先輩パパとママの毎日コラムvol.231

新世界で、一歩一歩。「へその緒と産後1週間の話。」

2019/2/19
新世界で、一歩一歩。「へその緒と産後1週間の話。」 新世界で、一歩一歩。「へその緒と産後1週間の話。」

写真家・山本彩乃さんが綴る、ゆったり子育てライフ。今回のテーマは「へその緒」です。

初めての出産の後、全力を出してヘトヘトで、病室で休んでいると、助産師さんがへその緒を持ってきてくれました。小さな桐の箱に入れてあり、想像していたものと全く違ってびっくり。真っ白で、ふわっとしていて、太い。

これで私から息子に栄養が送られていたんだなあ……としみじみ。おなかの中にあったものが目の前にあり、なんだか不思議な気持ちになりました。

助産師さんが、「水分が抜けていくので、風通しの良いところに置いて、乾くまではふたをしないでくださいね」と言って出て行った。

風通し……と言われても、1週間この病室だし、冬で寒いから窓も開けられないし。とりあえず、備え付けのテレビの前に置いて、毎日観察することにしました。

病室からの景色

写真を撮り始めたのは出産翌日の12/20の朝。持参していた授乳枕の上で撮影しました。体全体に筋肉痛や疲労があるので、歩くのもゆっくりで、自分のベッドの上で撮るのが精一杯でした。

院内の飾り

出産後の1週間は、ゆっくりしているかと思いきや、忙しくて少しでも時間があれば眠りたい……そんな日々でした。

というのも、3時間おきの授乳、おむつ替えに加えて、初めの数日は母乳がうまく出なかったり、赤ちゃんがうまく吸えなかったりで、自分も赤ちゃんも初めてづくしのことに慣れるのに時間がかかるのです。母親学級で知識は学びましたが、母乳の出には個人差があるし、赤ちゃんの吸う力にも個人差がある。うちは1ヵ月早く産まれたので、吸う力も弱く、母乳の出も始めはよくなかったので、助産師さんに教えてもらいながら一緒にがんばりました。夜中に赤ちゃんが泣いても、おろおろしてしまい、助産師さんにその都度教えてもらいながら過ごしていました。

私は運良く窓側のベッドだったので毎日富士山を見て気分転換ができました。私は運良く窓側のベッドだったので毎日富士山を見て気分転換ができました。

へその緒の変化は、産後3日目にありました。水分が徐々に抜け、色が白から黄色っぽくなってきました。1日8〜10回もやっていると、だんだんと赤ちゃんのお世話のやり方もわかってきて、授乳室で一緒になるお母さんたちとも話す余裕も出てきました。みんな、数日違いで出産した人たちで、どんなスタートで出産になったのか、何時間かかったのか、出身はどこか、名前はもう決めたのかなど、いろんな話をするようになりました。

沐浴後のさっぱりした息子の寝顔は、寝不足も吹っ飛びます。ふわふわしていて小さくて。沐浴後のさっぱりした息子の寝顔は、寝不足も吹っ飛びます。ふわふわしていて小さくて。

産後4日目、へその緒は一気に水分が無くなって、干物のようになっていてびっくり!いいお天気の日ではありましたが、病室は一定の温度と湿度に保たれているので、この1日でこんなにも変化するとは思いませんでした。あんなにふわっとしていたのに、こんなに細く平たくなるなんて。

へその緒ではもう繋がれていないけれど、今度は授乳で命が繋がれていくんだな。がんばろう、と決意を新たにしたのでした。

今回へその緒の写真は載せませんでした。これから出産を控えている方たちは、お子さんとの一番初めの絆を、ご自分の目で見るのを、楽しみにしてもらえたらいいなあと思います。今回へその緒の写真は載せませんでした。これから出産を控えている方たちは、お子さんとの一番初めの絆を、ご自分の目で見るのを、楽しみにしてもらえたらいいなあと思います。
山本彩乃

PROFILE

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写真家。広告、雑誌などで活動。2017年12月に長男、2019年6月に長女を出産。あらゆるもののもつ、輝きを写したい、という想いで日々シャッターを切っている。
https://www.yamamoto-ayano.com

(制作 * エチカ)

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