子育てエール!医師や栄養士などのDoctors Me専門家による、新米ママパパに向けた応援コラムです。
赤ちゃんに会う日を心待ちに準備をしてきて、いよいよ臨月に入った皆さん、特に初めてのお産の方は、未知の体験に対する不安が募っているかもしれません。今回は、出産の不安をやわらげる3つのポイントについて、お話したいと思います。
【ポイント1】正しく知ろう
・お産の経過について
臨月に入った皆さんは、すでに両親学級等で、妊娠、出産、産褥について学んできたと思います。陣痛発来から入院のタイミングについて、分娩の経過や、産後の赤ちゃんのケアなど、疑問な点、不安な点があれば、その都度ためらわずに担当産科医や助産師に質問しましょう。
・産後の心身の変化について
出産後、身体が妊娠前の状態に戻るまでの6~8週間(産褥期)は、生理的機能の変化に加えて、女性としての役割やその環境の変化、育児ストレスなどで、心身ともに負荷が大きくなります。また、急激な女性ホルモンの減少などに伴い、 生後2~3日頃より産後ママの約30%にマタニティブルーが起こり、生後1~2週間以降、10~15%のママに産後うつ病が起こることが知られています。産後の心身の変化に慣れるには時間がかかりますので、辛い時には援助とサポートを受けましょう。
【ポイント2】できる準備をすませましょう
・バースプランを作ろう
バースプランとは、出産直前から退院するまで、どのように過ごしたいか、どんな産み方をしたいかを、自分たちで計画することです。産院によっては、対応していないところもありますので、事前に確認しておきましょう。バースプランに、陣痛時、出産時、産後入院中に関しての希望を、具体的に自分の言葉で書くことで、産科医、助産師さんとの相互理解も深まり、主体的なお産をすることができます。
・入院/退院に必要なものを再確認しよう
入院に必要なものの準備はお済みですか?病院までの通院手段や陣痛発来時の連絡方法など、前もって確認したおき、いざという時に慌てないように、わかりやすい場所にまとめておくとよいですね。また、退院時の服や、カーシート(車での退院の場合)など、退院時に必要なものも出産前に揃えておくとよいでしょう。
・パートナーや家族も赤ちゃんを迎える準備をしましょう
必要な家事が増加し、ママの心身の疲労が溜まりがちな産後には、パートナーや家族の協力が不可欠です。お互いに思いやりと感謝の気持ちを持ち、積極的にできる家事・育児に参加する事で、産後ママの心身の負担を軽減してあげましょう!
・妊娠/出産に関する制度、手続きに関する準備をしておきましょう
出産後には、提出が必要な書類仕事がたくさんあります。出産育児一時金や児童手当なと?のお金の事、産休や育休など仕事の事、保育園や子育て支援センターの利用方法や入園手続きなどの保育の事などについて、出産前に情報収集し、必要な書類をきちんと集めておきましょう。
【ポイント3】サポート体制を作ろう
お産を安全に進める為には、妊婦さんと産科医や助産師、小児新生児科医などの協力が欠かせません。お互いに信頼しあい、何かあった時にはすぐに対応してもらえる環境を作っておくと心強いですね。また、産後は母子ともに健康に過ごす為に、家族のサポートだけでなく、親しい友人からのサポートや、地域で安心して育児をしていく為に自治体が提供している「子育てサポート」も賢く利用して、無理をせず楽しく育児に取り組んでいきましょう。
最後に
「案ずるより産むが易し」という言葉もあります。上記ポイントを参考に、皆さんが不安なくお産に臨む事ができ、健やかな赤ちゃんを迎える事ができますように!
PROFILE
樽井智子このライターの記事一覧
1971年生まれ、産婦人科医。医学博士。元ハーバード大学医学部・マサチューセッツ総合病院産婦人科講師。
2015年4月より、『事実に基づいた妊活に関する正しい情報を分かりやすく伝えていく』をテーマに、オンライン講座『樽井智子の妊活講座』を開講し、心身を健康にする妊活指導を行っている。