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お片付けのプロに聞く!妊娠・出産・子育ての情報整理のコツ

中村加奈 2022/5/24

わからないことだらけの、はじめての妊娠。多くのママやパパが妊娠期の身体の変化に加え、おなかの赤ちゃんの成長やこれから迎える出産・子育てのことなど、これからたくさんの情報に触れることになリます。情報収集の方法はインターネットやテレビ、雑誌、本などに加え、先輩ママの助言など多岐に渡り、集めた情報を管理するだけでも一苦労。そこで、「子どものアート思考を養う親子おかたづけ塾」主宰の中村加奈さんに、情報の取捨選択や管理方法について、お片付けにひもづけながらお話を聞きました。

情報の取捨選択をするときのポイントは「他人との比較ではなく、自分にとって幸せかどうか」

ー情報化社会を生きる私たち。星の数ほどある情報の中から自分にとって必要な情報を選択していく上で、まず押さえておきたいことはなんでしょう。

中村さん
これだけたくさんの情報があふれていると、その情報が本当に自分に合っているものなのか、必要なものなのかって、すぐにはわからないですよね。特にはじめての妊娠のときは、なおさらだと思います。そこで1つ目のポイントとして、自分にとって何が幸せなのかということをまずは考えて、自分の幸せを基準に情報を選び取ることが大切だと感じます。理想や正しさを基準に情報を選び取る人もいると思いますが、理想って、他人や社会がつくりあげたものなんですよね。だから理想を追い求めることだけに注力してしまうと、理想通りではない場合や、自分と他人とを比較した時に不安になってしまうことがあります。一方で、自分に軸足を置いて、自分の幸せを基準にして情報を選べば、そういうことは起こりません。心身ともに健やかに過ごしてほしい妊娠期こそ、“その情報を得ることは自分にとって幸せかどうか”という視点を大事に、情報を選び取っていただきたいですね。

妊娠・出産・子育ての情報を選び取る際に悩んだら「好きかどうか」を考える

ー例えば妊娠5ヵ月の時に離乳食の情報を目にするように、妊娠・出産・子育ての情報の特徴といえば、今すぐには必要なくても後から必要になることがたくさんあって、取捨選択が難しいもの。育児グッズの情報なども、生まれてみないとわからない、成長してみないとわからないということが多々あります。

中村さん
幸せを基準に自分軸で選んだ情報だとしても、それは自分にとって本当に必要なものなのかなと、先々まで想像することが大切だと思います。とはいえ、必要かどうかさえもわからない場合もあると思います。そんな時の判断基準は、好きかどうか。これは情報だけでなく、もの選びにも通じると思いますが、必要かどうかで選んでいたとしても、結果的に、自分にとって好きなものかというところにたどり着くんじゃないかなと感じます。以前、洋服を買いに行った時、お店の人から「とってもお似合いです!」と言われて買ってみたものの、そこまで「好きな服」とは思わなかったため、ほとんど着ることがなかった、という経験をしました。ここに「好きかどうか」の判断基準があったら、事態は変わっていたと思います。

ー先々に必要になってくる情報は、とりあえず頭の中に入れておいて、実際に使うときに選べばいいのでしょうか。

中村さん
そうですね。ただ、時間が経つと、いざ必要になった時に“なぜこの情報をストックしておいたんだっけ?”と、忘れてしまう場合も。そうならないようにするためにも、例えば哺乳瓶の商品情報であれば、自分がなぜその商品に心を動かされたのかという簡単なメモを残しておくといいですね。

ざっくり分ける? 細かく分ける?

ーお片付けにも通じることかもしれませんが、収集した情報は、どのように分類しておくといいのでしょうか。

中村さん
普段のお片付けでいうと、細かく分けて収納するのが好きな人もいれば、ざっくりと分けるのが好きな人もいるので、それは個々の判断。自分がやりやすいようにするのが一番だと思います。お片付けは習慣にしてしまえば、どんな人でも自分に合った方法で、どんどん部屋が片付いていくんです。情報も同じで、まずは自分のやりやすい形で分類するのもいいですし、最初はざっくり分類して慣れてきたら細かくしていくというやり方でもいいと思います。妊娠・出産・子育ての情報であれば、最初は“ママのこと”“赤ちゃんのこと”くらいざっくりと分ける形でもいいですね。

ものも情報も使いたい時に取り出せなければ意味がない

ーものも情報も、多ければ多いほど管理が大変になります。いずれも今使うその瞬間に取り出せることが重要かと思いますが、上手に管理する方法はありますか。

中村さん
ものも情報も“定位置”を決めることですね。特に情報は、雑誌を見て気づくこともあれば、ウェブ記事で気づくこともありますし、先輩ママの話でなるほどって思うこともあります。それらの情報をどこに置いておくのか、ということを意識しておくと、いざ使うときにサッと取り出せると思います。また、“行動動線”もとても大事ですね。自分が行動するパターンに合わせた手の届きやすい場所にないと、面倒臭くなって結局使わなくなってしまうんですね。だからこそ、ものも情報も、普段行き来するわかりやすい場所に置いておくことが大切なんです。

情報に寿命はあるの?

ーお片付けを考えるとき、切っても切り離せないのが不用品を手放すという視点。情報も、増えすぎたら処分していくことが必要なのでしょうか。

中村さん
お片付けの時に多々あるのが、お洋服を処分した後に“やっぱりあの服、着たかった”という思いが湧き起こること。おそらく、その人は迷いながら処分されたのではないかと。ものを減らさないといけないと聞いたから、勢いで捨ててしまって後で後悔したのかなと思います。だから、無理にものを減らすことがいいことだとは、私は思っていないんですね。それよりも、自分の心のほうを大事にしてほしい。自分の好きなものは、必要でなくても置いておけばいいと思っています。
ただ、いずれは処分しなければならないときがくるのは確かで、それは情報についても同じです。
情報は、自分に必要がなくなった時が手放すタイミングだと思います。自分の幸せを基準に選んだ情報であれば、必要かどうかということは自ずとわかると思いますし、たくさんあるなりに片付いていくのかなと感じます。

お片付けのプロである中村加奈さんが教えてくれた、「自分の幸せを基準に情報を選び取る」という視点。こうして選び取った情報は、きっと、赤ちゃんとの暮らしをより豊かで楽しいものにしてくれるはずです。

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PROFILE 中村加奈 整理収納アドバイザー
1984年高知県生まれ。2020年に整理収納アドバイザーとして起業。ワーママさんを対象に、親子おかたづけ塾をオンライン開講。サービスの特徴は、おかたづけを通して、子どものアート思考を養っていくこと。アート思考を身に付け、主体的に行動するための家庭での戦略により「今までなかなか片づけてくれなかった子が、何も言わなくても自分で片付けるようになりました!」など、講座生から喜びの声が届く。
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