先輩パパとママの毎日コラム
コミックやアートブックの翻訳・出版コーディネートを手がける神戸一絵さんがサンフランシスコを舞台に繰り広げる初めての妊娠・出産・子育ての物語。今回はコロナ禍で同僚や友人が企画してくれたオンラインでのベイビーシャワーについてです。
こんにちは。地元・大阪に住む親しい友人の妊娠報告を受け、娘にもそのことを伝えると手に持っていた唐揚げを突き出し「これ、赤ちゃんにあげる！赤ちゃんもからあげ好きだよね？」という娘に心でツッコみ、笑顔で返した神戸です。
妊娠中のイベントといえば、日本には戌の日の安産祈願がありますが、アメリカでメジャーなのは家族や友人が主催してパーティ形式で行われるベイビーシャワー。私の場合も、友人や会社の同僚が企画してくれたものの、時はコロナ禍。状況が悪くなる一方だったため、すべてキャンセルに。そんな中、さすがパーティのプロ（？）のアメリカ人。同僚が「オンラインでやろう！」と声をかけてくれ、急遽バーチャル・ベイビーシャワーを開催することに。内容はこんな感じでした。
まず参加者への招待はメールで。メールにはBaby registryへのリンクが貼られています。Baby registryは出産を控えた人が必要／欲しいもののリストを作り、家族や友人はその中からあげたいものを選んで贈る、というもの。規模の大きなオンラインショップ内でもリストが作れます。何が欲しいか悩まなくてもよいですし、もらう方も過不足なく必要品が揃えられ便利。合理主義のアメリカ、さすがです。
「名前の由来は？」という質問から、ベイビーシャワーはスタート。
まずはIcebreaker（緊張をほぐすためのアクティビティ）として、それぞれ自分の名前の由来を話します。親しい人でも自分の名前の漢字に込められた意味を説明するのは初めてで、英語圏の人たちとは名前のつけ方も違うので、文化の違いも垣間見えておもしろかったです。
幼少期の写真を見て有名人を当てるクイズ。
俳優や歌手など、誰もが知っている有名人の子どもの頃の写真を見て、早押しで誰か当てるクイズ。その後は、「出産予定日当日に生まれる赤ちゃんの割合は？」など、妊娠・出産にまつわるトリビアクイズをして終了。最高得点者には、後日郵送のプレゼントもありました。
顔を合わせてパーティができるのが一番いいけれど、オンラインでも私のために時間を割いてゲームを準備し、集まってくれる気持ちがうれしかったです。食べ物や飲み物も自分が好きなものを用意して、気楽に、でも妊娠をお祝いし、出産の成功を祈る気持ちは十分に伝わる特別な場になりました。
私はいま鎌倉に住んでいて、日々仕事と育児に追われ会いに行くのは難しいですが、大阪に住む妊娠中の友人のために鎌倉からバーチャル・ベイビーシャワーを企画して、現代流の安産祈願でエールを送ろうと思います。