先輩パパとママの毎日コラム
イラストレーターかみやかやこさんの子育てダイアリー。性別がわかる前から、そわそわと名前のことを考える。読みにくいかな?読みやす過ぎるかな?名字とのバランスが…難しい漢字はどうかな?かっこいいけど、テストのとき大変よね。名前を決めるまでになやんだこと、ぶち当たった壁、決め手、のお話です。
マリアンヌ…お前の名前はマリアンヌだよ…!出産に駆けつけた爽やかな新パパが、オギャァと泣く生まれたての赤ちゃんを抱いて、キラキラとした光と溢れんばかりの薔薇に囲まれ、名前を呼ぶ。
名付けを考えるとき、私はそんなシーンを思い浮かべてしまう。昔、少女漫画か何かで読んだのだろう。
しかし、現実の名付けは、そうではなかった。性別がわかった頃に考え始めよう。と話していたのだが、一向に性別がわからない。予定日まであと3ヵ月!という頃にやっと、性別がわかった。その頃には、生まれるまでわからないのでは?なんて考えていたので、性別関係なく考え始めていた。性別もわかったことで、本腰入れて、せっせと候補出し、なんか違う、しっくり来ない、この名前は知り合いにいる。と夫婦で議論を重ねた。
名前を考えるにあたり、私たち夫婦で決め手にしたいと思っていたのは、みっつ。ひとつ目は、答えられる理由のある名前にしたかった。赤ちゃんが物心つくほど成長した頃、名前の由来を話してあげたい。ふたつ目は、字画。私が最強字画を名付けてもらったこともあり、最終調整では字画も考えた。みっつ目は、なんとなく潔い雰囲気。雰囲気というのは、主観もあるだろう。けれど、赤ちゃんがこれから出会う、たくさんの人々に与える印象が、よいものでしかないような。そんな潔さを探したかった。
とはいえ、まだ見ぬ我が子、初めての出産でもあるし、名前にどんな気持ちを乗せればよいのか決められない。幸せになりますように、美しく育ちますように、どんな困難も乗り越えられますように、豊かな心になりますように、自然を愛せますように、それから、ええと、ええと…、詰め込みきれない。絞りきれない。欲ではなく、無限の愛情が溢れてくる。
名付け本、というものからヒントを得ようか。自力で考えだしたいが、まぁ、知識としてね、と本屋さんに行ってみる。しかし、みてみると2017年度版、と書いてある。え、これって毎年出てるの?と何も知らなかった私は驚いた。それならば、図書館に行けば、バックナンバーも揃っているかも。と、近年の名前本をごそっと借りてきた。図書館のレンタル期限は2週間。返却タイムリミットまでに名前本を熟読し、よい響きの名前・気に入った漢字・意味に感激した名前を抜粋し、付箋に写し、壁にペタペタ貼った。
壁に貼られた付箋を毎日みていると、同じ名前でもしっくり来る日、または奇抜に感じる日がある。しっくりし続ける名前がよかったが、ピカ!と来る名前でもあってほしかった。毎日、壁の付箋を動かし続け、名前候補を絞った。さらに候補が出きったから、画数判断した。すると、候補のほぼ全部が、診断よくないね…という事態に。漢字を変えたり、平仮名にしてみたり、さらに壁の付箋を増やすことになった。
そして、遂に!この名前に決めた。でも、他にも3つほど候補を残しておき、生まれた顔を見て、最終調整で決めよう。と、いうことにした。
いよいよ出産。生まれたての赤ちゃんをカンガルーケアする私は自然と決めた名前を呼んでいた。生まれた瞬間しっくり来ていたのだろう。
そして、生まれてから数えきれないほど、子どもの名前を呼んでいる。よい名前を付けられた。私たち夫婦が大好きな名前だ。子ども自身も、私たちが名前に込めた願いを、いつか、力にしてくれたらいいな、と思う。