子どもから大人まで、誰もが大好きなおやつ。赤ちゃんにとってのおやつはどのようなものがよいのでしょうか?また与えるタイミングや量など詳しくご紹介したいと思います。
赤ちゃんにおやつって必要?
そもそも離乳食を食べている赤ちゃんにおやつは必要なのでしょうか?
母乳やミルクを飲んできた赤ちゃんが大人と同じ食事を食べられるようになるには、離乳食で固さや大きさを徐々に慣らしていくことが大切です。これは顎や歯の発達もありますが、何よりも消化器官がまだ未熟なため、一度にたくさんの量を食べることができないという理由があります。
1回の食事で沢山の量が食べられない赤ちゃんにとって、おやつは食事でとり切れなかった栄養素を補い、心と体の成長を促すという役割があります。
おやつの与え方について
おやつはいつごろから、どんなタイミングであげればよいのでしょうか?
あげる時期は、1才前後を目安にしましょう。この頃は離乳食も完了期に入り、歩き始める子も出始め、動きが活発になってきます。あまり早い時期にあげるのは体に負担になることもあるので、早くても3回食に切り替えたくらいからがおすすめです。
1回にあげる量ですが、1日に必要なエネルギー量の1割程度を目安にしましょう。離乳食が主な栄養源となりますので、おやつでは1回に100kcal程度になります。たとえばバナナ1/3本と牛乳100ml、小ぶりのおにぎり2個とくだものなどを組み合わせてもよいでしょう。食べすぎは離乳食を食べなくなってしまうなどの影響もあるので注意が必要です。
おやつは食事と食事の間の「軽食」になりますので、あげるタイミングとしては午後の3時くらいがおすすめです。歩くことが上手になり、食べる量も増えてきたら1日2回、午前と午後にあげてもよいと思います。
赤ちゃんにとっておやつは、食事で不足した栄養を補う「捕食」としてとらえると必要性や内容が分かりやすいかと思います。まだまだ授乳されている時期でしたら母乳から栄養分が補えているのでおやつは必要ありません。卒乳するタイミングで始めてもよいでしょう。3食がしっかりと食べられたり、あまり体を動かさなかった日などは量を控えめにするなど、工夫されるとよいですね。
おやつを選ぶ時の3つのポイント!
【その1】エネルギーを補給できるようなもの
野菜や果物などもおすすめですが、一口サイズのおにぎりやパン、じゃが芋やさつまいもなど、エネルギー源となる炭水化物などの糖質を中心とした内容にするとよいでしょう。
【その2】自分で食べられるものを
おやつを食べる頃の赤ちゃんは、つまんだり、握ったりなど手先が器用になってきます。スティック状や一口サイズなど自分で食べられるような形状にしてあげると、食べる練習にもなりおやつの時間が楽しくなると思います。
【その3】水分をしっかりと補給しよう
おやつを食べるときには水分をしっかりとりましょう。水分は口の中を洗い流してくれる役目もあるのでお水やお茶などがおすすめです。ジュースは糖分が多いので、与えすぎには注意しましょう。
ふかして潰したさつま芋をサイコロ状に形作り、衣をつけて焼いた「ひとくちさつま芋のきんつば」など、素材の味をいかしたメニューもおすすめですよ!
また、忙しく手作りのおやつを作る時間のない時などは、市販のベビー用おやつを上手に活用するのもよいですね。
最後に
子育てがはじまったばかりのママは、毎日大忙しであっという間に1日が終わってしまうという方が多いのではないでしょうか?私も子育て中の身ですが、おやつは子どもから大人までホッとできる大切な時間ですので、ママもお子さまと一緒に楽しめるとよいですね。
PROFILE
内藤 麻里子このライターの記事一覧
東京家政大学の家政学部栄養学科管理栄養士を専攻、卒業する。
大手料理教室の料理講師、外食産業のメニュー開発(惣菜部門、おかずのメニュー担当)を経てフリーに転身。
現在料理講師と栄養士の仕事を合わせた内容で活動中。テレビの料理制作アシスタントや雑誌の料理制作、料理本の制作などにも携わる。
同時に保健センターで栄養相談や行政主催の栄養講座、高齢者向けのひとりごはん教室、小学生向けの料理教室、食育の講演会、子育て中のお母さん向けの離乳食講座なども行う。
またメーカーのメニュー開発や、料理本の栄養計算、スタイリング、要望に沿ったメニュー提案などに携わる。