2人の子どものママでもあるライター・小宮山さくらさんによる等身大の子育てコラム。
おなかに赤ちゃんがやってきた!うれしい驚きとともに始まるマタニティライフ。家族や友人たちからも祝福されて、ドキドキわくわく、期待と不安に胸がふくらむ約10ヵ月の特別な時間。先輩ママたちからは「かけがえのない時間を楽しんでね!」と微笑みながら言われたりして、いつのまにやら立派な妊婦の誕生です。
ところが、産後数年たった今、あのころの日記を改めて読み返してみると、けっこう「つらい」「しんどい」といった表記があることに気がつきます。そうだった、そうだった。確かにすばらしい時間だったのですが、手放しで「妊婦って最高だよ!」と人に言えるかというと、全力でうなずけない自分がいることを認めざるをえません。
かけがえのない妊婦生活。実際は、予想外の「変化」が次々に押し寄せて、正直キツかったことも相当多かったんです。

わたしが妊娠中に戸惑った心身の変化を箇条書きでご紹介すると……
- ・つわり(キング・オブ・妊娠中の変化!ですよね)
- ・胸がパンパンに張ってくる
- ・便秘がひどくなる
- ・妊娠線の不安
- ・精神的に不安定になる
- ・夜中にこむらがえりで起こされる
- ・大きくなるおなかが予想以上に重い
- ・気軽に薬が飲めないストレス
- ・制御不能な食欲!
- ・体重制限のストレス
などなど。こうして書き連ねるだけで、あのころのいろんな大変さがよみがえります。
自分の心や体には戸惑うほどにいろんなことが次々と起きるのに、夫は10ヵ月間何の変化もなし(当たり前ですが)。情緒不安定になっていることも手伝って、「な、なんでわたしばっかり!!」とイライラしてしまうことも多々ありました。
普段の生活の中で何気なく目にする女性誌やテレビ番組に出てくる妊娠の話題は、幸せな記述ばかりが目立って意外とこういう「困った」変化については具体的に描かれていないもの。だから、意識して勉強していないと「妊娠するまで知らなかった!」ということも多かったりするんですよね。窓を開けて、「なにこれ!こんなに大変だなんて、聞いてないよー!」と叫びたくなるような気持ちです。
でも、でもでも。これらの変化は、赤ちゃんがおなかのなかですくすく育っている確かな証拠。たしかに大変だし、辛いことも多いけど、腹をくくって「付き合う」しかないんですよね。それでは、これらの変化と「付き合う」ためにどうしたらよいか?後編へつづく。


PROFILE
小宮山さくらこのライターの記事一覧
ライター。クリエイターへの取材やインタビューを中心に、『カメラ日和』『tocotoco』(第一プログレス)などの雑誌、書籍、広告などで活動。参加書籍に『無名の頃』(パイインターナショナル)、『脇阪克二のデザイン』(PIEBOOKS)、『エジプト塩の本』(美術出版社)、『猪熊弦一郎のおもちゃ箱』(小学館)など。目下、2児の子育て中。
(制作 * エチカ)