赤ちゃんの日焼け止めを選ぶポイントと正しい塗り方・落とし方とは【助産師が解説】
紫外線の多い季節の赤ちゃんとの外出。気になるのが赤ちゃんの紫外線対策ですよね。赤ちゃんに日焼け止めを塗った方がいいのか迷う方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、赤ちゃんに日焼け止めを塗った方がいいかどうか、また、日焼け止めを選ぶポイントや正しい塗り方などをみき母乳相談室の榎本助産師にお聞きしました。
赤ちゃんに日焼け止めは塗った方がいいの?
皮膚には外の環境や刺激からからだを守る働きがありますが、赤ちゃんの肌は大人の約半分の薄さで、紫外線などの影響をうけやすいことが分かっています。
紫外線には体内でビタミンDを作って骨が丈夫になるなどのメリットもありますが、ひどく日焼けをすると、肌トラブルを起こすことがあります。また、長年にわたってひどい日焼けを繰り返すと、肌の細胞にダメージが起こり、免疫力が低下したり、将来、皮膚ガンになるリスクを高めるといわれています。
赤ちゃんができる紫外線対策には、夏でも薄着の長袖(できればUVカット素材)を着る、帽子をかぶせる、また紫外線が多い時間(10時~14時)は外出をできるだけ避ける、などがあります。このような対策と合わせて、赤ちゃんと外出するときは日焼け止めを塗るとより紫外線対策の効果が得られるでしょう。
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赤ちゃんの日焼け止めを選ぶときのポイント
「赤ちゃんの肌に日焼け止めを塗ってもいいの?」と聞かれることがあります。実際、日焼け止めは紫外線から肌を守るためのもので、肌に負担はかかります。そこで、少しでも赤ちゃんの肌に負担のかからないものを選ぶことが大切です。
具体的には、赤ちゃん用に作られていて、刺激性テストやアレルギーテスト済みで、かつ、紫外線吸収剤、着色料、香料などが含まれていない低刺激の日焼け止めがおすすめです。
また、肌に負担なくしっかり洗い流せるよう、石鹸で洗い流せるタイプがよいですね。紫外線を浴びたときにうるおいが失われ、乾燥しやすくなるようであれば、うるおいを補う成分が含まれているものを選ぶとよいでしょう。
*「SPF」「PA++」などはどれを選ぶ?
日焼け止め製品のパッケージで「SPF20」や「PA++」などの表示を見たことがあると思います。まずはこれらの表示の意味を理解しておきましょう。
SPF
短時間で日焼けを引き起こす紫外線B波を防ぐ効果指数で0~50まであります。数値が高いほど紫外線を防ぐ時間が長くなります。
PA
肌の奥深くまで届いて色を黒くする、シミやしわに影響するといわれている紫外線A波を防ぐ効果を示すものです。「PA+」~「PA++++」まであり「+」が多いほど防ぐ効果が高くなります。
ポイントは、数値が高いものを選ぶということではなく、赤ちゃんに合ったもの、状況に合ったものを選ぶということ。どのぐらいの時間、紫外線を浴びるのか、どこへ行くのか、長袖を着るなどのほかの紫外線対策も可能かどうか、などをふまえて選ぶようにしましょう。
具体的な目安ですが、日常の生活では「SPF15、PA++」ぐらいを、海や山などのレジャーでは「SPF35~50、PA+++~PA++++」と表示されているものがよいと思います。複数の日焼け止めを持っておいてシーンで使い分けられるとよいですね。
赤ちゃんの日焼け止め、正しい塗り方と落とし方
*日焼け止めの塗り方
日焼け止めを塗るときは、手のひらにクリームタイプの場合は顔にパール1粒分、ローションタイプは1円玉1個分を出します。それを、額・鼻の上・両頬・あごなどに指でちょんちょんとのせてください。そうしたらまんべんなく丁寧に塗りのばしましょう。ムラなく塗れるよう2度塗りをしておくとよいですね。
腕や足などは、日焼け止めを肌に直接出して、均一にのばします。このとき手のひらでらせんを描くようにしてムラなく塗りましょう。首や耳の後ろ、髪の生え際、手の甲なども忘れずに。
また、汗をかいたときや塗ってから2~3時間以上たったときはタオルで汗をやさしく拭きとって、再度日焼け止めを塗ってください。
*日焼け止めの落とし方
家に帰ったらなるべく早めに石鹸で洗い流しましょう。日焼け止めに記載されている方法に則るのが基本ですが、赤ちゃん用の日焼け止めであれば、普段どおりの洗い方で大丈夫なことがほとんどでしょう。たっぷりの泡を手のひらにとり、丁寧に洗ってください。洗ったらシャワーなどでしっかりすすぎましょう。ただし、ウォータープルーフタイプは落ちにくいことがあります。その際は赤ちゃん用のスポンジやガーゼに石鹸をよく泡だてて洗いましょう。お風呂からあがったら保湿をするのも忘れずに。
まとめ
今回は日焼け止めの選び方と、塗り方や落とし方をお伝えしました。新しい日焼け止めを塗るときは、まずは腕や太ももの裏などに少し塗って、肌トラブルが起こらないか確認してから使うとより安心です。また、日焼け止めを使用したあと、しっかり洗い落せていないと、落ちていないところに塗り重ねることになり肌トラブルの原因になります。家に帰ったらなるべく早めに石鹸で洗い流して保湿をすることも大切です。
正しいケアで、赤ちゃんの肌を紫外線から守ってあげましょう。
PROFILE
榎本美紀このライターの記事一覧
2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、地域の母乳育児を支援している。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたる。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受け付けている。自身も一児の母として子育てに奮闘中。
「みき母乳相談室」