先輩パパとママの毎日コラム

vol.84 普通で特別な毎日「過去の自分と記念写真」

早川敏浩 2017/7/19

パパ・早川敏浩さんが写真とともに振り返る、早川家の子育てのこと。

ランドセルを背負った新一年生のくるみが半年前の記念写真の前を通り過ぎて登校していく。我が家の玄関には風雅とくるみの写真パネルが飾ってある。どちらも前回の誕生日に撮ったものだ。

もともと僕は人の写真を撮るのは好きだけれど、撮られるのは苦手だった。だから、記念写真にはあまり興味はなかった。でも、吉野弘さんの「一枚の写真」という素敵な詩に出会い考えが変わった。ひな飾りの前におめかしして座った幼い姉妹の写真を綴った詩はこう結ばれる。

この写真のシャッターを押したのは
多分、お父さまだが
お父さまの指に指を重ねて
同時にシャッターを押したものがいる
その名は「幸福」
幸福が一枚加わった
一枚の写真
(「吉野弘詩集」ハルキ文庫)

子どもたちの写真を撮ることができるのは幸せなこと。いつか子どもたちが大きくなった時に、僕が何を感じて撮っていたか、思いを巡らせてくれたら嬉しいと思う。だから普段の何気ない日常はもちろんだけど、何か特別な日に撮った記念写真も残せたらいいなと思うようになったのだ。

2011年 くるみ1才

2013年 くるみ3才

2016年 くるみ6才

そこで思いついたのが誕生日の記念撮影。1年に1回の絶対に忘れない記念日の写真を残そうと。考えた決まりごとは二つ。「去年の写真と一緒に撮る」と「公園で撮る」こと。毎年の成長が永遠に1枚の中に収まるし、パネルを作ることになれば必ずプリントすることになるから。大きな写真を残しておきたかった。それから、うちは転勤族なので、色々な土地で好きな公園がいっぱいできたらいいなあと思ったから。

2010年 風雅2才

2012年 風雅4才

2015年 風雅7才

2016年 風雅8才

その写真を玄関に飾ってくれたのは妻のアイデア。だから毎日、子どもたちが写真の前を通り過ぎて出かけるたびに成長が実感できる。こうして続けている我が家の恒例行事。今年はどんな写真に仕上がるだろうか、撮るのが楽しみ。最近は「ねえ、あと何枚?」などと言うようになったけど、父親の趣味だから仕方ないかな、みたいな態度。思春期になったらもっと嫌がることもあるだろうけど、なんとか二十才までは続けたい。そして、その時は全部の写真を並べて、二十才の風雅とくるみと一緒に撮ってみたい。

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PROFILE 早川敏浩 名古屋市在住。編集者。2児のパパ。写真が大好き
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