先輩パパとママの毎日コラム

vol.415 こいもらいふ 「こいもくんと沐浴」

齋藤州一・野田映美 2021/7/7

エディトリアルデザイナー兼イラストレーターの齋藤州一さんとイラストレーターの野田映美さんご家族の物語。今回も文章は齋藤さん、イラストは野田さんのご担当。生後約1ヵ月間のみという貴重な沐浴についてのお話です。

病院から退院し、お家にやってきたこいもくん。一番最初の私とこいもくんとの思い出といえば沐浴です。妻は退院の後、寝たり起きたりだったので、沐浴は私の担当になったのでした。

さて、いざ沐浴のことを書こうと筆を取った(正しくはパソコンに向かった)のですが、えーと、とても記憶が曖昧です。あんなに毎日沐浴をしていたのに!です。沐浴をした1ヵ月間は怒涛のような日々で、仕事の忙しさもありましたが、何より初めてづくしの育児、思えば目まぐるしい日々でした。育児って子どもの成長とともに常に更新されていきますね。毎日同じように見えても少しずつ新しいことが起きて振り返る余裕なんてありません。そういう意味では、今回のコラムを書くことで思い出すきっかけになってよかったのかも(笑)。

そんなことはさておき、頑張って記憶を引っ張り出したいと思います。

まず、沐浴は出産前に一度、自治体の育児体験会・両親学級で体験していたのでした。そのときは動かないお人形相手でしたが、助産師さんからやさしく教えていただき、なんとなく手順の理解や心構えができたのを覚えています。余談ですが、沐浴体験のほかにもお人形を使っての抱っこの練習や、妊婦のおなかと同じ重さのジャケットを身につけて階段を上り下りしたり、日常的な動きをしたり、妊婦の大変さを身を持って体験ができてとてもよい経験でした。

笑いをこらえていたので、妙な表情で抱っこしていたと思います(野田)。

さてさて、両親学級での沐浴体験を活かし、ついにこいもくんに初めて沐浴をさせるときが来ました。退院した当日の夜のことです。沐浴の場所は家庭によって様々とのことでしたが、我が家はお風呂場にしました。ベビーバスは空気を入れて膨らませるふかふかのタイプ、湯温計でしっかり適温を計り、タオルとガーゼ、ベビーソープも準備OK。イメージトレーニングも重ねてバッチリなはず!でしたが…。

全くもって当たり前のことですが、お人形とは違い、こいもくんは動きます。一週間前に生まれたばかりの命。なんだか超が付くほど緊張する!妻は私よりも多く何度か病院などで沐浴体験をしていたので後ろから見守ってもらいました。

「えーと、はいはいこうするんだよね」と、こいもくんをやさしく支えながら、足からそっとお湯に入れ、顔や頭、首、脇、手足、おなかを洗いました。そこまではよかったのですが背中を洗おうとしたとき、「あれ?どうやって体勢を変えるんだっけ?」体勢の変え方が分からない!本来は赤ちゃんの脇に手を差し入れ、その腕に赤ちゃんの体重がかかるようにうつ伏せのような姿勢にするはずですが、変な感じに持ち上げてしまいこいもくんがジタバタしちゃうし、まごまごしている間に湯冷めしちゃうかもしれないしでプチパニック!

妻が見かねて「脇に手をかけて、背中にも手を添えてサンドイッチにしてパタンとするんだよ」とアドバイスをくれて、なんとか背中やお尻を洗うことができました。最後に同じ要領で仰向けに戻し、おまたを洗い、やさしくシャワーをして沐浴完了!待っていた妻にバトンタッチして、こいもくんをふきふきしてもらったのでした。

やわやわの新生児を「サンドイッチ」、緊張します(野田)。

それからは少しずつ沐浴にも慣れ、いかにこいもくんに負担をかけずに気持ちよくなってもらうかを目標にこいもくんとのひとときを楽しんでいましたが、それも束の間。1ヵ月健診が終わるとともに沐浴の時間も終わりを迎え、同じ湯船に浸かる入浴タイムが始まったのでした。

あっという間の1ヵ月間でしたが今思い出すとかけがえのない時間でした。そういえばまだへその緒も取れていなかったっけ。自分も親にこうやって世話をしてもらっていたのだと思うとなんだかありがたいような、恥ずかしいような不思議な気持ちになりますね。

メモをそのまま読んだので、よけいに混乱を招きました(野田)。

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PROFILE 齋藤州一・野田映美 齋藤州一
1980年生まれ。宮城県出身。出版社のインハウスデザイナーを経て独立。書籍のデザインやイラストレーションなどを幅広く手がける。
http://sososographics.jp

野田映美
1982年生まれ。多摩美術大学美術学部生産デザイン学科テキスタイル専攻卒業。雑誌、ウェブなど各方面でイラスト、挿絵、イラストコラムを手がける。
http://nodakimi.main.jp
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