子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.76

【生後9~11ヵ月の離乳食】スムーズに進めるための4つのポイントを専門家が解説!

2020/11/5
【生後9~11ヵ月の離乳食】スムーズに進めるための4つ... 【生後9~11ヵ月の離乳食】スムーズに進めるための4つ...

生後9~11ヵ月は手づかみ食べが始まるなど食への興味が増してくる時期。「手づかみ食べはどう対処したらいいの?」などママやパパの疑問も広がってくるようです。そこで、この時期の離乳食をスムーズに進めるためのポイントを相模女子大学栄養科学部教授の堤ちはる先生に教えていただきました。

2回食が定着してきたら、1日3回の食事へとステップアップ

2回食が定着して生活リズムが整ってきたらいよいよ3回食に進み、少しずつ大人と同じ食事時間に合わせます。食事や授乳の間隔は3~4時間空くと空腹になって食が進みやすくなります。3回食に慣れてきたら家族と同じ時間にして、一緒に食べられるといいですね。1日に必要なエネルギーや栄養素の半分以上を離乳食からとるようになる時期なので、主食・主菜・副菜がそろう栄養バランスのいい献立を意識したり、興味に応じて手づかみできるメニューを取り入れたりしましょう。

バナナ程度の固さのものを歯ぐきでつぶせるように

手づかみ食べをする赤ちゃんの画像1

この頃になると、赤ちゃんの舌やあごが前後と上下だけでなく左右にも動かせるようになり、歯ぐきですりつぶすことができるようになるため、少し離乳食を固くします。ただ、まだ歯は生えていないので歯ぐきですりつぶすことができるバナナ程度の固さにしましょう。

9~11ヵ月ごろの離乳食をスムーズに進めるための4つのポイント

この時期の赤ちゃんは食べ物を触りたがったり、食べ物を奥の歯ぐきで噛んだりして、自分で食べる楽しさを感じる時期です。この頃の離乳食を少しでもスムーズにするためのポイントを4つお伝えします。

1)手づかみ食べは口と手指の協調の大切なプロセス。メニューにとり入れて

手づかみ食べをする赤ちゃんの画像2

赤ちゃんは手づかみ食べをすることで、多くの事を学んでいます。つまんだときの感触、色や形、自分の口に合うひとくちの量、においなど、手づかみ食べでは五感がフル活用になります。手づかみ食べに興味が出てきたら赤ちゃんの意思を汲んで、手づかみしやすいメニューを用意し、たくさん経験させてあげましょう。ただし、一度に口に入れすぎてしまわないように必ず見守ってくださいね。

2)前歯でかじりとれる大きさが丸飲み防止に

食べ物を前歯でかじりとることで、咀しゃくのスイッチが入ると考えられています。そこで、前歯でかじりとれるようバナナぐらいの固さで少し大きめのサイズにすることが大切です。ひとくちサイズにすると前歯でかじりとる必要がないので咀しゃくのスイッチが入らず、よく噛まずに丸飲みしやすくなります。手でつかんで前歯でかじりとれるよう、バナナや、やわらかくゆでたにんじんなどがおすすめです。

3)パサついた食べ物にはとろみづけをするなどの工夫を

赤ちゃんの好き嫌いは味ではなく食べづらさが原因の場合も。そこで、パサついた食べ物や繊維質のものはとろみをつけてあげる、固さや形状を少し前に戻すなど、食べづらそうなものは赤ちゃんの様子を見ながら工夫しましょう。あれこれ作るのは大変なので、市販のベビーフードを活用するのもおすすめですよ。

4)食事時間は20~30分間を目安に!遊び始めたら切り上げて

食事のときは、テレビを消したり、おもちゃや絵本などを近くに置いたりせず、赤ちゃんが食事に集中しやすい環境を整えることが大切です。また、食事時間は20~30分間を目安にします。食事中に遊び始めたり食べることに飽きたりして食べなくなった場合は、「ごちそうさましようね」などと声をかけ、食事は切り上げましょう。おなかが空けば次の離乳食の時間にたくさん食べてくれるはず。こうやって赤ちゃんは食事の時間にしっかり食べることを学んでいきます。

まとめ

生後9ヵ月~11ヵ月になると、赤ちゃんにより個人差はありますが、手づかみ食べが始まったり、歯ぐきで噛んだりして、成長を感じるママやパパが多いのではないでしょうか。手づかみしやすいおにぎりやおやき、大きめに切ったゆでた野菜などを献立に取り入れながら、離乳食タイムを楽しんでくださいね。市販のベビーフードを活用して、食事に変化をつける日があってもいいですね。楽しい雰囲気の中で、赤ちゃんの食べるペースを大切にしながら赤ちゃんの食べる力を育んでいきましょう。

堤ちはる

PROFILE

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相模女子大学 栄養科学部健康栄養学科 教授
日本女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院家政学研究科修士課程修了。東京大学大学院医学系研究科保健学専門課程修士・博士課程修了。保健学博士、管理栄養士。青葉学園短期大学専任講師、米国コロンビア大学医学部留学。青葉学園短期大学助教授。日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長を経て、現職。専門は母子栄養学、保健栄養学。監修書籍に、「あんしん、やさしい最新離乳食オールガイド」(新星出版社、2019)、「食と栄養相談Q&A」(診断と治療社、2018)、「すききらいなんてだいきらい」(少年写真新聞社、2016)など。

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