パパのペアレントークエッセイ
１児のパパ、ダンサーの出口栄一さんによるエッセイ。結婚や娘さんが生まれてから変わったことについて。
結婚パーティーで奥さまとのダンス。
こんにちは、出口栄一です。今日は結婚、そして子どもが生まれたことで変わったことについてお話ししたいと思います。
僕はダンスをお仕事にしています。舞台だったり、CMだったり、ときには振付なんかもしたりして。
もちろん本番だけをやっていると技術が向上しないのでレッスンを受けたりもするわけですが、家庭をもつことでライフスタイルが大きく変わることになったんです。
マタニティカーニバルのピジョンブースで行われた出口さんのダンス撮影シーン
結婚して、夫婦二人だけのときはまだそんなに大きな変化は訪れませんでした。共働きだったし、お互いに夜帰ってくるのが遅かったもので…。
奥さんは会社で残業してから、僕はダンススタジオで練習してから帰宅。
早く帰ってきたほうが晩ご飯を用意して待っているわけです。
ふたりで旅したイタリア
このふたりの自由気ままなライフスタイルが激変！
そう、娘ちゃんの誕生です。
娘ちゃんが産まれた病院にて
なにしろ生まれたばかりの娘ちゃん、ママがいないと生きていけません。そしてママも娘ちゃんを抱えて１人ではなかなか大変。
自然と家族そろってお家で過ごす時間が増えていきました。
もちろん、家族で過ごす時間は素晴らしい瞬間の連続です。日に日に成長していく娘ちゃんに驚かされ、意味不明の娘ちゃん語を必死で理解し、そして寝顔を見つめながら寝落ちする。
幸せそのものの時間です。
ただ、家にいる時間が長くなるということは、踊っている時間が短くなっているということ…。
練習する時間は減るのに同じクオリティを保たなければならない、ということに、僕は焦りを感じ始めました。
練習中の出口さん
とくに娘ちゃんが保育園に行くようになってからは、夕方には夫婦どちらかがお迎えに行かなくてはいけないわけです。平日は僕のほうが時間に融通が利くのでお迎えの頻度が多めに。
気が付けば夜のレッスンを受けることはほぼなくなっていました。奥さんも家に仕事を持ち帰ることが多くなり…。
お互い、今まで自分の仕事のために費やしていた時間がなくなったんですね。
もっともっといろんなことに挑戦してみたいのに…ってネガティブな気持ちになったりして。
出口さんと産まれて間もない頃の娘ちゃん
でも、ある時気がつきました。
目の前にいる、このちっちゃくて可愛い怪獣こそが新たな挑戦なんだと。
そして、出来なくなったことを数えるんじゃなくて、新しくできるようになったことを数えてみると、楽しいことがたくさんあったんです。
例えば娘ちゃんにお仕事を手伝ってもらえるのが筋トレ。
我が家では娘ちゃんの愛称「ちゅぱ子」から「ちゅぱトレ」と呼んでいますが、いいウエイトになってくれます。少しずつ体重も増えるからパパも自然と鍛えられちゃう！
それに腹式呼吸のお手本も娘ちゃんに見せてもらいました。
お風呂上がりのおっぱいを所望して泣いている娘ちゃんのお腹を、パパは真剣に見つめます。
泣き声といえば、まっすぐな感情表現もまさにお手本ですね。まだまだ言葉で伝えられないことがあるから、何とかしてこちらに要求を伝えようと全身を使って表現してくる。
ああ、見習いたい！なんて思いながら、こちらも必死に娘ちゃん語の理解に努めます。
１才になった頃の娘ちゃん
そして娘ちゃんと新しい発見を一緒に体験して共感できる！これこそが結婚して、娘をもつことで得られた１番の宝物です！！
一言二言の会話が、助詞をつかった文章での会話になったり、いつの間にかひとりで水道の蛇口を開けられるようになっていたり。毎日新しい出来事が起こって色んな事を一生懸命覚えて、おっきな笑顔でまっすぐにこちらを見つめて。
この可能性に満ちた眼差しをまっすぐに育ててあげて、娘ちゃんと一緒に僕もパパとして、ダンサーとして成長していきたいと思います。
２才の誕生日。パパが焼いたお絵描きパンケーキでお祝い。
そういえば、最近の娘ちゃん…。
お仕事に行くってことがちょっとわかってきたのか、保育園に送りにいった別れ際や、夜に仕事に出かけるときの別れ際に、こちらから「お仕事いってくるね〜、バイバイ。」と声をかけると、あっさりと「ばいばい！」と。
そして自分の興味のあることに戻っていきます。
泣かれるよりはいいんだけど…パパ、ちょっぴり寂しいよ？！