先輩パパとママの毎日コラム

vol.473 火山のふもとで深呼吸「産後のセルフケア」

前村詩織 2022/3/20

浅間山の裾野に家族5人で暮らすピラティスインストラクター前村詩織さん。身体の専門家が実践している産後の身体ケアについて教えてもらいました。

ピラティス講師という職業柄もあり、妊娠中は出産ギリギリまで身体を動かしていました。つわりがおさまってからは体調もよく、長期間レッスンをお休みするのが嫌で、産休前に「爆速で身体を戻して復帰します!」なんて宣言していた私ですが、産まれてみると自分のケアは二の次、三の次。新生児との生活は、「おっぱいのんで、ネンネして、だっこして、おんぶして、またあした〜」の繰り返しで、ヨガマットを広げる時間なんて取れませんでした。

いくら小さな赤ちゃんとはいえ、ずっと抱っこしていれば肩や背中は凝るし、ひじも曲がります(成長して重くなればなおさら!)。下を向いて授乳やお世話を続ければ首もこわばってきます。よく、背筋を伸ばして姿勢よく抱っこや授乳をしましょう、なんてアドバイスを見かけますが、赤ちゃんが安全で心地よくいられることが最優先になるので、よい姿勢で抱っこを続けるなんてまず無理!どうしても肩は前に引きずられ、背中も丸くなってしまいます。

オンラインミーティングも、PC作業も、蕗ちゃんを膝に乗せたまま。

そこで、授乳しながら、抱っこしながらできるセルフケアを考えました。称して「ながら」ケア、「ながら」トレーニング!たとえば、授乳のとき。壁を背にして、腰や背中、頭の後ろを壁にピタッとつけて赤ちゃんを抱えます。赤ちゃんの身体の下には授乳クッションなどを置いて高さを調節します。赤ちゃんの顔を見ながら授乳すると、後頭部が壁から離れます。赤ちゃんの乳飲み姿はかわいくてずっと見ていたくなりますが、短い間でいいので、ときどき後頭部を壁に戻します。できそうなら左右の肩甲骨も壁につけるようにします。

なぜ頭を壁に?と疑問がわいたところでピラティス講師の立場からアドバイスを。成人の頭はとても重く、まっすぐ前を見据えた状態でも首や肩、背中に負担がかかっています。下を向くとさらに負担が増え、たとえばスマホを見過ぎたときに首が凝ったという経験もよくあります。ましてや胸に抱いた赤ちゃんの顔を見ようとすると、そこからさらに下を見ることになります。つまり頭の重さを小さな筋肉たちが支えているのですから、より凝るのは当然。ときどき頭の後ろを壁につけて首を休ませてあげるとラクになるのです。

腕の中で寝てしまった赤ちゃんを見下ろすときも、首や背中には大きな負担が…。

ベビーカーを押すときもよいトレーニングタイム。ハンドルを握るときは、小指側から握るようにしています。小指側の神経は背中につながっているので、普段使われにくい背中の筋肉にスイッチが入ります。逆に、親指や人差し指は肩につながっているので、使いすぎると肩こりの原因に。この握りかたは、運転するときにも気をつけています。

足指グーチョキパーも、よくしている「ながら」トレーニングのひとつです。妊娠中の体重増加で土踏まずなど足裏のアーチが潰れてしまったので、アーチを取り戻そうと、暇さえあれば足指を動かしています。授乳中でもお風呂に入りながらでもできるので、コツコツと。つま先が冷えるときにも、足指を動かしているとポカポカしてくるから不思議です。

足指チョキは親指の上げ下げの違いで2種類。どちらもできるかな?

産後の身体は大きな変化を経ています。無理をせず、身体と相談しながらこれからも「ながら」トレーニングを続けていこうと思います。

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PROFILE 前村詩織 ピラティスインストラクター。日本で十数名しか保有していないオーストラリアのピラティス国家資格を取得し、ASICS Sports Complex TOKYO BAYなどでクラスを受け持つ。2020年長野に拠点を移し、フリーのインストラクターとして働きながら一男二女の子育て中。
https://www.instagram.com/shiorilates/
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