子育てエール!専門家による、ママパパ応援コラムvol.112

産後ケアセンターってどんなところ?申し込み方法、条件、費用を助産師が解説します

2021/11/16
産後ケアセンターってどんなところ?申し込み方法、条... 産後ケアセンターってどんなところ?申し込み方法、条...

核家族化が進み、里帰り先の両親が高齢、あるいは現役で働いているなどの現状などから、「産後ケアセンター」の利用が広まってきています。ですが、まだ「産後ケアセンター」についてよく知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、みき母乳相談室を運営する榎本助産師に、産後ケアセンターの具体的なサービス内容や利用料金などを教えていただきました。

産後ケアセンターとは

妊娠・出産を経て、女性の体やこころには大きな負荷がかかります。そんな産後の女性に寄りそって、体の回復、育児、精神面をサポートするのが産後ケアセンターです。ママと赤ちゃんが一緒に過ごすことができる施設で、常駐の助産師や看護師、栄養士、保育士、臨床心理士などの専門職スタッフがママの産後ケアをしてくれます。

専門家に疑問点や不安な点をすぐに相談できたり、赤ちゃんを預けて睡眠をとったりできるため、産後うつの発症を防ぐ効果も期待されます。

産後ケアセンターを運営しているのは民間企業や自治体などさまざま。産院、助産院などに併設されていることもあります。

どんな産後ケアのサービスが受けられる?

ママに抱かれる赤ちゃん

産後ケアセンターには、おもに日帰り型、宿泊型があり、それぞれ個室で過ごせるようになっていることが多いようです。なかには訪問型をおこなっているところもあります。

施設により異なりますが、基本的には次のようなサービスが受けられます。

・育児不安の相談
・産後の体の不安、苦痛などの相談
・栄養バランスのよい食事の提供
・赤ちゃんの預かりとママの睡眠や休息の確保
・赤ちゃんのお世話のサポートやその指導(沐浴、おむつ替え、ミルク授乳など)
・母乳育児のサポート(抱き方やくわえ方などの指導)
・赤ちゃんの泣き、眠りのサポート
など

施設に到着すると、最初にママの体調や育児で困っていることなどを助産師や看護師などのスタッフが聞いてくれます。そうして利用する産後ケアのサービスを決めていきます。日帰り型、宿泊型ともに、ママの健康状態をチェックしたり、赤ちゃんの体重や発育をチェックしたりして、育児相談ができます。授乳に悩んでいたらおっぱいをあげる様子をみてもらう、沐浴や抱っこの仕方を教わるなど、ママや赤ちゃんのことならなんでも相談ができるでしょう。

施設によっては臨床心理士によるカウンセリングが受けられたり、体をリラックスさせるアロマや鍼灸治療などをオプションでおこなっているところもあります。

これらはあくまでも一般例で施設によって内容や流れは異なりますので、利用される際は各施設や自治体などに確認しましょう。

産後ケアセンターの申し込み方法、条件、利用料金について

看護師に抱かれる赤ちゃん

産後4ヵ月以内で育児に不安がある人、体の回復に時間がかかっている人など条件を満たせば基本的に申し込みができます。なかには産後1年未満としているところもあり、条件は各施設や自治体によって異なります。申し込みは、民間が運営している施設ならその施設が、自治体が運営している場合は地域の子ども家庭支援センターなどが受け付けています。

利用料金ですが、民間施設の場合は、たとえば東京都だと日帰りが2万円前後、1泊2日が6万円前後と高額ですが、自治体が運営しているものであれば日帰りが2,000円前後、1泊2日が6,000円前後と、民間施設に比べて低価格です。自治体によっては民間施設の利用料金のうち、8割前後を助成金で負担してくれるところもあります。また、「子育てチケット」「子育て利用券」などの名称で、おもに日帰りや訪問型の産後ケア費用にあてられるチケットを交付している自治体も。自治体によって産後ケアの助成制度は異なるので、問い合わせて確認をしておきましょう。

まとめ

産後は24時間赤ちゃんのお世話にかかりっきりになります。産後の育児が不安、体力面で不安などの場合は、産後ケアセンターの利用がおすすめです。専門家から得たアドバイスはその後の育児にも役立ちますし、なによりママの体力、気持ちに余裕ができるでしょう。ママに余裕が生まれると、育児がもっと楽しくなるかもしれません。頼れるところは頼って、上手に産後を乗り越えましょう。

榎本美紀

PROFILE

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2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、地域の母乳育児を支援している。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたる。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受け付けている。自身も一児の母として子育てに奮闘中。
「みき母乳相談室」

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