国際結婚して東京で子育て中のイギリス人パパ、パトリックさんのエッセイ。息子さんが産まれた日の想い出、父親になった時の素直な気持ち。
こんにちは!パトリックです。最近の息子とボク、なかなかいいでしょ?(笑)
忘れられない想い出、息子が生まれた日のことを綴ってみます。
「父親」になった日の想い出
ボクたちは息子の誕生を心の底から楽しみに待っていたのに、息子はなかなか出てきてくれなかったんだよね。
妻のマユの陣痛が始まって病院に行ったけど、まだ産まれないから家に戻るように言われて、1週間くらい病院と家を行ったり来たりしていた。
できれば自然に産んでほしいとドクターも言ってくれていたけど、最終的にマユは手術室に入り、息子は帝王切開で産まれた。

ボクは手術室に立ち会えず、外の廊下でひとりぼっちで待っていた。二人の子どもなのに何もできず、これでいいのかってずっと考えていたよ。
夜になり、遅い時間に息子は産まれた。
ドクターが出てきて、「産まれましたよ!」と息子を連れてきてくれたけど、その時のボクの不思議な感覚をなんと表現したらよいのだろう。出産に立ち会わず、病院の廊下で、突然父親になってしまった複雑な気持ち。
息子を見て、泣くべきなのか笑うべきなのか写真を撮るべきなのか、どうリアクションしてよいのかわからず心の中で戸惑っていた。ドクターが日本語でなんと言っているのかもよくわからなかった。

本当に不思議な体験だった。
出産に立ち会ったわけでもないから「ホントにボクとマユの子どもなの!?」という思いもあった。
おまけに入院の間、マユと息子は病院、ボクは家に帰るから、家族で一緒にいる感覚もなかったよね。

退院して一緒に暮らすようになってから、親としての感覚が芽生えてきたよ。1日1日、つながりが強くなり、ボクたちは「家族」になっていった。
初めての子どもが産まれた時の父親って、みんなこんな気持ちなのかな。

親としてあの日から今までいろんな体験をしてきたから、次の子どもの時は、産まれた瞬間からきちんと対応できると思う。
ボクはきょうだいがいることはとても良いことだと思っている。きょうだいがいると共有することとか、いろいろ学べるからね。いつか二人目ができた時に、息子がどんなきょうだい関係を作っていくのか、今からそれを見るのが楽しみだ。独占欲が強い息子だから、最初は嫉妬するかもね。(笑)

息子が産まれてから1年弱、マユは産休を取った。ボクもその頃はアルバイトだったから、ふたりでずっと一緒に子育てをして楽しかった。パパとママの両親で育てられたのは、息子にとって良かったと思う。
今は保育園に預け、ふたりともフルタイムで働き、この時とは全く違う生活になっている。この話はまた今度。
「父の日」の想い出
そうか!ボクは父親なんだ!って改めて思ったのは「父の日」だね。
ボクがパパになって初めての父の日に、マユと息子はこんな素敵な写真をプレゼントしてくれたよ。

数日前にマユが「ネクタイ貸して!結び方も教えて!」って言うから、不思議に思ったけど、女友達に教えて欲しいと言われているとのことだった。ボクは素直に信じていたけど、この写真を撮るためだったんだ。サプライズだった。
そして今年、2回目の父の日のプレゼント。

1才の息子の手型と足型だよ。実はボクも一緒に手伝ったんだけど、まさかボクへのプレゼントだとは思っていなかった。またまたサプライズだったよ。マユは「気づいてよ!」って言ったけどね。(笑)
こうして父親としての想い出がどんどん増えている。
父のこと
ボクの父は夜勤だったこともあり、子どもの頃にあまり一緒に遊んだ記憶はないけれど、ボクにとって理想の父親だった。父から教えてもらったことは大事にしたいと思うし、ボクから息子にしっかりと伝えていきたいと思っている。

PROFILE
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イギリス出身。インターナショナルスクール講師。
日本人の妻と国際結婚し、東京で暮らす。一児の父。
趣味は音楽、ヘビィメタルバンドのTシャツ集め。
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(制作 * PARENTalk)