子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラム
産後すぐに始まる育児。赤ちゃんとの生活に向けて、パパも準備をしたいけれど、具体的に何をすればいいか、わからないこともあると思います。そこで、パパが産前からやっておくと良いことについて、男性保育士でありファザーリングジャパン顧問である小崎恭弘先生にお聞きしました。
お腹が大きくなり、体調の変化もあるママに比べて、パパは産後の赤ちゃんとの生活をイメージしづらいかもしれません。でも、ママだって妊娠・出産・育児は初めてのこと。わからないことが多いのはパパもママも一緒です。ママの気持ちを汲みながら、妊娠中から情報をシェアして自分たちに合うもの、必要なことを選びながら考えていくことは、家族を作っていく上ですごく良いタイミングです。産後の育児をスムーズにスタートするために、産前からパパが準備しておきたいことを紹介します。
名前は、親が子どもに贈る、最初で最大のプレゼントです。ママと一緒に考えてみましょう。どんな名前にしたいか想像していく中で、お腹の赤ちゃんに対するポジティブな気持ちが出てくるでしょう。また、生まれてくる子どものことを想像しながら夫婦で話し合うことで、子育ての考え方や価値観を共有するきっかけになるかもしれません。
自宅で育児が始まったとき、安心・安全な環境で育てることができるかどうか、点検してみましょう。採光や安全などに配慮した家具の配置や用意した方が良いものなど、シミュレーションをして出産までに対策をしておくことが大切です。また、最近はリモートワークをするケースも増えています。赤ちゃんが生まれたら、どの部屋を使って仕事をするのかなどもイメージし、ママと相談しながら環境を整えておくとスムーズです。
妊娠中も産後も、ママは心身ともにつらくて大変な時期。パパが家事を普段していない場合は、産後色々な家事をいきなり担当するのは、難しく感じてしまうことも多いかもしれません。家事はちょっとしたことが積み重なることで負担を大きく感じるものです。ご家庭毎のやり方もあるはずですので、ママと普段からどのようなやり方が良いか、相談しておき、小さなことでも意識して行動できるようになっておくと、産後もスムーズに家事分担ができるでしょう。また、家事は連続した作業であることが多いです。洗濯は洗って干して畳むまでが洗濯、洗い物は気づいた時や使った時にすぐ洗ってためない、ゴミの収集の日を把握しておき準備をするなど、産前から意識して、産後の大変な時期に育児に集中できるようにしておきましょう。
具体的な赤ちゃんのお世話の方法を知っておくと、産後がとてもスムーズです。オンラインで視聴できるプレパパセミナーや両親学級も増えていますから、積極的に子育てについて調べてみましょう。
2022年4月から、育児・介護休業法が改正されます。今回の改正はダイレクトに父親にフォーカスしたものになっています。産後8週間以内に4週間の産後パパ育休がとれたり、企業から従業員に対する取得意向の確認が義務付けられたりと、パパが産後すぐから育児に関わりやすくなります。育児休業法にプラスして、独自の制度を設けている会社もありますから、こちらも確認しましょう。また、ママの出産前後は出張を控えることが可能か、産後の生活も踏まえてシフトを柔軟に変えていくことができるかなども事前に上司に相談しておくと良いでしょう。
おすすめの育児グッズ、住んでいる地域の保育園、病院などついての情報、育休を取得するための段取りやタイミングなど、リアルな声が参考になります。
つわりがひどい、切迫流産・切迫早産でママが入院する、早産で赤ちゃんが出産予定日よりも早く生まれる、逆子になった、緊急帝王切開になったなど、妊娠・出産には想定していないこと、リスクがあることもあります。それらについてもママ任せにするのではなく、情報を仕入れて理解した上で、ママとも話をしておきましょう。
育児が始まると、地域に根付いた生活へと変化していきます。近所の公園、スーパー、保育園、病院など、一気に地域が身近になっていきますから、妊娠中から夫婦でリサーチしておくのがおすすめです。産前からチェックしておきたいことをまとめましたので、参考にしてください。
出産はいつ始まるかわかりません。産院、タクシー会社、両親などの連絡先を共有しておきましょう。
出産一時金、出生届、児童手当など、産前・産後に必要な手続きを調べておきましょう。
赤ちゃんは突然病気になったり、思わぬけがをしたりします。小児科をはじめ、受診できる病院はどこにあるか、診療時間や休診日などを知っておくと、いざ受診というときの手助けとなります。
保育園への入園を考えている場合は、保育園入園のための手続きを確認しておきましょう。最近では、出産前から見学に行くパパ・ママも増えています。見学では保育園の方針、環境、雰囲気などさまざまなチェックポイントがありますが、保育時間、必要になるグッズなどが聞ける場合もあり、入園後の生活リズムがイメージしやすくなります。発熱による急なお迎えが発生した場合の保育園の対応なども確認しておくと、パパ・ママは事前にどのような対応ができそうか、仕事先では、どのような制度があるのか、などを知るきっかけにもなります。ママと一緒に見学できると良いですね。
子育て支援サービスは自治体によってさまざま。出産を機に引っ越しを考えている場合はしっかり調べましょう。保育園・幼稚園の場所や小学校校区なども確認して。
遠方の身内に不幸があった、ママ(パパ)が入院したなど、一時的に赤ちゃんを預けなければならないときを想定して、預け先をどうするか確認を。乳児院、児童養護施設でショートステイを利用することもできます。
ほかにも、普段利用するショッピングモールや店舗などに行った際には、赤ちゃん連れで行った場合に授乳室やおむつ替えスペースなど、どのような設備があるのかを調べておくこともおすすめです。近所で赤ちゃん連れでも設備が整っていて行きやすいお店、紙おむつやおしりふきなどの育児用品を購入できるお店なども、ママと一緒に調べてみましょう。
妊娠期間中は、夫婦だけでじっくり話し合える時期。子育てや家事はどちらかだけがするものでなく、夫婦でチームとなって行うものということを念頭に話ができると良いですね。
ママは自分が赤ちゃんを産むという意識から、積極的に出産・育児に関する知識を得ていくことが多いですね。そのため、気が付くとパパとママの意識・知識・技術の差がついているというケースが多くみられます。できるだけ夫婦で情報を共有できるように、お互いが意識をしましょう。話し合いはもちろん、仕事などでなかなか時間が取れないときは、スケジュール管理アプリなどを使って、必要なこと・物を共有しても良いでしょう。
育児や家事分担については、家庭によってバランスが違うものです。また、実際に育児が始まると役割分担だけでは線を引くことができないケースも多々出てきますから、自分たちで作ったルールに縛られずに柔軟に変えていこうと認識しておくことが大切です。
自分たちはどんな子育てをしたいのかをイメージして意識していく中で、必要なこと、物を取捨選択していきましょう。人生での大きなターニングポイントを夫婦で乗り越えていってくださいね。