先輩パパとママの毎日コラム

vol.31 伊野家の子育て日記「キミがいる日々」父編

伊野亘輝 2016/7/18

写真好きの夫婦による、それぞれの目線からお届けする、子育て写真日記。

はっきりいって、なめていた。 娘が生まれてから、妻と娘が約1ヵ月ほど実家で世話になり、久しぶりの一人暮らし生活をゆったりと楽しんでしまっていたせいもあるのかもしれなかったが、こんなにも子育ての“初め”が大変だとは思っていなかった。いや、正確には思っていたはいたが、予想を超えていた。

とにかく、時間がない。 娘が1人ですやすや寝ている時間なんてほんのちょっと(実際にはかなりあったんだろうといまは思うが…)で、ほとんどは起きていて泣いてる。(時おりニコニコしてる)特に夜は顕著で、30分かけて授乳し、1時間かけて寝かしつけ、そしてその1時間後にはまた「おなかへった。」と泣き始める。これをだいたい朝まで3、4ターン。そして、寝たんだか寝てないんだかという感じで会社にいく。こう書くと僕だけが子どもの世話をしていたかのように聞こえるが、実際の大半は妻がやってるので、自分でもかなり大げさだ、とは思う。でも、言いたいのは、そう思ってしまうほど「時間」というものが減っていると感じていたということだ。

本を読む時間や、映画を見る時間なんてほとんどないし、もし飲みに行くならいますぐ寝てしまいたい。 娘が生まれてから半年くらいはそんな感じだった。特に生まれてから3ヵ月の頃がピークで、夜、腕の中で寝かしつけたあとベッドに置く時に起こしてしまう、いわゆる「背中スイッチ」に手を焼いた。抱っこでは寝ているのに、ベッドに置くとすぐ起きて泣いてしまう。毎晩、暗闇の中で絶望してたのを覚えている。

だけど、時もすぎればいろいろと知恵も湧いてくるもので、僕も幾つか「必殺技」を編み出し、身につけはじめていた。その1つ目が「秘技:抱っこしたまま寝る」だ。これはそんなに必殺技という程のものでもないのかもしれないが、読んで字のごとく、ベッドにおいて起こしてしまうくらいなら、抱っこしたまま椅子に座って一緒に寝てしまうのだ。ずっと起きてユサユサしてるより100倍マシだ。朝起きた時に首とかがちょっとアレなのが欠点だけど。 そして、2つ目が「秘技:オリジナル子守唄」。抱っこして寝かしつけてる時にいつも歌を歌ってあげていると、娘がどんな調子のどんなリズムのどんな音程が寝やすいのが、段々と分かってくる。その全部入りのオリジナル子守唄を作るのだ。もちろん多大な試行錯誤を繰り返したあとで。その子守唄は9割以上の確率で5分以内に寝る(僕比較)。この2つの武器を手に入れた時、曇った空が晴れ渡るように楽になった。

人間はすごい。工夫のいきものだ。

そして娘もすごい。こんなに世話焼かせなのに、毎日びっくりするほどかわいい。

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PROFILE 伊野亘輝 東京生まれ、東京育ち。デザイナー。毎月写真を1枚選ぶだけで、両親への親孝行と子どもの成長記録として使える「レター」というサービスを運営中。http://lttr.jp
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