先輩パパとママの毎日コラムvol.172

中村家の子育て日記その1「父親になるということ」

2018/7/6
中村家の子育て日記その1「父親になるということ」 中村家の子育て日記その1「父親になるということ」

2018年1月17日に長男・維十(イト)くんが誕生。パパになったばかりの中村紀世志さんが綴るハッピーな日々。第1回のテーマは、「父親になること」です。

2018年1月。我が家に待望の第一子が誕生した。3900g越えの大きな男の子。今回は生まれて来る前後のお話。

「父親としての実感はいつ湧いてくるのだろう?」息子が生まれてくる直前、僕はそんなことばかり考えていた。

産前、妻に比べて夫の生活にこれといった変化はない。妻のおなかが少しずつ大きくなって来るのはとても嬉しいし、手をあてて胎動を感じるのも楽しい。一緒に健診に行ってエコー写真で我が子の育ち具合を確認すると、思わず笑みがこぼれる。しかし自分のおなかが大きくなるわけでもなければつわりがくるわけでもなく、日々の生活における変化は全くと言っていいほどない。楽しみがどんどん膨らむ一方、ひとりで車を運転している時や仕事の休憩中など、ふとした拍子に「父としての実感」に対する不安が湧いて来るのだ。

水通し

妻が入院する数日前、赤ちゃん用の服や肌着の水通しをした。干している時、「ちっちゃ」と思わず口に出た。小春日和の太陽に照らされながら、ゆらゆらと風に揺れる小さな服。息子がこれを着る姿を想像しようとしても、まず息子の顔のイメージが湧いてこない。果たして自分はちゃんとした父親になることができるのだろうかと更に重みを増す不安。

あくび

しかしどうだ。我が子が生まれたその瞬間から止まない、気持ちの高揚ときたら。毎日仕事が終わり次第病院に行き、面会終了時間まで病室で妻と息子と過ごした。何か特別なことをするでもなく、ただ一緒に過ごした。

産院にて

そして退院の日。ついに息子が我が家にやって来る。我が子なのだから家に来るのは当たり前のことなのだけど、どうにも落ち着かない。リビングにキッチン、お風呂やトイレの掃除はもちろん、床やカーテンレールの水拭き、エアコンと空気清浄機の掃除、それに車の掃除やベビーシートの取り付け。留守を預かる身としてはやるべきことはすべてやった……つもりだ。

雲の切れ間から光芒が

冷たい風の吹き荒ぶ中、朝一番で病院へ。荷物をまとめ退院の準備を終える頃、雲の切れ間から光芒が。エレベーターを待つ間、「これが世界だよ」と息子を抱く妻が窓から外を見せていた。あ、ずるい。それオレが言いたかったのに。車に乗せる際は前もって練習したにも関わらず、ベビーシートに息子を乗せるだけであたふた。ただ5分ほどの道のりを帰るだけなのに、初めて訪れる街を走るような緊張のドライブ。

お昼寝

赤ちゃんは不思議な存在だ。ただ姿を眺めているだけで笑みがこぼれる。大声で泣いても飲んだミルクを吐き戻してもうんちをしてもかわいい。 オナラをよくするのには驚いた。その音が大人と同じぐらいの大きさなのには更に驚いたけど、そんなことすら心を満たしていく。そうか、これが親バカというものか。

抱っこされて眠る

子育てに関しては思い通りにいかないことだらけ。授乳後のげっぷの出し方がよく分からない。オムツの締め具合は果たしてこれでいいのだろうか。助産師さんと練習した沐浴だって全然うまくできない。そして就寝後も90分ごとに起きて授乳。知らなかった。あんなに幸せそうな世のパパさんママさんたちは自分の知らないところでこんな大変な思いをしていたなんて。

沐浴

とはいえ、一番しんどいのは母親である妻。明らかに睡眠不足な上に上手くいかないことだらけで表情が暗くなることも。

食料やベビー用品の買出し、洗濯、朝食の準備や食器洗いなどはなるべく僕がやるようにした。あとは定期的に訪れる深夜の授乳のタイミングでは妻がオムツを交換している間に哺乳瓶を洗って煮沸消毒などの準備をしたり。それでどのぐらい妻の負担が減ったかは分からないけど。

命名書

そうこうするうちに一週間。息子が生まれて来る前に抱いていた不安、あれは一体何だったのだろう。はっきり言ってただの杞憂。そんなことを考えている暇すらない。良い父親になれるかどうかは分からない。ただこの先もはっきりと「父です。」と言えるようにありたいと思っている。

息子の名前は「維十(イト)」と名付けた。人と人との繋がりを大切にする温かい人間に育ってほしいという願いを込めて。妻と二人で一生懸命考えた名前。気に入ってくれるといいな。

命名書は字の綺麗な妻に書いてもらった。

中村紀世志

PROFILE

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2014年より福岡に移り住み、フォトグラファーとして活動する傍らフリーペーパー『KEMONOTE』の制作も行う。2018年1月に第1子を授かり、夫婦で日々奮闘中。
http://www.kiyoshimachine.com

(制作 * エチカ)

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