天神尚子

子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラム

vol.92

妊婦さんが便秘になりやすいのはなぜ?便秘の予防法と解消法を産婦人科医が伝授します

妊娠中は便秘になりがち。妊娠中の便秘は腹痛や痔を引き起こすことがあるので、いつもより注意が必要です。そこで今回は、妊婦さんが便秘になりやすい理由と、便秘を予防する方法や自分でできる解消方法について産婦人科医の天神先生に教えていただきました。下剤の使用についても伺ったので、ひどい便秘に悩んでいる人はチェックしてみてくださいね。

妊婦さんが便秘になりやすいのはなぜ?便秘の予防法と... 妊婦さんが便秘になりやすいのはなぜ?便秘の予防法と...

妊娠中はなぜ便秘になりやすいのか

妊娠中に便秘になりやすいおもな原因は次のとおりです。

【原因1】ホルモンバランスの変化

妊娠すると黄体ホルモンが増加します。黄体ホルモンは胎盤の形成などを促す働きがある一方、消化管の筋肉の収縮を抑える作用があるため、腸の動きを鈍くさせる原因になるといわれています。

【原因2】食生活の変化や水分摂取不足

つわりや妊娠による食の好みの変化などによって、食事に偏りが生じて栄養バランスが崩れると便秘につながることがあります。とくに、食物繊維や水分摂取が不足すると便が硬くなってしまい便秘になりやすくなるでしょう。

【原因3】運動不足

妊娠中は、つわりで気分が悪くなったり、安静にする時間が増えたり、おなかが大きくなって動くのが億劫になったりして運動量が減りがちです。運動不足は便を押しだすのに必要な腹筋力を低下させ、腸の働きを鈍らせてしまうため便秘につながってしまいます。

【原因4】子宮が大きくなって腸を圧迫する

子宮が大きくなると胃や腸などの内臓を圧迫し、便が腸を通りにくくなります。このため、妊娠週数が進むにつれて便秘の症状が悪くなることがあります。

【原因5】過度のストレス

ストレスが多くかかり、メンタルバランスが不安定になると自律神経の乱れが起こり、腸管の機能低下が生じて便秘をもたらすことがあります。

妊娠中の便秘を予防・解消する方法はこの5つ

便秘の予防や解消には腸内環境を整えることがポイントとなります。日ごろの生活のなかで自分でできる方法をお伝えします。できる範囲で取り入れてみてくださいね。

【便秘の予防・解消法1】乳酸菌や食物繊維を意識してとる

食事をしている妊婦さん

バランスよくいろいろな食品を食べることが大切ですが、とくに乳酸菌、食物繊維を摂取できるよう意識しましょう。乳酸菌はヨーグルト、ぬか漬け、みそなどに含まれ、腸内環境を整えてくれますし、食物繊維はバナナ、キウイ、さつまいも、ごぼう、わかめなどに含まれ、腸の運動を促す作用があるからです。

【便秘の予防・解消法2】水分をしっかり補給する

便が硬くならないよう水分をこまめに補給しましょう。1日の水分摂取量の目安は、飲む分と食事から摂る分と合わせて1日1.5~2L。なお、朝起きたときにコップ1杯の白湯を飲むと、腸を刺激して便意を促す効果が期待できるのでおすすめです。

【便秘の予防・解消法3】適度な運動をする

腸の動きを促せるよう、ウォーキングやマタニティヨガやストレッチなど妊娠中でもできる運動を日常にとりいれましょう。無理なく毎日できるものがおすすめです。かかりつけの産院に相談してアドバイスを受けてから始めてくださいね。

【便秘の予防・解消法4】ストレスを軽減する

音楽を聴いている妊婦さん

妊娠中は、ホルモンバランスの変化やからだの負担や出産・育児への不安などがあり、ストレスを感じやすいもの。家族に気持ちを話してみる、映画を観る、音楽を聴く、買い物をする、お風呂に入るなど、自分なりのストレス解消法を試してみてください。少しでもストレスが軽減できるとよいですね。

【便秘の予防・解消法5】規則正しい生活と排便習慣

規則正しい生活を意識して毎日の食事を同じ時間帯に食べるようにしましょう。そして食後は便意がなくてもトイレに座ってみることを習慣化してみてください。食事をすると腸の動きが活発になるので、排便リズムがだんだん整ってくることがあります。

妊娠中、飲んでもいい便秘薬ってあるの?

つわりで食生活を改善できないとき、いろいろ試しても便秘が解消されないときなどは、「下剤を飲んでもいいのかしら」と悩むことがあると思います。

結論からいうと、妊娠中でも使用できる便秘薬はあります。ただし、市販薬のなかには腸を刺激する強い下剤があるので注意が必要です。子宮の収縮を促して切迫流産や早産を起こす恐れがあるので、自分で薬を選ばず、必ず医師に相談して処方してもらいましょう。

症状によりますが、大腸内の水分を増やして便をやわらかくするタイプの比較的穏やかな作用の下剤が処方されると思います。

まとめ

妊娠中の便秘は痔や強いおなかの痛みなど、悪化するとつらい症状を引き起こすことがあります。そのため、できるだけ便秘にならないよう日ごろから予防策を意識することが大切です。便秘気味だなと感じたときは、悪化させないように生活習慣などを見直してみてください。

症状がひどいときは早めにかかりつけの産院に相談しましょう。

天神尚子

PROFILE

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産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長
日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

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