つわりが治まってお腹が少し出てきた頃から、胎動を感じることができるようになってきます。元気に成長していることを直接感じられる胎動ですが、お腹の中で赤ちゃんはどんな動きをしているのでしょうか。今回は胎動についてご紹介します。
胎動を感じ始める妊娠周期とは?
個人差はありますが、妊娠16週~20週頃に感じるようになります。最初は赤ちゃんも小さいため、腸のガスが「ポコポコ」と動くようなわずかな動きを感じられます。初産婦さんよりも、経産婦さんの方が胎動に早く気付くことが多いようですよ。
胎動はどんな時に感じるの?
■赤ちゃんが体を伸ばしたとき、ねじったとき
体を伸ばしたときは「グニュー」、ねじったときは「グニュグニュ」と感じます。9割近くの妊婦さんが感じる、一般的な動きですね。
■赤ちゃんがキックをしたとき
「ポコッ」と蹴られるような感覚の胎動です。足がある場所で感じることが多いので、逆子のときにはお腹の下の方、逆子が治ると上の方で蹴られたような感覚を味わうことになります。
■赤ちゃんがしゃっくりをしたとき
短い間隔で、「ピクッピクッ」と繰り返す胎動です。妊娠週数が進むにつれて、4割近くの妊婦さんが感じるようですよ。
■赤ちゃんが回転をしたとき
大きく「グルン」と回転する感覚の胎動です。逆子が治ったときが分かった、という妊婦さんも多く、超音波検査のモニターで確認することができた方もいます。
注意点
妊娠後期には、正常であっても徐々に胎動が減って来るという方が多いのですが、赤ちゃんの低酸素状態や発育不良の結果、胎動が弱くなっている場合もあります。胎動のカウントの仕方を指導している病院もありますが、ご自身で胎動減少が気になったときは早めにかかりつけの病院に相談されるとよいでしょう。
最後に
胎動が始まったときは赤ちゃんの基本的な運動の力が高まっている時期です。徐々にママの血糖値やお腹をさする刺激・音に反応をしたりするので、パパも交えてコミュニケーションをはかってみるといいですね。胎動は妊娠中にしか感じられない貴重な体験です。楽しみながらマタニティライフを過ごしてくださいね。
PROFILE
十倉陽子このライターの記事一覧
大学卒業後、総合診療、家庭医、地域医療を初期研修で学び、産婦人科医局に入局。
婦人科良性腫瘍手術、性感染症、女性医療、婦人科悪性腫瘍、周産期医療、新生児治療の研修を踏まえ、現在は不妊治療専門施設に勤務。体外受精を含む不妊治療を中心に、その他女性のトラブル全般に対応できる女性の全人的医療者を目指しています。二児の母。現在英ウィメンズクリニック勤務。