料理創作ユニットGomaの中村亮子さんの子育て日記。
旬(とき)の遠出デビューは生後2ヵ月から。家族の事情でどうしても九州に帰省しなくてはならず、まだ首も据わらない頃に初飛行機。
赤ちゃんとの生活自体も落ち着いていなかった頃だったので、かなりドキドキの出来事だったのですが、実際はねんね期とあって、行きも帰りも抱っこ紐やお膝の上でぐっすりと寝てくれて問題なし。ホッと胸をなでおろしたものです。
そこから、ちょこちょことしたお出かけはしてきました。美術館、お買い物、ピクニックに陶器市……と出産前と同じ、自分たちが行きたいと思う場所に息子にお付き合いしてもらう感じ。もちろん子どもがいることで準備も荷物も時間の考え方も変わりましたが、お出かけをすること自体に対しての意識はそんなに変わっていなかったと思います。
が、1才が近づいてきた頃から、それまでとお出かけの意識がグンと変わってきました。旬自身の外での反応が見てとれるようになったからです。ちょうど指差しができるようになり、自分の興味の対象に対してのアプローチができるようになったのか?歩き出してくるとさらに楽しそうな反応に、親としてもあっちこっちといろんな景色を見せてあげたい!なんて思うようになりました。
が、よかれと思って行くところでも意外に反応が悪いこともあり、子どもがたくさんいるプレイルームなんかは旬の反応は今ひとつでした。一緒に行った同じ月齢のお友だちはイキイキと動き回る中、旬は同じ場所でじーっと動かない(笑)。そういえば春にお花見で行った芝生の公園でも動かず顔と体が固まってました。人見知りをすごくする方でもないのですが、お出かけ先ではなぜか動かない人?でもそれはそれで何かを発見しているのかもしれないけど!
これは!と思ったのは初めての水族館。大きな水槽を目の前にして、たくさんのお魚が泳いでいくのを目を輝かせながら見ては「ん!ん!」と指差します。かと思うと、真剣な顔してじーっと水槽をのぞきこんだり……目の前の光景にびっくりしながらも、夢中になって楽しんでいる姿にこちらも一緒になってワクワク。キラキラと目を輝かせながら未知のものを前にした好奇心いっぱいのカオったら!人間ってすてきな生き物かもしれん、とさえ思ってしまう。
こうやって息子の新しい世界がどんどん広がっていることを目撃できるのはかなり面白いことなんじゃないかしら。そう思うと、あのキラキラした目を見たいがため、今度はどこに出かけようかと作戦会議をしてしまうのでした(次は動物園!)。
PROFILE
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食や子どもをテーマに料理、雑貨デザインなど幅広く活動している料理創作ユニットGomaを従姉妹のアラキミカと主宰(www.gommette.com)。媒体での作品発表他、ものづくりワークショップ開催なども行う。著書に、絵本へんてこパンやさんシリーズのレシピ本『12つきのおはなし&パンレシピ』(フレーベル館刊)、『かんたん☆かわいい♡だいすきクッキング』(あかね書房刊図書館シリーズ)、レシピ付き絵本『へんてこパンやさん』(フレーベル館刊)など子どもに向けてのものも多数。
instagram.com/ryocogoma
(制作 * エチカ)