日差しが強くなってくるにつれて、気になるのは赤ちゃんが浴びる紫外線ですよね。赤ちゃんの紫外線予防はどのようにしたら良いのでしょうか。赤ちゃんの紫外線対策におすすめの4つの方法を、みき母乳相談室を運営する助産師の榎本先生に教えていただきました。
赤ちゃんの紫外線対策はなぜ必要?
紫外線の浴びすぎは肌トラブルを起こしたり、将来、悪影響が起こったりするといわれています。とくにひどい日焼けを繰り返してしまうと皮膚ガンのリスクを高めてしまいます。子どもの皮膚は大人の半分の薄さなので紫外線の影響を受けやすいのです。紫外線の害は少しずつ蓄積されていくものなので、赤ちゃんのうちから浴びすぎないように予防することが大切です。とくに5月〜9月の紫外線が多い時期はしっかりと対策するようにしましょう。
赤ちゃんの紫外線対策におすすめの4つの方法
では、赤ちゃんを紫外線から守るために何をしたら良いのでしょうか。具体的な紫外線対策をお伝えします。
1. 日差しが強い時間帯は木陰にいく、外出を控える
できるだけ日ざしが強いときは木陰に行って日ざしをよけるようにしましょう。また、10時〜14 時はとくに紫外線が多い時間帯です。この時間帯の外出を避ける、あるいは屋外にいる時間を短くするなどをできる範囲でおこなうのも良いですね。
2. 日焼け止めクリームを塗る
日差しが強い日に外で一日中過ごす場合は、日焼け止めクリームを塗りましょう。その際は、ベビー用の低刺激のもので、ベビーソープなどで落とせるものを選んでください。日焼け止めの強さは、日常の生活ではSPF15、PA++位、海や山などのレジャーではSPF35~50、PA +++~++++と表示されているものがおすすめです。
塗る量は、クリーム状の日焼け止めなら顔にパール1粒分、液状タイプなら1円玉1個分が目安です。額・鼻の上・両頬・あごに分けて乗せ、そこからまんべんなく丁寧に塗りのばします。腕や足などの広範囲は、容器から直接直線を描くようにつけてから、手のひらでらせんを描くように均一にムラなく伸ばします。使用する前には必ず腕の内側や太ももなどに1円玉ぐらいの大きさを塗って、赤くならないか試してみてくださいね。
3. 夏でも薄着の長袖を着る
腕を覆うために、夏でも薄手の長袖を着せてあげるようにしましょう。暑さを逃がすことができるよう通気性が良いものがいいですね。服の色は、紫外線を吸収しにくい白などの淡い色がおすすめです。素材はUVカット効果があるものだとなお良いでしょう。
4. 帽子をかぶせる
赤ちゃんの頭が直接日差しを浴びないよう、必ず帽子をかぶせましょう。大きすぎると帽子が動いて前が見えなくなってしまうので、赤ちゃんの頭にピッタリのサイズがおすすめです。おすわりができる頃になったらツバがついている帽子にすると、おすわりしても日差しを遮ってくれます。また、首の部分もカバーしてくれるタイプだとより安心です。帽子は、赤ちゃんが転倒してしまったときなどの怪我防止にも役立ちます。
紫外線対策のしすぎもダメって本当?!
紫外線は浴びすぎると健康に悪影響があるものの、紫外線によってビタミンDが皮膚で生成されるという健康に良い面もあります。ビタミンDは骨を作る大事な栄養素のひとつ。きのこや魚などの食事からも摂れますが、不足する場合もあるので適度に紫外線を浴びることも大切です。1日に必要なビタミンDを生成するのに必要な日光浴の時間は、地域、季節、時間帯、服装によっても異なりますが、目安としては手の甲に15分程度あたるくらいで十分とされています。たとえば東京で、真夏の正午に半袖を着ていたとしたら3分ぐらい、冬なら長袖を着ていたとして50分ぐらいです。紫外線対策をしつつも、適度な日光浴を取り入れてくださいね。
紫外線が多い季節になってきました。紫外線対策を上手におこなって、赤ちゃんの肌を守ってあげましょう。
PROFILE
榎本美紀このライターの記事一覧
2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、地域の母乳育児を支援している。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたる。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受け付けている。自身も一児の母として子育てに奮闘中。
「みき母乳相談室」