先輩パパとママの毎日コラム
2人の男の子と暮らすママ・deko_lifeさんに伺う子育てのこと。今回は「食育」をテーマにお届けします。
赤ちゃんの頃から子どもが当たり前に出入りする我が家のキッチン。長男は3才の頃から朝食のバナナをこども包丁で切り、次男は1才になる頃にはポロポロとこぼしながらもお米の計量を手伝うのが日常でした。
成長した兄弟が不思議と好き嫌いもなく健やかに育ってくれているのは、暮らしのなかで常に「食」が身近にあったことも影響しているのかなと思います。
子どもと「食」との触れ合いは赤ちゃんの頃から始まりました。
生後間もない頃からの読み聞かせでは、よく野菜や果物の絵本を読んで、モグモグ食べるフリを見せたり、離乳食が始まって初めての食材を出すときには、野菜カードやその食材が出てくる絵本を見せて、赤ちゃんに語りかけるようにしていました。
また、子どもが動き回るようになると、キッチンガードが設置できない台所でしたので、私が食事の支度をしている間は、赤ちゃんには野菜を触らせたり、泡立て器やお玉など危険ではないキッチンツールをおもちゃ代わりに遊ばせていました。ヨチヨチ歩き出す頃には、蒸籠に人参やじゃがいもを入れて、台所に立つ私の隣でままごとを楽しんでいました。
長男は1才9ヵ月の頃から本格的なお手伝いをするようになりました。
パンケーキの生地を混ぜたり、苺やミニトマトのヘタ取り、そら豆の絵本にハマった時期は豆のサヤ取り、すり鉢での胡麻すりや、卵を割ったり、ゆで卵の皮剥き、お味噌をとく作業など、成長するにつれお手伝いの幅も徐々に広がっていきました。自家製の醤油麹や甘酒、ヨーグルト作りもちょっとした理科の実験のようで親子共に楽しんでいます。
もちろん最初からうまくいくことはなく、割った卵の殻は入るし、兄弟でパンケーキを作ったときはキッチンは粉だらけになるのですが、片付けまで子どもと一緒にすることを繰り返すうちに、お手伝い以外のシーンでも、床に何かをこぼすと自分で雑巾やティッシュを持ってきて拭いたり、子ども自身が経験から学んでいくのだと感じました。
また、食との触れ合いはお家の中だけではありません。
近所に鎌倉野菜の直売所があるのですが、色彩豊かな野菜を見たり、実際に触れる機会は赤ちゃんの頃から多く作っていました。魚もスーパーのパック詰めされた切り身の魚ばかりではなく、魚屋さんで1匹丸ごとの魚を見たり、大きさを体感して、実際に食べて、食材により親しみを持ってもらえるように親子で楽しんできました。長男は今4才になりますが、市場で珍しい野菜を見ると、帰宅後すぐに自分から図鑑を開いて確かめるのが習慣となっています。
私はままごと遊びに付き合うのが得意ではなかったのですが、結果的にそれが子どもたちとの台所や市場での“本物体験”に繋がったのだと思います。子どもが火や刃物を使うときは、もちろん親がすぐそばで見守っていますが、最初はままごとの延長だった台所でのお手伝いが、自分のお仕事として驚くほどの集中力で取り組むようになってきました。
蒸篭の蓋をとった瞬間の白い湯気が立ち上がる様子や、リズミカルに包丁を切る音、ご飯が炊ける匂い、おもちゃ代わりに野菜に触れたり頬張った経験。五感をフル活動しながら台所で過ごした時間が、子どもが食に親しむ土台になったように思います。
食いしん坊に育ってくれた兄弟と、これからも一緒に台所に立って、美味しい時間を重ねていきたいです。