宮本研

子育てエール!Doctors Me 専門家による、ママパパ応援コラム

vol.3

男性は知っておくべき!?「立ち会い出産」のホント

父親になる男性のみなさんが「立ち会い出産」を希望したとき、我が子が生まれる当日までに何を知っておくべきか、ひそかに悩まれるのではないでしょうか? 新米の頃に産婦人科で短期勤務した私でも、実際に妻の出産に立ち会ってみると、医師と夫のココロが葛藤する不思議な気持ちになりました。 そこで今回は、医師である私の実体験をもとに、男性のみなさんが知っておくべきホントをお伝えしましょう!

男性は知っておくべき!?「立ち会い出産」のホント 男性は知っておくべき!?「立ち会い出産」のホント

出産は母子ともに真剣勝負!

新米パパのみなさんが医療系のお仕事でなければ、お産の現場にずっと立ち会った経験はなかなかないと思います。私も医学部5年生のとき、産婦人科の実習で初めて、出産の一部始終を目の当たりにしました。赤ちゃんが無事に生まれるまでの過程は、勉強していたよりもずっとダイナミックで、可愛い産声を聞いたときには心から感激しました。

でも、どのようなお産にも一定のリスク、つまり医学的な危険性を伴うということだけは、忘れないでください。 現在の日本は世界有数の”お産安全国”ですが、出産前後に緊急の事態が発生し、急いで外科的な処置が必要になることもありえるのです。

周囲へお伝えする「お産後は母子ともに健康」という嬉しい状況は、あくまでも結果です。安産であっても新しい生命がこの世に誕生するためには、その瞬間ごとが新米ママと赤ちゃんの真剣勝負なのだ、と新米パパも心得ておきましょう。

立ち会う場所は医療現場

たいていの場合、立ち会い出産は妻の上半身近くに夫が寄り添う位置となります。これは下半身側に助産師や産婦人科医が入って、清潔なドレープ(布)をかけて出産環境を清潔に保つためです。そのため、立ち会い中の夫は、慣れないながらも医療現場のマナーを必ず守りましょう。

ずっと続く厳しい陣痛に耐える妻を励ますのは当然として、むやみに歩き回って清潔環境を邪魔しないこと。また、お産に関わる医療スタッフは不測の事態を避けるべく相当に気合いが入っているので、スタッフの注意力をそぐような言動は控えてくださいね。

かわいい我が子の出産を記録するためにカメラを構える程度であれば、さほど問題はないと思いますが、シャッター音に気をつけて、新しい生命の誕生を喜ぶことに集中しましょう。もちろん、お産を無事に乗り越えた愛しい妻には、優しい声をかけてあげてくださいね。

妊娠から出産までの心がけ

 妻が赤ちゃんを身ごもったと分かってから、夫にとっては初めての出来事が続きます。妊婦のつわりは人それぞれですし、身体の様子がどんどん変化していく妻に戸惑うことも多いでしょう。

でも、出産までの日々は、妊娠中の妻にとっても楽ではありません。男性には理解できない、すぐに実感できない妻のさまざまな悩みや苦労を、どれだけ寛容に優しく受けとめられるかが、夫婦には何よりも大切です。パートナーとして毎日感じることを妊娠期間中、夫妻で率直に共有しましょう。

私の場合、医師として専門的な知識も経験もあるのに、妻の苦労を冷静に受けとめるのが大変でした。産婦人科にいたときの上司たちが、悩み多き妊婦さんにとても優しかった理由が分かった気がします。とにかく優しさが欠かせません。

食事の好みが急に変わって、大好物をまったく食べられなくなったり、普段は口にしない食べ物を毎日欲しがったり、嗜好が大きく変わるのは驚くばかりでした。夫としては、妻がそのときに希望することを素直に聞きとり、食事も含めて不公平にならないよう一緒に頑張る。それが夫には大事だと実感しました。

妊娠後半期にはプレママ・プレパパを対象にした助産師指導などもあるので、「俺は仕事優先」などと言わず、何とか都合をつけて参加してみましょう。立ち会い出産に備えて正しい知識を身につければ、いざという時に戸惑うことも少ないはず。また夫婦で参加することで、赤ちゃんを迎えるココロの準備ができますし、これから家族が増えるのに向けて良い思い出作りになると思います。

我が子の誕生を目撃!

私も妻の出産に立ち会ってみて、出産時の緊迫した雰囲気を医師として医学的に理解してしまう一方で、理屈抜きに”完璧な安産”を熱望してしまう夫の気持ちも実感しました。ただ見ているしかない状況は、夫にも大きな緊張をもたらします。

陣痛が続く中で、産道から赤ちゃんの頭が見えてきて、「いよいよ、お産です」となったら妻と我が子の力強さを信じること。これから父親になる瞬間の喜びを噛みしめましょう!

いざ生まれてみると、新生児の育児は昼夜の区別などなく、週末も関係ありません。泣き叫ぶ赤ちゃんをあやしながら、慣れない中で夫婦ともに体力勝負の日々です。でも、立ち会い出産は男性にとって「母親となった妻の偉大さ」をすんなり認められる、本当に素晴らしい機会です。

みなさんの立ち会い出産が喜ばしい安産となり、母子ともに健康であるようお祈りしています。

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宮本研

PROFILE

宮本研このライターの記事一覧

1975年生まれ。医師(総合内科専門医・認定内科医、腎臓専門医、透析専門医)。2009年からオフィス・ミヤジン専務取締役。現在は柴垣医院 自由が丘での診療と並行して、製薬業界などで人材研修・講演も手がけている。
Doctors Meで『現役医師が斬る! 医療現場のウソとホント』を連載。1児の父。

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