子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.108

母子手帳はどうやってもらう?記録するメリットや母子手帳の上手な活用法とは【助産師監修】

2021/8/24
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母子健康手帳はいわゆる母子手帳のこと。妊娠してから出産までのママと子どもの健康状態、出産後の乳幼児期の子どもの健康状態が1冊で管理できる優れモノです。そんな母子手帳ですが、どのようにしてもらうのでしょうか。また、記録する内容や意義、母子手帳の上手な活用方法について助産師サロンを運営する高杉理絵さんに教えていただきました。

母子手帳はいつ、どうやってもらえる?

母子手帳をもらう

「母子健康手帳(通称:母子手帳)」は、産院で妊娠の診断を受けて赤ちゃんの心拍を確認された頃、市区町村に妊娠届を提出することで交付されます。妊娠届出書は、自治体のHPからダウンロードできたり、役所でもらえたりするほか、産婦人科などでもらえる場合もあります。なお、厚労省では定期的な健康診査の必要性の周知や、リスクのある妊婦さんに必要な支援をおこなう必要性があることなどから、妊娠初期の11週以前に届け出を提出することを推奨しています。

母子手帳は、ママと赤ちゃんの健康を管理するために大切なもの。産院で妊娠の確定診断を受けたら、できるだけ早い時期に妊娠届を出して母子手帳をもらいましょう。

*母子手帳をもらったら妊婦面接を受けよう

母子手帳の交付を受けた妊婦さんは、出産と子育てを安心して迎えられるように、自治体の助産師や保健師や看護師による面接を受けることができます。妊娠届を出した際に受けられる場合もあります。自治体により名称や実施内容は異なり「ゆりかご面接」「妊婦面接」「妊娠期面接」などと呼ばれます。

面接では、母子手帳の使い方や妊娠中の生活・食事についての説明が受けらるほか、妊婦さんの疑問や悩みを相談することができます。私も世田谷区にて面接をおこなっていますが、相談内容は多岐にわたり、妊娠中の心身のこと、里帰りや産院選びについて、生活のご相談、育児のことなどさまざまです。相談の内容によって利用できるサービスのご案内などもしています。また、1度面接を受けた方がその後、2回目以降の面接や、お電話での相談をしてくださることもあります。

自治体のなかには面接を受けると育児応援グッズのプレゼントがもらえるところもあるようです。お住まいの自治体に確認してみましょう。

記録ができることはさまざま!記録することで得られる重要なメリットとは

母子手帳はさまざまなことを記録できる

母子手帳は、ママの妊娠期から産後まで、子どもの新生児期から乳幼児期まで一貫して、健康の記録を医療関係者が記載・参照したり、保護者が自ら記載して管理できるように工夫されています。

たとえば、次のようなことを記録することができます。

・妊婦健康診査、乳幼児健康診査、訪問指導、保健指導などを受けたときのママと子どもの健康状態
・予防接種の接種状況
・子どもの成長や発育状況
・妊娠中や出生時、誕生日などのママの気持ち

これらの記録がひとつの手帳に記載されていることの大きなメリットは、妊婦さんや子どもが異なる時期に、異なる医療機関を受診したりしても、母子手帳の記録を参照することで継続性・一貫性のあるケアを受けることができることです。妊娠期から乳幼児期までの健康に関する重要な情報がひとつの手帳で管理されるということには重要な意義があるのです。

なお、ママの気持ちを書くところもあるので、子どもが大きくなったときに、あなたが生まれるのをこんな気持ちでまっていたのよとお話してあげると、きっと子どもも喜ぶのではないでしょうか。ママ自身も子どもが成長したあとに振り返って自分の気持ちを見返すのも面白いかもしれません。ぜひ、ママの気持ちも書きとめておきましょう。

母子手帳は情報満載!上手に活用して妊娠・出産・子育てに役立てよう

母子手帳を上手に活用して役立てよう

母子手帳の素晴らしいところはもうひとつあります。それは妊娠や子育ての情報が満載なこと。

昨今はインターネットでもたくさんの子育て情報を得ることができるようになりましたが、妊娠・子育てにおいて信頼できる情報を得るのに母子手帳を活用しない手はありません。母子手帳には、次のことが記載されています。

・妊婦さんの過ごし方や妊娠中・産後の食事
・新生児期から6歳までの年齢別育児のしおり
・乳幼児の発育、発達の目安(身体発育曲線など)
・子どもの事故防止
・離乳食の進め方
・乳幼児の食事
・予防接種
・子育て支援制度
・救命手当
など

妊娠・育児の情報を得ようと思ったらまずは母子手帳を確認してみましょう。知りたいことや探している情報が掲載されているかもしれません。母子手帳には分かりやすくこれらの情報がまとまって記載されているだけでなく、子育てに悩んだときの相談先などもあります。必要なときに役立ててくださいね。

まとめ

母子手帳に記録することのメリットや活用方法について紹介しました。母子手帳はママと赤ちゃんの健康を守るために大切なもの。妊娠中は毎日持ち歩くようにしましょう。外出先でママの体調に何かあったときなどで初めての産院を受診することになった場合にも、これまでの妊娠経過を理解してもらい継続的なケアを受けることができるでしょう。

母子手帳を受け取ったら自治体のおこなう面接もぜひ活用して、妊娠や子育てにまつわる疑問や悩みも保健師や助産師などに相談してくださいね。少しでも安心して出産を迎えて子育てができるよう、お手伝いができればうれしく思います。

高杉絵理

PROFILE

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看護師、助産師、保健師の資格を取得。総合周産期母子医療センターの産科やNICU、産科クリニックで経験を積む。現在は世田谷区の保健センターで妊婦さんやママたちの相談業務に携わる。助産師にオンラインで相談できる「助産師サロン」も運営。自身も1児の母として育児に奮闘中。 オンライン助産師サービス「助産師サロン」

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