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vol.97 マタニティインナーは本当に必要?ブラやショーツや妊婦帯などの選び方を助産師が解説

加藤千晶 2021/5/18

「マタニティインターは本当に必要なの?」「おなかやバストが大きくなってから買えばいい?」「妊娠中しか使えないの?」など、初めての妊娠であれば、マタニティインナーにはさまざまな疑問があると思います。そこで、杏林大学保健学部看護学科の准教授である加藤千晶先生に、マタニティインナーの必要性や種類ごとの特徴や選び方を解説していただきました。マタニティインナー選びの参考にしてくださいね。

妊娠したらマタニティインナーは必要なの?

マタニティインナーとは、妊娠期や産後の体向けに作られた下着のこと。妊娠すると、おなかやバストが大きくなって体型が変化します。また、ホルモンバランスの影響で皮膚が敏感になることも。

マタニティインナーはそんな体の変化を考慮して、体を締め付けないやさしい装着感で作られていたり、肌触りのよい素材やオーガニック(自然素材)が使われていたりするのが特徴です。おなかが大きくなってから役立つだけではなく、つわりのときなどに身体をラクにしてくれるなどの働きもあります。

妊娠中や産後をリラックスして過ごせるよう、体の変化に合わせたマタニティインナーを活用することをおすすめします。

マタニティインナーの特徴や選び方

マタニティインナーのそれぞれの特徴を知って自分に合ったものを選びましょう。

1)マタニティブラジャー

妊娠すると母乳を作る準備として、ホルモンの働きによって乳腺が発達するため、出産時期にはだいたい2カップ、アンダ―が5cm以上大きくなっています。そこで、マタニティブラは乳腺の発達を妨げないよう、バストを締めつけず産後の授乳もしやすい形に設計されています。着心地がラクに感じるノンワイヤーがおすすめですが、仕事や外出時はワイヤー入りにするなどシーンで使い分けるといいですね。

乳腺が発達してくる妊娠2カ月頃から使うのがおすすめです。2枚~6枚ぐらいあるとよいでしょう。

2)マタニティショーツ

大きくなるおなかを締め付けないようゆとりをもって作られています。また、ストレッチ素材が使用されていてよく伸びるので妊娠中から産後まで長く使えるでしょう。クロッチ部分は白色のものを選ぶと、おりものの色や量の変化が見えて体調管理がしやすくなります。

ローライズタイプや深ばきタイプなどがあるので、好みに合わせて妊娠がわかった頃から2~6枚ほど用意するとよいですね。

3)妊婦帯

妊婦帯はおなかを冷やさないことと、おなかをささえることがおもな役割で、さまざまなタイプがあります。大きく分けると、筒状で着脱がかんたんなはらまきタイプ、ずり上がる心配がなくよく動くときも安心なパンツタイプ(はくタイプ)、おなかを下からささえ、またささえ感を調整できるベルトタイプ(ささえ帯)、戌の日などのお祝いに使えるさらし帯などです。

さらに、写真のようにはらまきにベルトが付いたタイプ、パンツタイプにベルトが付いたタイプなどもあり、おなかを温めながら支えることもできるので便利です。

妊婦さんの状況に合わせて選ぶとよいですが、自分に合ったものがどれか分からないという場合もありますよね。店員さんに相談したり、産院の助産師に事前に選び方を聞いておいたりすると安心です。

4)骨盤ベルト

妊娠、出産でゆるんだ骨盤を正しい位置に整えるためのもので、骨盤・恥骨・腰をサポートして安定させます。妊娠中はおなかが大きくなるにつれて腰に負担がかかります。骨盤ベルトを装着して腰痛予防などに役立てましょう。もちろん妊婦帯にプラスして使うことも可能です。伸縮性のあるものは締めすぎないように気を付けましょう。

産後は少しずつゆるんだ骨盤は元に戻っていきますが、しっかり戻らないと腰痛や尿モレの原因になることがあるため、産後も装着して骨盤を整えることが大切です。妊娠初期から産後まで使えるタイプを選ぶと便利ですね。

まとめ

妊娠中の不快感や腰痛などを改善、予防してくれるマタニティインナー。上手に活用して快適なマタニティライフを送りたいですね。かかりつけの産婦人科医や助産師に相談したり、マタニティ用品店などでアドバイスをもらったりしながら自分に合ったマタニティインナーを選びましょう。

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PROFILE 加藤千晶 杏林大学保健学部看護学科 准教授
助産師として約10年大学病院にて勤務。その後、看護・助産教育に約15年携わり、産科病院にて看護部長を経験。現在、杏林大学保健学部看護学科准教授として助産師教育に携わっている。
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