子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラム

vol.32 妊娠中に起こりやすい体のむくみ。どんなことに気をつけたらいい?

武井 智昭 2017/7/4

お腹の赤ちゃんに栄養を届けているママの体。妊娠中は体重の増加などで体がむくみ、悩んでいるママも多いと思います。今回は、妊娠中むくまないために、どのようなことに気をつけたらよいかをご紹介します。

そもそもなんで体重が増えたり体がむくんだりするの?

妊娠中にむくみが出る原因は、妊娠3ヵ月頃からママの血液の中で水分だけが増えはじめるからです。水分は、お腹の赤ちゃんの栄養や、赤ちゃんを守るための羊水量を増やすことに必要になります。血液の中で増加した水分が体内にたまるため、むくみが出るようになるのです。

また体重の増加が起こる原因は、お腹の赤ちゃんの成長や、赤ちゃんを守るための組織が大きくなるためです。その結果妊娠後期には、平均で約8〜10kgが必然的に増加します。その内訳は以下の通りです。

上記に加えて、赤ちゃんの体重・身長の増加作用がある「ヒト胎盤性ラクトゲン」というホルモンが胎盤から分泌されることにより、ママの体内には脂肪がつきやすくなります。脂肪分として約2〜3kgの体重増加がみられるといわれており、このホルモンは妊娠中期(妊娠4〜6ヵ月)に最も多く分泌されます。

どんなことをすればいいの?

基本的には食生活の見直しや、軽い運動を取り入れるとよいでしょう。食事面では、良質のたんぱく質を多く含む和食中心のメニューがおすすめです。たとえば、根菜類の味噌汁・煮物や白身魚の焼き物・蒸し物と、適度な量の白米というような献立がよいですね。

運動面では、スイミング・ウォーキング・ヨガなどを体調の良い時にチャレンジしてみるとよいでしょう。無理のない程度に体を動かし、心身ともにリラックスできる状態を保つことが大切ですよ。安定期に入る妊娠4ヵ月頃からは、心拍数が100〜120前後で、お腹に力を入れない程度の運動にとどめるようにしましょうね。

最後に

ママの体重増加やむくみは、女性だからこそ気になるところだと思います。しかし、無理なダイエットはママにもお腹の赤ちゃんにも負担になってしまうので、体重の数字に一喜一憂せず、ママがリラックスできる環境を優先させるようにしましょう。ストレスを少なくし、楽しく充実したマタニティライフをお送りくださいね。

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PROFILE 武井 智昭 慶応義塾大学医学部。慶応義塾大学医学部で小児科研修を修了したのち、東京都・神奈川県内での地域中核病院・クリニックを経て、現在、なごみクリニック院長。0歳のお産から100歳までの1世紀を診療するプライマリケア医師。小児科・内科・アレルギー科を標榜。
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