子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラム
赤ちゃんがまだお腹にいる間には「ちゃんとおっぱいが出るのかな」など不安になることがあると思います。気持ちに余裕をもって母乳育児をスタートできるよう、母乳について少し考えてみましょう。
乳房の中にある乳腺という組織で血液中の必要な成分を抽出し、脂肪などを加えることで母乳が作られます。できた母乳は乳管という管に集められ、乳首の先端から出てきます。乳腺に働きかけて母乳を作るために指令を出すのが、プロラクチンというホルモンで、母乳が乳管からよく出やすくするために働くのが、オキシトシンというホルモンです。出産をして胎盤が体外に出るとホルモン環境が激変し、プロラクチンが急増することで母乳を作るスイッチが入ります。また、オキシトシンは授乳することでさらに分泌され、愛情や幸せな感情を呼び起こし、赤ちゃんとの愛着形成も促してくれます。
母乳をあげる量は、出産した病院で指導を受けた授乳回数・時間・間隔を続けてみましょう。2週間健診や1ヵ月健診で赤ちゃんの体重増加を確認し、助産師さんや医師の先生にアドバイスをもらうのもよいですね。また、体重を計測すれば赤ちゃんがどれくらい母乳を飲んだのかがわかります。ただ、あまり気にし過ぎてしまうとママが疲れてしまうこともあるので、数字にとらわれ過ぎないことも大切ですよ。
授乳姿勢を適切に、楽に保つことで、授乳するときの痛みを減らすことができます。赤ちゃんを腕の力だけで無理に支えると、ママの体と距離ができて母乳を吸いにくくなり、乳首に負担がかかってしまうこともあります。また、無理な姿勢はママの手の腱鞘炎・肩こり・背中の痛みなどにもつながる場合があるため、出産前にクッションやタオルを使った楽な授乳姿勢を助産師さんに聞いておくのもよいでしょう。
甘いものや油ものを食べると、乳腺炎になりやすいと言われることがありますが、それも個人差があります。水分を十分に飲み(授乳のたびにコップ1杯飲むつもりで)、産院での食事をお手本にした和食を中心に、普段より350kcalプラスを目安に食べるようにしてみましょう。異常を感じた時は、母乳に詳しい助産師や医師に早めに相談しましょう。
母乳の状態は、ママによって十人十色です。難しく考えずに助産師さんや先生と相談しながらすすめていきましょう。ママにも赤ちゃんにも無理のないようにしていきたいですね。