子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.140

【助産師がアドバイス】妊娠したらまずは何をしたらいいの?妊娠初期から安定期までの流れを知ろう!

2022/10/14
【助産師がアドバイス】妊娠したらまずは何をしたらい... 【助産師がアドバイス】妊娠したらまずは何をしたらい...

「妊娠したかも?」と思ったら、まずどうしたらいいのか、妊娠が確定した後にするべきことは何か、安定期までの過ごし方のポイントなど、妊娠初期のママが気になることについて、助産師の榎本美紀さんに教えてもらいました。

妊娠はいつわかる?

妊娠3週までは、際立った自覚症状はないことがほとんどです。妊娠週数で妊娠に気づく人が出てくるのは4週目。そのころになると「生理が来ない」あるいは「吐き気がする」などのきっかけで妊娠に気づく人が多いでしょう。基礎体温をつけている人は、高温期が継続することで、いちはやく妊娠に気づくかもしれません。妊娠4週をすぎると、妊娠検査薬で陽性反応が出るようになります。

妊娠検査薬は、あくまでも妊娠の可能性を調べるためのものです。陽性反応が出たら、なるべく早めに産婦人科を受診し、医師の判断で妊娠していることを確認しましょう。

産婦人科への受診が早すぎると、胎嚢が見えないこともあり、遅すぎると、トラブルがあった場合の診断や各種検査が遅れてしまいます。遅くとも妊娠7週までに受診するようにしましょう。子宮内に胎嚢が確認されると正式に妊娠と診断されます。確定診断が出る前でも、お酒やたばこは避け、薬の使用にも慎重になりましょう。5~7週ごろに赤ちゃんの心拍が確認できれば、ひとまず安心です。

安定期までに、やるべきこと

母子手帳を見ている妊婦さん

妊娠初期にやるべきことをまとめました。体調が安定していない時期ですが、パートナーと情報を共有しながら、ポイントを押さえて対応していきましょう。

母子健康手帳をもらう

産科医師や助産師の診断によって妊娠が確定し、出産予定日がわかったら、住んでいる自治体の役所や保健センターの窓口に「妊娠届出書」を提出し、母子健康手帳をもらいましょう。母子健康手帳が交付される際に、「妊婦健康診査受診票」も同時にもらえます。これは、定期的な妊婦健康診査にかかる費用の一部を助成するためのもの。使える時期が決まっており、母子健康手帳を受け取る時期が遅れると、妊娠初期用の受診票が使えなくなることもあります。妊娠がわかったら、できるだけ早く妊娠の届出を行いましょう。

産院を選ぶ

人気の高い産院では、分娩予約がかなり早い段階でいっぱいになってしまうことがありますので、早めにリサーチを始めるのがおすすめです。里帰り出産をするかどうかも、パートナーと話し合いましょう。里帰り出産の場合には、妊娠初期や転院前に、健診を受けることが必須の産院もあります。早めに希望する産院に確認しましょう。

妊婦健診を受ける

妊娠が判明したら、妊娠23週までは月に1度の妊婦健康診査(妊婦健診)を受けます。健診を受けて、医師に体調を報告しましょう。他の病気で違う科の診療を受ける場合でも妊娠していることを必ず告げます。薬は自己判断で飲まないようにしましょう。

妊娠を報告する

妊娠中にお世話になる人、影響を及ぼす人(仕事などで)を優先して伝えましょう。両家の両親への報告は、つわりや体調不良などの時にサポートしてもらう予定であれば、早めに伝えておきましょう。両家の両親へ伝える時期については、パートナーとよく相談して決められると良いですね。妊娠初期に何かあったときのことも考えて、安定期に入る少し前や、安定期に入ってから報告する場合もあるかと思います。

働いている方は、状況に応じて、職場への報告を早めにし、スケジュールの調整ができるとベターです。妊娠初期から、早めに報告をすることで、つわりのなどのつらい時期にも無理のないワーキングプランを立てることができます。職種によっては、妊婦に適した仕事内容や職場変更などが必要な場合もあります。

妊娠初期の過ごし方って? 

ソファーで寝ている妊婦さん

妊娠初期は「流産したらどうしよう」「出産を乗り越えられるかな」と不安に思う方が多いようです。ホルモンバランスが大きく変化する妊娠初期は、何かと心身が不安定になるもの。不安感に襲われないためにも、できるだけ規則正しい生活を送り、睡眠をしっかりとりましょう。睡眠は心身を回復させたり、ストレスを解消させたりという大切な役割があります。

食事から栄養をしっかり摂ることでも、心身の回復が早められる可能性があります。ただ、個人差はありますが、妊娠初期は、つわりで思うように水分や食事がとれないことも多いです。つわりがある人は、栄養のバランスはこの時期は気にせずに、飲めるもの、食べられるものをとりましょう。つわりで歯磨きも十分にできない場合は、うがいなどをこまめにしたり、ガーゼで拭いたりして歯の衛生に気を付けてください。

つわりでつらかったり、疲れやすくなったり、眠気が強く出たりする時期でもあります。疲れたら昼寝をするなど、ゆっくりと過ごすようにしてください。自分のペースを把握して、無理をせずに仕事や家事などをおこなうことがポイントです。また、重いものを持ったり高いところのものを取ったりするときには、夫や周りの人に協力してもらいましょう。

まとめ

妊娠初期は、つわりなどで思うように動けなかったり、ホルモンバランスの変化があったりして、体も心もデリケートになる時期。そして、まだ胎動を感じないので、赤ちゃんが元気で過ごせているのか、月一回の妊婦健診まで不安になることもあるかもしれません。一人で悩まず、家族や友人とおしゃべりする、好きな音楽を聴くなど、できるだけリラックスして赤ちゃんの誕生を楽しみにしながら過ごせると良いですね。

榎本美紀

PROFILE

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2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、地域の母乳育児を支援している。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたる。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受け付けている。自身も一児の母として子育てに奮闘中。
「みき母乳相談室」

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