子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラム
「せっかく離乳食を手作りしたのに思うように食べないことにイライラしてしまう」、「栄養バランスを考えるのが大変」など、離乳食作りには悩みが尽きないもの。相模女子大学栄養科学部の堤ちはる教授は、「離乳食作りが負担なら、親子共に楽しい食事タイムが過ごせるよう、市販のベビーフードの活用も考えてみてはいかがでしょう。」と提案しています。ベビーフードの活用方法はそのままあげるほかにもいろいろあるそうです。そこで、ベビーフードの特徴とおすすめの活用方法を教えて頂きました。離乳食作りに悩んだり、もっと食事時間を楽しくしたいと思っているママやパパ、必読です!
ベビーフードは、乳児および幼児の発育に伴って栄養補給をおこないつつ、一般の食品に慣らしていくことを目的として製造された食品のこと。月齢に合わせて粘度、固さ、大きさなどが調整されて作られているので、噛む力などの発達に適したものを子どもに与えることができます。
ベビーフードはさまざまな種類が市販されています。例として、調理済みでそのまま器に移したり温めたりするだけで主食やおかずとして与えられるタイプもあれば、家庭で手作りした食材を味付けするためのスープのだしやとろみをつけるための調味ソースなどもあります。
普段の食事で主食やおかずなどとしてベビーフードをそのまま与えるのももちろんOKです。
そのほかに、ベビーフードにはさまざまな活用方法があるので、ここではそのまま与える以外の活用方法をお伝えします。手作りをメインとしている方も、上手に活用することで効率がアップしたり、調理のレパートリーが広がったりしますよ。
手作りの離乳食をメインとしている場合でも、ベビーフードの月齢ごとの固さ、味付け、大きさ、とろみ具合などを手作りの際の見本として利用する方法があります。自治体などがおこなう離乳食講座などに参加できない場合などにおすすめです。
ただし、離乳食の進み具合は一人ひとり異なるので、ベビーフードの形状などはひとつの目安として考えて、子どもの食べ方などをみながら発達に合わせて作ることが大切です。
外出時はベビーフードを与えるようにすると、お出かけの負担がぐんと減ります。ベビーフードなら作る手間が省けるだけでなく、食材の傷みなどの心配もなく衛生的に利用できる点もメリットです。
手作りの離乳食をメインにしている場合でも、調理しにくい食材はベビーフードを活用するようにすると時短になるのでおすすめです。たとえば不足しがちな鉄分の補給源となるレバーはぜひ離乳食で取り入れてほしい食材ですが、調理にひと手間かかることが多いです。そこで、レバー入りのべビーフードを利用すると便利です。
魚や肉などはパサパサしているため飲み込みにくく、とろみをつけることで食べやすくなります。そこで、中華あんや野菜あんかけなどのとろみのついたベビーフードと手作りの離乳食を混ぜる方法があります。
あるいは、とろみがつくあんかけソースも粉末などで市販されているので、手作りに活用するとかんたんにとろみがつけられて便利です。
子どもの好みや興味に合わせてベビーフードをアレンジして利用するのもおすすめです。たとえばシチューが好きならおかゆの上にベビーフードのクリームシチューをかけてドリア風にする、手づかみ食べブームなら、ベビーフードのチャーハンを小判サイズにまとめてフライパンで焼いておやき風にするなどです。
ベビーフードは未開封であれば、常温で長期保存が可能なので、災害時の非常食として保管しておくといざというときに便利です。ただし、ベビーフードは月齢に合わせて作られているので、大量にストックするのではなく、成長に合わせて少しずつストックしておくといいですね。
子どもの食の興味を広げるために、新しい食材や味付けをベビーフードで試してみるのもひとつです。ベビーフードの海鮮八宝菜でイカを試す、ベビーフードのレトルトカレーでカレーを試してみる、など、ベビーフードを活用することで、新しい食材や味付けの好みなどの発見があるかもしれません。
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離乳食の時期に大切なことは、子どもがいろいろな食材を経験して食に対して興味を持ち、「食べることは楽しいこと」と思うようになること。ママやパパに余裕があってリラックスしている状態であれば、自然に笑顔が増え、きっと子どもにとって食事は楽しいものになるでしょう。ベビーフードの上手な活用で、お子さんとママやパパに自然に笑顔が増え、楽しい食事タイムになることを心より願っています。