アメリカ・オレゴン州にあるアシュランドという芸術活動が盛んな美しい都市で暮らすセキアキコさんのアメリカでの子育てエピソード。
お風呂って……どうすればいいの!?
出産翌日の夕方、自宅に戻ってきた私は最初の壁にぶちあたりました。
日本で行った母親学級で1度だけ沐浴の練習をしたけど、アメリカはちょっと違いました。病院でもらった冊子には、「濡らしたタオルでやさしく拭いてあげてください」と書いてあるだけ……。
アメリカでは「スポンジバス」と呼ばれていてごくごく一般的ですが、私にとっては全くの初耳!今考えると、調べればやり方はすぐ見つかるし、そんな難しいことでもないんですが……。その時の私は、不意にやってきたカルチャーショックに頭の中が???だらけになってしまい、「ええい!パパ、頼んだ!」と丸投げしてしまいました。
とはいえ、パパにとっても勿論はじめてのこと。ぎこちない手つきのパパとアタフタしたママの真ん中で終始号泣の息子……。それから私はお風呂に苦手意識が生まれてしまい、ベビーバスを使うようになるまで、スポンジバスはパパの役目になりました(頼りないママでごめん!)。
それでも、私も徐々に慣れていき、苦手意識も克服しました。息子もパパと一緒に湯船に浸かったりして、お風呂タイムはどんどん楽しくなっていきました!
ところが息子が1才になる少し前、夫の実家に初めて帰省することになった時、ちょっとした問題が発生。夫の実家には大きなジャグジーバスがあるのですが、普段はみんなシャワーだけでお風呂は誰も使っていないとのこと。お義母さんは「使ってもらっていいのよ」と言うけど、水道代もかかるし、なんだか申し訳ない……。どうしようかと悩んでいると、夫が言いました。「じゃあキッチンのシンクをお風呂にすればいいよ!」
おお!シンクですか!!と驚いていると、お義母さんも「そうね、それがいいわ」と。オレゴンで同居中の叔母さまに聞くと、「私の子どもたちもみんなシンクでお風呂に入ってたわよ」という答え。
というわけで、グランマのおうちで息子は初の「シンク風呂」に入ることになったのです!
ぴかぴかに磨いたシンクにお湯を張って、いざ入浴。
すると、私の不安をよそに、息子はいつもと違うお風呂体験ができて大喜び!終始ご満悦でお湯に浸かっていました。
この風呂スタイルが気に入ってしまった息子は、オレゴンに戻ってからも時々、我が家のキッチンでお風呂を楽しむようになりました。
今はもう、大きくなってシンクには収まりきらない息子。赤ちゃん時代の大切な思い出です。
PROFILE
セキアキコこのライターの記事一覧
アメリカ・オレゴン州で出産と子育てをスタート。現在はメイン州在住。サンフランシスコで写真を学んだ後、スタジオアシスタント、ブライダルカメラマンとして働く。
http://ameblo.jp/aco-84/
(制作 * エチカ)