子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.75

【生後7~8ヵ月の離乳食】スムーズに進めるための4つのポイントを専門家が解説!

2020/11/5
【生後7~8ヵ月の離乳食】スムーズに進めるための4つ... 【生後7~8ヵ月の離乳食】スムーズに進めるための4つ...

1日2回食の食事リズムがついてくる7~8ヵ月ごろの離乳食。離乳食をできるだけスムーズに進めるために、この時期の進め方のポイントを相模女子大学栄養科学部教授の堤ちはる先生に教えていただきました。スムーズに進めるコツを知って、楽しい離乳食タイムを過ごしましょう。

7~8ヵ月頃の赤ちゃんは舌と上あごを使うようになる!

生後5~6ヵ月の頃の赤ちゃんの口は、舌が前後に動くだけでしたが、7~8ヵ月頃になると前後に加え上下にも動くようになるので、食材を舌と上あごを使って押しつぶして唾液と混ぜて食べられるようになります。そこで離乳食は、赤ちゃんが押しつぶせるぐらいの指でつぶせるぐらのやわらかさにします。固いと押しつぶすことができず、丸飲みにつながってしまうこともあるので注意します。赤ちゃんが丸飲みしていないかどうか確認しながら食べさせましょう。舌が上下にモグモグと動いてから飲み込んでいれば大丈夫です。

7~8カ月ごろの離乳食をスムーズに進めるための4つのポイント

離乳食を食べている赤ちゃんの画像

この時期の離乳食を少しでもスムーズに進めるためのポイントをお伝えします。

1)「ちょっと大きいけれどやわらかい」形状で舌の押しつぶしをうながして

食材は水分を減らしたヨーグルト状のものから、少しずつつぶつぶ感を増やしていきます。そして指でつぶせるぐらいの絹ごし豆腐程度の固さに移行して、舌と上あごで押しつぶす動きをうながしましょう。急に形状を変えると嫌がる場合もあるので、少しずつつぶつぶ感を増やしていくことが大切です。大きさは、飲み込みやすくするために細かくする方がいいと思われがちですが、野菜などであれば目安として2~3mm大ぐらいに粗くすりつぶすのがポイント。食材を舌でとらえやすくなり、舌で押しつぶす練習につながります。

2)パサつくときはとろみをつけると食べやすい

モグモグと口を動かすことで唾液の分泌が促されますが、まだ唾液の量は少ないので肉や魚などのパサつきがちな食材にはとろみをつけて飲み込みやすくしてあげましょう。とろみづけに片栗粉を使ったり、市販のベビーフードのあんかけソースを利用したりするのもいいですね。

3)赤ちゃんの足の裏が完全に床につくとモグモグしやすくなる

口の中でしっかりモグモグするためには、椅子に座ったときに、赤ちゃんの足の裏全体が床や椅子の足置きにつくことが大切です。そこで、赤ちゃんが椅子に座ったときに足の裏全体がついているか確認しましょう。

4)主食・主菜・副菜の組み合わせも少しずつ意識して

生後7~8ヵ月は食べられる食材の幅が広がっていろいろな味や舌触りを楽しめる時期ですね。主食・主菜・副菜の組み合わせも少しずつ意識して、炭水化物・野菜や果物・たんぱく質の3つの栄養バランスを取り入れていきましょう。なお、母乳育児の場合は生後6ヵ月の時点で鉄分やビタミンD不足が指摘されているため(※)、納豆や海苔などの鉄分が含まれる食材、鮭やしらす干しなどのビタミンDが含まれる食材も摂取することが大切です。

(※)厚生労働省の「離乳・授乳の支援ガイド」
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf

まとめ

食べることに慣れてきた頃ですが、食べムラが出てくる時期でもあります。赤ちゃんにも食べたくない気分の日があるのは自然なこと。また、新しい食材には不安を感じる赤ちゃんもいるようです。見た目や味付けを変えたりしながら慣らしていくと食べるようになることもあります。赤ちゃんによって離乳食の進み具合は異なるので、焦る必要はありません。ママやパパがおいしそうに食べている様子を見せたりしながら一緒に食卓を囲んで、「今日は食べたくないのね」「いつ食べられるようになるかしら」とおおらかに見守ってあげてくださいね。

堤ちはる

PROFILE

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相模女子大学 栄養科学部健康栄養学科 教授
日本女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院家政学研究科修士課程修了。東京大学大学院医学系研究科保健学専門課程修士・博士課程修了。保健学博士、管理栄養士。青葉学園短期大学専任講師、米国コロンビア大学医学部留学。青葉学園短期大学助教授。日本子ども家庭総合研究所母子保健研究部栄養担当部長を経て、現職。専門は母子栄養学、保健栄養学。監修書籍に、「あんしん、やさしい最新離乳食オールガイド」(新星出版社、2019)、「食と栄養相談Q&A」(診断と治療社、2018)、「すききらいなんてだいきらい」(少年写真新聞社、2016)など。

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