先輩パパとママの毎日コラムvol.83

子育てを今振り返る「波乱万丈のマタニティ」

2017/7/18
子育てを今振り返る「波乱万丈のマタニティ」 子育てを今振り返る「波乱万丈のマタニティ」

エディター・ライターとしてファッション業界で活動する柿本真希さんの、波乱万丈子育てコラム。

娘は4月頭から中学生、息子は5年生に。先輩ママたちから、「子育てって本当にあっという間よ」とよくお聞きしていたけれど、本当にあっという間。一晩で急に大きくなってしまったような。たまにその成長に茫然とすることもあるくらい。

2004年に長女、2006年に長男を出産した私。初めての出産は26才。その頃はファッション業界ど真ん中で働いていました。その業界の中では出産は早い方だったと思います。妊婦時代を思い出すと、とにかく幸せだったことが1番強く残っています。お腹の中で人がだんだん育っていくという不思議な感覚。産婦人科でエコー写真を見るたびに、元々子どもが大好きだった私は嬉しくて仕方がなかったことを覚えています。

一方、実は波乱万丈でもありました。波乱万丈といっても深刻な話ではなく、私が1人で勝手に波乱万丈していたという感じなのですが……。

何故1人で波乱万丈していたかというと、マタニティブルーがひどかったのです。もちろんその真っ最中は全く自覚はありませんでした。でも改めて振り返ると、たしかにひどい……。夫も、その真っ最中は「マタニティブルーだね」なんてもちろん言わなかった(言えなかった)のですが、数年後、「あの頃すごかったよね〜覚えてる?」と言われ、私はキョトン。「え!そんなことないよ!」と力いっぱい言い返しながらも、1人になった時によく思い返してみると……うん。たしかにすごい。

例えば、夫が仕事後に焼き鳥を食べて帰宅。「ただいま〜」と家に帰ってくるなり、「ん?なんかいい匂いがする……」と私。ここからもうブルーモードがスタート。「仕事の人達と焼き鳥食べてきたんだ」夫のその一言で、私はベッドルームへ猛ダッシュ。ベッドの中でおいおいと泣き出す始末。何故泣いているのかというと、“お腹が大きくなり、つわりもあり、仕事をこなすのが精一杯の日々→プライベートではなかなか外出しない→焼き鳥大好き→彼だけ食べた→羨ましい→私ってばかわいそう”という流れ。今こうやって書いていても、何だそりゃ?!と思いますが、これを本当に真剣に思い、スポットライトを一身に浴びながら、私って可哀想……と悲しみに暮れていたのです。

ポラロイドの成長写真産後の成長は毎日ポラロイドでおさめていました。

また別の日。仕事先の男の人が「座ってると全然分からないけど、立ち上がるとお腹が大きいから驚いちゃったよ」と笑顔で一言。日頃から軽口を言い合う仲だったので、彼はきっと思ったままに言ってみただけ。そして、嫌な一言でもない。その時は笑顔で返し、帰宅してからいつも通りベッドルームへ。ベッドの中で泣きながら「驚かれるくらい私のお腹大きいんだ……」

そんな波乱万丈のマタニティ生活を自覚なく送っていたので、大変なのは、もちろん夫。冷蔵庫に牛乳がないだけで悲しみにくれる私を連れて夜中に牛乳を買いに行ったり、すぐ泣く私を優しくなだめたり。「これはいつまで続くんだろう……」と思う日もあったそう。でも、お腹が大きくなっていくのは女の人だけ。何も出来ない自分を痛感していたのも事実。そこで、「とにかく快適に過ごしてもらうしかない!」と優しく接してくれていたそうです。

マタニティブルーだけではありません。ギリギリまで働いていた私は、お腹が大きい身体で撮影に行き、濡れた道で滑って転び、魚市場の魚のように滑ってモデルさんたちの前に到着。スタッフの皆さんが心配のあまり大騒ぎになったり(その後、頭にたんこぶが出来ていることを皆さんに心配頂き、ヘアメイクさんが氷でずっと冷やしてくれるという…もはや邪魔なだけの存在…)、食欲過多によって食べすぎて17kg増えてしまい、かかりつけの先生から「何故食べすぎてしまうのか」というプリントを渡され、またまた家で号泣したり。同時期にお腹が大きかった友人が、自分のお腹に妊娠線を発見して泣きながら私に電話をかけてきて、それを励まし、その電話後に鏡で自分のお腹をふと見てみたら自分にも妊娠線が出来ていることを発見して、また泣く。

要するに、迷惑かけまくり、ちょっとしたことに敏感になり、すぐにスポットライトを浴びながらおいおい泣いていたのです。悲劇のヒロインスイッチがすぐにオンになる状態。

そんな波乱万丈マタニティ生活を送ったからか、一転、産後のブルーは全く無く、赤ちゃんの可愛さにうっとりしながら楽しいベビーライフがスタートしたのでした。

おひるね写真
柿本真希

PROFILE

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エディター・ライター・ディレクター。2児の母。様々な媒体やカタログにて、編集・執筆・連載・インタビューを担当。2012年からニュージーランドにて母子留学を2年半。2014年秋に帰国後、エディター・ライターに加え、ディレクション・キャスティングなど多岐にわたって活躍中。
http://www.makikakimoto.com

(制作 * エチカ)

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