京都の海の町・久美浜で暮らす後藤さん家族は、父と母と息子・季之介くんの3人暮らし。父・孝文さんが振り返る、授乳のはなし。
「初めて」づくしの育児。
授乳をするのももちろん初めての経験で、とても緊張したのを覚えている。
ミルクの作りかたや、あげかたを妻から教えてもらって恐々チャレンジ。いざ抱っこして飲ませてあげると「口の動きがめっちゃかわいいやん〜!」っとなって、あげるのが一気に楽しくなった。
僕が仕事から比較的早く帰宅できたことから、お風呂係は僕となった。
その流れで、お風呂あがり後の寝つきの一杯を僕があげるのも日課となった。日中家にいない僕にとっては、お風呂と授乳の時間が息子とのふれあい時間となり、妻にとってはゆっくり一人でお風呂に入れる息抜きの時間となり、相互にとってよい時間だったのかな〜と思う。幸いなことに息子はおっぱいでも哺乳びんでも関係なくよく飲んでくれ、飲み終わって満足するとスコーンと寝てくれた。
世の父親たちは、大体オムツ替えやミルク調製役に任命されていると思う。そして、そのなかでスキルを磨いてゆく。僕も数ヵ月も経った頃には、ミルク量に合わせて湯量を調製してベストな温度で素早く準備できるようになった。成長したもんだ、と自分で感心した。
季之介はどうやら飲んだり食べたりするのが好きなようで、本当においしそうにゴクゴクと飲んでくれた。ご飯を食べるようになった今も気持ちのよい食いっぷりである。その姿を見るだけで癒しとなるし、家族みんなが笑顔になれる。一日の疲れが吹っ飛ぶとはまさにこのことだ。
お風呂からあがって授乳をすると寝てくれるのは、親として非常に楽だったけど、卒乳するとなるとどうやって寝かしつける!?という問題が出てきた。そういう意味でも僕はまだ授乳をしたいな〜と思ってたけど、妻の決意は固く1才を迎える頃に卒乳に挑戦した。
しばらくの間はやはり欲しそうだったけど、案外すんなりとお乳もミルクも忘れたようだ。ご飯も大好きだったからご飯で満足できたのかな。
寝かしつけも、お風呂からあがって少しおんぶしてあげたら、割とすんなり寝てくれた。なんと出来た息子だ!と我が子ながら感心した。
卒乳して数ヵ月。哺乳びんで飲む姿が懐かしいなぁと思う今日この頃。