「quitte」というブランドでハンドメイドの子ども服を制作している神田橋瑞恵さん。3人のお子さんのママでもある神田橋さんに、お子さんの思い出について伺います。第2回のテーマは「3人目の子育て」です。
ーー出産後、退院して3番目の長男・なぎくんが初めて家に帰った日の様子を教えてください。
神田橋
退院の日は家族みんなで迎えに来てくれました。家に帰るとすぐに、長女のつむぎが念願のはじめてのミルクをあげてくれました。その光景がとても幸せで、胸がいっぱいになってしまったことを覚えています。
ーーそれは素敵ですね!上の2人はその後もなぎくんのお世話をしてくれましたか?
神田橋
とにかくかわるがわる抱っこをしたがりました。それはいいのですが、飽きて重くなると適当にポイっとそこらへんに置いてしまうので困りましたが……(笑)。
長女はとにかく弟がかわいくて仕方ないらしく、「もーーー可愛すぎる〜♥」といって抱きしめています。次女にとっては私を取り合うライバルのような存在なのだと思います。どちらかが甘えていると邪魔しにきて、膝の上のポジション争いをしています。機嫌のいいときだけかわいがる感じです。
いつも上の2人がキャッキャと楽しそうにしているので、私が疲れていても家の中が明るい雰囲気になります。なぎもそれをみて嬉しそうで、2人がいてくれてよかったなあとつくづく思います。
ーー前回、なぎくんの妊娠中に、次女のりこちゃんが赤ちゃん返りをしたと伺いましたが、ご出産後、様子はいかがでしたか?
神田橋
次女は赤ちゃん返りをまだしていましたが、長女がいつも次女のそばにいてくれたことがとても大きかったようで、そこまで荒れることもありませんでした。里帰り出産をしていたので、産後もずっと2人で遊んでくれていて、姉妹の団結がより強くなりましたね。
ーー子育てで大変だったとき、悩んだときなどはどなたに相談していましたか?
神田橋
実母が現役で保育士をしているので、よく相談をしています。1人目のときは私も手探り状態だったのでアドバイスが正論すぎて受け入れられないところもありましたが……3人目のときはもう全面的に信頼して頼っています。
ーーお母様はどのようなアドバイスをしてくれたのですか?
神田橋
「肺が強くなるから少しは泣かせておいても大丈夫」「室内では靴下は履かせない方がいい」「肌着はタンクトップじゃない方がいい」などなど、細かいことまで本当にいろいろです。
1人目のときは“自分でやりたい!”という気持ちが強く、でもうまくできない自分への焦りから、プロである母に正論を言われると、「分かってる!分かってるけどできないの!」と思ってしまっていました。
でも、1人目2人目を育てるなかで、母の言うことを実体験を通じて納得していったので、3人目のときにはアドバイスを素直に受け入れられるようになりました。自分ひとりでは無理があることが分かったので、手を出し口を出ししてもらえることが本当にありがたかったです。自分のなかでの変なこだわりがなくなったこともあるのかもしれません。
ーーその他、何かサービスなどを利用したことはありましたか?
神田橋
仕事がどうしても忙しいときは、シッターさんにお願いしたこともあります。人見知りがひどい時期だったので心配でしたが、やはりプロ!安心して預けることができました。自分ひとりだとどうしてもどうにもならないことがあるので、こういったサービスに頼ることも時には大事だと感じました。
ーー3人目は旦那さんとどのように育児をしてきましたか?
神田橋
実は生後7ヵ月くらいから、ずっと私と実母以外ダメ期が続いていて……お父さんもダメなんです。
普通にしているときはいいのですが、抱っこやお風呂となると大泣きです。
上の2人はそんなことはなく、むしろお父さん大好きっ子なので、自信があった主人はショックだったらしく。いつか大丈夫になる日を夢見て果敢にチャレンジしています。私もなぎと主人が楽しい時間を過ごせるように、できるだけごきげんなときに、私も交えて遊ぶように心がけています。
ーーそんな時期もあるのですね!パパとママにとって3人目は上の2人と何か違いがありますか?
神田橋
私にとっては、常に5cmくらいの距離で見つめていたいくらいかわいいかわいい存在で、あまりの溺愛ぶりに主人や実母にも呆れられています。3人目だからか細かいことを気にすることなく、泣いても怒ってもイタズラしても何してもかわいくて。なぎとの生活はとにかく癒ししかないです。
主人にとっては、お話したように現在進行形でパパいやなので……将来男子らしい遊びを一緒にやったりスポーツをしたりすることを夢みて、泣かれてもめげずに頑張ってくれています。
ーー子どもが3人いてよかったなあ〜と思うのはどんな瞬間ですか?
神田橋
1番は、とにかく毎日賑やかで楽しいこと。
ただ、賑やかで楽しいですが、本当にうるさいです(笑)。みんなが騒ぐと、声は足し算ではなく掛け算で増えてく気がします。だけど、うるさいなあ〜といいながら、ついつい顔はほころんでしまいます。3人がキャッキャと楽しそうにしている姿を見るのは幸せです。
そして、3人いることで喧嘩も絶えませんが、基本的に大人が仲裁しないことにしているので、子ども同士で解決する力も鍛えられてると思います。思い切り喧嘩できるのも、きょうだいならではですしね。自分より小さい子を思いやったり、自分より大きくてできることが多い子を尊敬したり見習ったり。家庭で生活する中でそんな人間関係を学べるのはとても大きいことだと思います。
「3人きょうだいがいるとそこは社会になる」と聞いたことがあるのですが、その通りだなあと感じています。
ーー最後に、改めてなぎくんの1才までの日々を振り返ってみて、いかがでしたか?
神田橋
3人目ということで、赤ちゃんのかわいさをとことん堪能できた気がします。赤ちゃんと過ごせる時期って、スペシャルで幸せで、女性の人生のボーナスタイムだなあと改めて実感しました。
PROFILE
神田橋瑞恵このライターの記事一覧
2人の女の子と1人の男の子のママ。ハンドメイドの子ども服「quitte」として活動している。
https://www.instagram.com/_quiite_._/
(制作 * エチカ)