子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.1

赤ちゃんと野菜のほんとうの関係 ~乳児期の野菜摂取は将来にも影響する?~

2016/4/21
赤ちゃんと野菜のほんとうの関係 ~乳児期の野菜摂取... 赤ちゃんと野菜のほんとうの関係 ~乳児期の野菜摂取...

子育てエール!医師や栄養士などのDoctors Me専門家による、新米ママパパに向けた応援コラムです。

大人の野菜摂取はがん・糖尿病・高血圧症などの予防につながりますが、子ども、特に乳児においてはどのような意味があるのでしょうか。 ここでは月齢5ヵ月から月齢11ヵ月までの野菜摂取についてお話しします。

どのくらいの量の野菜をとればいいの?

<月齢5〜6ヵ月> 人参1/10本+キャベツの外側の葉1/5枚

<月齢7〜8ヵ月> 人参1/10本+かぼちゃ煮物サイズ1個+ブロッコリー小房2個+大根5mm厚の輪切り

<月齢9〜11ヵ月> 人参1/5本+さやいんげん2本+カリフラワー小房2個+パプリカ1/6個+ミニトマト1個+小松菜1茎+ナス1/5本

月齢5〜6ヵ月は、栄養学的観点よりも野菜に慣れることの方が大切です。茹で野菜や蒸し野菜を裏ごししたりハンドミキサーでつぶしたりし、ミルクやスープ状のお粥に少量混ぜることで、野菜への抵抗を減らしましょう。

野菜を与えるときの注意点は?

トマトは湯むきをし、パプリカは焼き目をつけて、食感のよくない皮を取り除いてからつぶします。アクの強い蓮根・ナス・ズッキーニ・牛蒡は、月齢8ヵ月までは避けましょう。そして、葱や玉葱は腸内ガスを増やし、不快にさせることがありますので、1回5〜10gから使うとよいでしょう。

赤ちゃんに不足しやすい栄養素は?

母乳や野菜には骨の成長や免疫力強化に必要なビタミンDがほとんど含まれません。そのため、ビタミンDの体内合成に必要な日光浴を1週あたり2〜3時間行ったり、ビタミンDを多く含む魚を与えたりします。月齢5〜6ヵ月にはしらす干しを熱湯で塩抜きしてスープ状のお粥に混ぜたり、月齢7〜8ヵ月には茹でた鮭をほぐしたりして与えるとよいですね。

赤ちゃんが野菜を食べる大きな意味は?

乳児期に野菜を好んで多く食べる習慣がつくと、幼児期以降においても野菜の摂取が盛んになります。好き嫌いの傾向は大人になっても残ることが多いため、これこそが野菜摂取の大きな意味なのです。このため、できるだけ多くの種類の野菜を、少量ずつで結構ですので、毎日の離乳食の中に取り入れ、赤ちゃんを多様な野菜の色・味・香りに慣れさせていくことが大事です。

また、離乳食作りはなかなか手間がかかるものですが、購入してそのまま食べさせられるものや、レトルトタイプ、粉末タイプの離乳食もでているようですので、そういったものに頼りながらお子さんの食を育んであげられると良いですね。

吉田菜穂子

PROFILE

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群馬大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科内科学専攻修了。東京大学医学部附属病院等で内科及び心療内科の診療にあたったのち、早稲田大学生命医療工学研究所客員准教授等の研究職を経て、現在は嘱託産業医として勤務。料理・野菜・栄養学への関心が高く、日本野菜ソムリエ協会認定・野菜ソムリエの資格を取得。

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