商品開発の現場へ!ピジョン商品開発メンバーに聞いてきました!vol.4

デザイン賞受賞!「弱吸啜用乳首」に込めた想いとは?

2017/4/11
デザイン賞受賞!「弱吸啜用乳首」に込めた想いとは? デザイン賞受賞!「弱吸啜用乳首」に込めた想いとは?

さまざまな事情により、「おっぱいを吸う、飲む」ことが難しい状態で産まれる赤ちゃんがいます。小さく、吸う力が弱く産まれた赤ちゃんのために必要な商品を開発する想いについて、研究員の斉藤さんと、小児科医の林先生に伺いました。

赤ちゃんにとって母乳を飲むことは、とても重労働。おっぱいをくわえて、吸って、飲み込む動作にはある程度の筋力が必要ですが、早産などの事情により母乳を飲むことが難しい状態で産まれてくる赤ちゃんもいます。ピジョンの「弱吸啜用乳首」は、そんな力が弱い赤ちゃんでも母乳を飲むことができるように、病院・産院向けに開発された乳首です。

斉藤さん
早産などの事情により、母乳実感の新生児用哺乳瓶・乳首では母乳を飲めない赤ちゃんがいます。ピジョンでは『すべての赤ちゃんの健やかな成長をサポートしたい』という想いから、小さく産まれて吸う力が弱い、疾患や障害のため心肺機能に負担をかけずに授乳をする必要がある赤ちゃん向けの乳首を研究・開発してきました。

林先生
産まれた直後は力が弱くても、栄養は口から摂ることを教え、ママのおっぱいを吸えるようになるまで、哺乳瓶・乳首の助けが必要です。どんな時期に産まれた子でも、そのときに出るママの母乳が一番よいので、小さくて力が弱い赤ちゃんでも吸える『弱吸啜用乳首』があれば、搾乳した母乳を哺乳瓶に入れて飲ませてあげることができます。」

液晶タブレットと乳首

ーー普通の乳首に比べて、弱吸啜用乳首にはどのような工夫があるのでしょうか?

斉藤さん
母乳実感の新生児用よりも、さらにやわらかい素材を使っています。力が弱くても、ママのおっぱいを飲むときと同じ口の動きが自然とできて、いつでもママのおっぱいに移行できることを目指して開発しました。

林先生
低体重などで力が弱い赤ちゃんは、生まれた直後はNICU(新生児集中治療室)に入って入院しなくてはなりません。しかし、哺乳瓶と弱吸啜用乳首の力を借りて、口から栄養を摂ることを覚え、母乳を飲めるようになったら、退院しておうちに帰ることができるのです。

デザインアワードロゴ

このピジョン「弱吸啜用乳首」が、世界3大デザイン賞のひとつとされる「iFデザイン賞」を受賞しました。「iFデザイン賞」は、ドイツ・ハノーバー工業デザイン協会が1953年から主催し、全世界の工業製品から優れたデザインを選定する国際的に権威のあるデザイン賞です。

斉藤さん
一般に市販されている哺乳瓶・乳首の母乳実感にも言えるのですが、おっぱいに近づけることを追求した結果、見た目はごくシンプルなデザインになっています。吸う力が弱い赤ちゃんが『生きるために口から栄養を摂る』『いつかはママのおっぱいに戻れる』ために作ったこのデザインを評価していただけたということは、特別な意味があることだと感じています。これからも『すべての赤ちゃんの健やかな成長をサポート』するための研究開発を続けていきます。
※病院・産院用の商品のため、一般のお店では販売しておりません。

—♪—

取材により、“ふだんどおり”のママと赤ちゃんの行動を観察したり、力の弱い赤ちゃんへのサポートを考えたり、ピジョンの中央研究所ではさまざまな研究が続けられていることがわかりました。これからも日夜続けられる研究の成果が、どんな形の商品として発売されるのか楽しみですね!

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