里山で赤ちゃんを育てることにした!

vol.3 それでも幸せに生きていける背中を見せたい

中村暁野 2017/8/12

家族と一年誌『家族』の編集長であり、2児の母である中村暁野さん。この春、10年間暮らし続けた都内からお引っ越しし、東京から車で約2時間の自然豊かな里山にて、家族4人で新しい暮らしを始めました。 最終話は、里山で得た人とのつながりや、家族のこれからのカタチについて聞きました。

引っ越すまでは気軽にお茶をするのが好きだったし、徒歩圏内でなんでもそろうような場所に住んでいたので、里山暮らしに耐えられなくなるんじゃないかって思っていました。それが実際に住んでみたら、暮らしやすくて居心地もよくて、思っていた以上に快適でした。

引っ越して間もない頃に荷ほどきをしていたら、泣いている樹根くんの声を聞きつけたお隣さんがやって来て、「抱っこしていてあげるよー」と、あずかってくれたんです。「庭でモグラが石を掘り返しちゃったから、一緒に石を拾ってくれる?」と、種ちゃんのことも連れ出してくれて。ある日は蔦でリースを作ってくれたり、庭で種とりを手伝わせてくれたり。すごく助けてもらっています。ほかにも、おかずを交換しあう人たちがいっぱいいて……そういう人とのつながりに満たされているんだなぁと思います。また、家族以外の人びととの深まりによって、家族間の風通しまで、よくなりました。

今後、私たち家族はどうカタチを変えていくかー。これは、夫のひょーさんともよく話しているのですが……。より、自分たちの暮らしに仕事を近づけていきたいと思っています。今は「東京」というスタイルに、こっちが合わせていかなきゃいけない生活だけど、そうではなくて、ここから発信していくことができたらいいですね。

なかなか夢や希望を持ちにくい世の中だからこそ、子どもたちにはひとつの生き方をちゃんと示せたらいいな、と思っています。現代社会の枠組みの中では、学歴がないとできないとか、いくつものスキルがないとできないとか、いろいろな制約がありますけれど、ならば制約だらけの枠組みの外へ飛び出して、自分たちの軸を大切に生きていくこともひとつの方法だということを知ってもらえたらうれしいですね。

何の保証もない自営の身だけど、それでも幸せに生きていける背中を見せられたらいいな、と。

常々そんなふうに思いながら、家族とともに里山暮らしを楽しんでいます。

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PROFILE 中村暁野 家族と一年誌「家族」編集長/家族エッセイスト
オフィシャルサイトで毎日家族日記を更新中。
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