して。きちんとやらなきゃ。と、あの時は育児本読みあさってマジメに考え過ぎちゃって、辛くなってしまって。

ーー料理のプロとして、我が子のためにも、とことんこだわりたいところですもんね。

渡部
今なら「適当でOK」と、笑えるんですけれどね(笑)

ーーあれもこれもきちんとやらなくてはという、そのプレッシャーはどのように乗り越えたのですか?

渡部
あるとき、「私、離乳食づくりたのしんでない」って、はたと気付いたんです。料理が大好きなはずなのに。マニュアルには頼らず、食べさせたいものを自由に作ろう! そう思ったら、肩の力が抜けて子育てがちょっぴりラクになりました。

ーー離乳食のメニュー作りにも変化がありましたか?

渡部
はい。毎日のものだから、自分が好きなものをあげることにしました。子ども専用メニューではなくて、大人用の野菜のポタージュの素を作り、それを離乳食に取り分けすることに。多めに作って冷凍しておけば、レンジでチンするだけで出来上がりですし、何より簡単でおいしくて栄養もばっちり。見た目の色もきれいです。離乳食はほんの短い期間だけ。お母さんもリラックスして、たのしみながらその時間を過ごせたらいいですよね。

ーー新しいメニューはどんな工夫を? お子さまの反応はいかがでしたか?

渡部
ポイントはお米を加えることなんですが、ポタージュにした時に適度なとろみがつ いておいしいし、子どもはにんじん粥になるからこの1品だけで離乳食としても成立するんです。ポタージュを食べな がら「お母さんとお揃いだよ」と野菜粥を「あーん」すると、大きな口をあけるようになったのもうれしい収穫でしたね。

ーー一緒に食べているという感覚、赤ちゃんでも嬉しいんでしょうね。離乳食を卒業してからの、食事についても教えてください。みなさんそれぞれに悩みがあるみたいですが、渡部さんはいかがでしたか?

渡部
どんなに工夫しても食べてくれない時ってあるんですよね。特にうちの子は少食なので、「これじゃ栄養が足りない!」、「せっかく作っ たのに!」とか、イライラしてしまうこともしょっちゅう(笑)。でも「一緒に食卓を囲むのはたのしい」という前提を崩さないよう、食事の時間は怒らずに、まず親の私たちがわいわいもりもりごはんを食べ、子どもには後で「きちんと食べないと元気に遊べないよ」と伝えるようにしています。

ーー食卓にたのしい雰囲気をつくって、まずはごはんの時間を好きになってもらうことですね! 確かに怒られながら食事をすると、どんなに愛情を込めたごはんがならんでいても、おいしく食べられません。ごはん作りも、食事タイムも、渡部家のように「たのしむ」ことをテーマにしたら、家族がハッピーな食卓になりそうですね!

RECIPE

レシピ

渡部家の離乳食 ポタージュにもなる、野菜粥の離乳食

材料 野菜(人参やかぼちゃ、芋類、根菜でも)500g、玉ねぎ1/4個、お米大さじ3

作り方

1.野菜は薄切りに、玉ねぎはみじん切りにして、水2カップ、洗ったお米とともに鍋に入れる(厚手の鍋がおすすめ)。

2.フタをして火にかけ、沸いたら弱火で煮る(時々鍋底をかき混ぜる)。

3.野菜が木べらでつぶせるくらいに柔らかくなったら火を止める。

4.バーミックスやフードプロセッサーなどでペースト状にする(なければ裏こす)。

5.保存袋に入れ、平らにして冷凍する(袋の上から箸でブロックに分けておくと、凍ってから取り出しやすい)。

離乳食用:
電子レンジで解凍してそのまま、場合によって湯でのばす。

大人用:
牛乳でのばして、塩、こしょう、バターで味をととのえ、ポタージュに。味つけをしてからパンに塗ってディップにしたり、パスタソースにしたりと、自由に。

大人も子供も大満足手前が離乳食、奥が大人のポタージュスープ。
渡部和泉

PROFILE

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菓子・料理家。国際中医薬膳師。漢方薬メーカーや無添加食品会社の勤務を経て、独立。著書に「漬けるおかず便利帖」「季節の手づくりジャムの本」など。少人数のお菓子教室「atelier mel」主宰。

(制作 * エチカ)

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