先輩パパとママの毎日コラム

vol.368 愛するプニプニ「離乳食を食べない娘」

かみやかやこ 2020/10/16

イラストレーターかみやかやこさんの子育てダイアリー。今回は離乳食について。離乳食を本当に食べなかった娘さん。お皿にこんもりのったカラフルな離乳食をパクパク食べてくれる姿を想像していたかみやさんは、どんどん落ち込む毎日。試行錯誤しても食べないので、諦めかけたそんなある日、そんな悩みを吹き飛ばす出来事が……!

6ヵ月頃から「離乳食」という課題がチラチラ見え始めた。食事に興味を示し始めて、手を伸ばしたりする様子があったからだ。私が食いしん坊なのは赤ちゃんのときからだったので、きっと娘もそうだろうと思っていた。さらにその頃は夏が近づいていたので、外でも水分補給をできるようになって欲しかった。

娘が母乳しか飲まなかった理由は、哺乳瓶の乳首が嫌いだから。2ヵ月頃から急に哺乳瓶を嫌がるようになったし、おしゃぶりなぞ、くわえたことは一度もない。なので、白湯と麦茶はスプーンで飲ませていた。が、しかし、外出してるときにスプーンで毎度飲ませるわけにはいかない。

なので、早々にストローマグを導入した。吸うということを知らない赤ちゃん向けの、押したら、ピュッと中身が出てくる仕組みのマグだ。最初はすごーく驚いていた。仕組みをすぐに理解できて、こぼさないようにはなったものの、嫌がって中身が減らない。あまり好きじゃないのだろうか。

離乳食を始めた頃の娘。

飲み物と同時に10倍粥も始めた。が、食べない。食べてくれないけど、ほかの食材も少しずつ進めた。かぼちゃ、食べない。枝豆、食べない。とうもろこし、食べない。トマト、ちょっと食べる。しらす、ちょっと食べる。さつまいも、食べない。ほうれん草、食べない。白身魚、食べない。すべてほぼ食べないで、相変わらず母乳ですくすく育っていく娘。しかも成長曲線を上回って成長する。すくすく育ってるから良いんだけども。

さすがにいろんな食材を始めると、毎回作ることも難しいので、冷凍せざるを得ない。しかし、娘の食べる量は全く進展がないので、作り置き冷凍がどんどん溜まっていき、大人の料理の隠し味的に使われるばかりだった。

娘よ、なぜ食べない……ママ友に相談するが、食べないという悩みをもつママ友が見つからない。むしろみんな、「よく食べるの」という人ばかりで、羨ましい限り。

ごはんは食べず、スプーンを食べる。

離乳食フードも試すが、全く食べない。おいしいと言われているフードも食べないとなると、娘が食べないのは私の料理の味のせいではない。じゃあなんなんだ。いろいろ調べて、試したものの、当たり前のように食べない。離乳食を始めて1ヵ月が過ぎて、もう心が折れそうになっていた。

そんなとき、突然、その日はやってきた。ここからの話、なかなか特殊例だと思うので、「ちゃんと安全は確認しながら行った」ということを、強調しておきたい。

娘に少しでも食に興味をもってもらいたく、大人の食事のときも一緒にテーブルに座らせていた。その日の晩ごはんはサンマの塩焼きだった。夫とサンマを食べていると、娘が異様に興味をしめす。まさか……と思い、骨に注意を払いながら、娘の口に運ぶ。

食べた!!!10倍粥も食べないのに、固形物のサンマを食べた!!!!大根おろしものせて、二口目。食べた!!!!おいしそうに食べた!!!!離乳食を食べない理由を調べている中に、「たまに柔らかい食感を嫌がる子がいる」というのがあった。まさか自分の子どもがそうだったとは……。

次の日から、私は離乳食を頑張って作るのをやめた。大人と同じ食事を取り分けるようにした。そのかわり柔らかく茹でたり、薄味にして食べやすい大きさにしたり、などのステップに移行した。7ヵ月の赤ちゃんが食べる離乳食にしては、かなり大人だ。喉につまらないよう、しっかり注意が必要だ。しかし、食べる食べる。ほくほくに茹でたさつまいも。潰してないそのままのしらす。小さく切ったトマト。すり潰したり、ふやふやにしていたのは何だったのか……。

児童館に娘が食べる状態の離乳食弁当を持っていくと驚かれるが、それを食べている娘を見て、もっと驚かれる。別に離乳食作りを手抜きしてるわけじゃないんです。この硬さだと食べるんです。離乳食本に載っているペースじゃなかったので、娘のごっくん能力を観察しながら、どのくらいの大きさか、柔らかさにすべきか加減をするのが難しかったが、食べてくれなかった辛い日々から解放されたので、とても嬉しい毎日だった。何度も言うが、喉つまりなどをしないよう注意しながら。

もちろん食べなくなった時期もある。遊び食べもひどい(今も)。でも、すごく食べる日もあるし、おいしいネー!と食べてくれた日には、もう嬉しくて嬉しくて。平坦な道のりではないが、これからも娘の食ペースに寄り添ってあげたい。

ちなみに娘は今でもお粥が嫌いだ。風邪のときは、茶碗蒸しかうどんにしている。いつかお鍋の〆のおじやのおいしさに気づいてくれるといいな……と母は願っている。

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PROFILE かみやかやこ 多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。デザイナーを経て、イラストレーターとして独立。2018年に女の子、2021年に男の子を出産。愛情たっぷり注ぎながら、子育てを楽しんでいる。好きなものは、海、コーヒー、いい香り、植物、ドラマ、美容情報、美味しい食べ物、アイドル。
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