菓子・料理家として雑誌や書籍で活躍のほか、お菓子教室なども主催する渡部和泉さんは1児のママ。料理のプロが作る赤ちゃんごはんについて渡部家の食卓をのぞかせていただきました!
喘息持ちの兄弟がいたこともあり、母は食事にすごく気を使っていた。三度のご飯はもちろん普段のおやつも手作りのみ。おいしくて大好きだったけど、当時の私は友だちが持っているカラフルなお菓子がうらやましくて仕方なかった。
あるとき友だちと駄菓子屋に行こうという話しになったのに、母は「そういうことにお小遣いは出せません」の一点張り。母のおかげで「食」について考える機会が多く、こうして料理家になった訳だけど、当時のショックは今でも忘れられない(笑)。
自分の子どもにはそんな思いはさせないと誓っていた私も、結局母と同じように手作りにこだわっている。そして娘もやっぱり、キラキラな市販菓子を他所でもらうと目を輝かせて飛びつくのだ。その気持ちよーーく分かるけど、母の立場になるとなんだか切ないもんだなあ。
それでも、このプリンだけは「お母さんのが一番おいしい!」と言ってもらえる。 栄養を考え、卵多めの砂糖少なめ。娘の苦手なカラメルは入れないから、甘い茶碗蒸しみたい。食べ終わってもなおスプーンを舐めている姿を見ると、お母さんメイドのおやつはあなた仕様なんだってこと、少しは伝わってるのかな。
余談ながら、おばあちゃんになった母は孫にはメロメロに甘くて、欲しいと言われればどんなお菓子でも買い与え、私に毎度注意されている。
RECIPE
レシピ
卵たっぷり、砂糖ひかえめ。材料3つの子どもプリン(6個分)
材料 卵3個、砂糖30g、牛乳220ml
作り方
1.バットにキッチンペーパーをしき、器を並べる。
2.卵を割りほぐし、砂糖を加え泡立てないようにして混ぜる。
3.沸騰直前まで温めた牛乳を少しずつ加え、混ぜる。一度ざるで漉す。
4.器に等分に注ぎ、60度のお湯をバットに注ぐ(器の半分の高さまで)。160度に余熱したオーブンで15分湯煎焼にする。焼けたらそのまま10分オーブンの中においてから、取り出す。粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やす。
大人にはカラメル入りを。
カラメルの作り方
材料 砂糖50g、湯小さじ2
作り方
1.小鍋に砂糖を入れ、火にかける。色づいてきたら鍋をまわしながら全体を溶かす。
2.好みの色になったら火を止め、湯を加える(はねるので注意)。すぐにスプーンで器に入れる。
3.その後、プリン2.の作業からスタート。
※カラメルは作りやすい分量。残った分はオーブンペーパーに丸く落とす。冷めると固まるので、そのままオーブンペーパーで包み、ラップをして冷凍保存しておく。凍ったまま器に入れればすぐ使える。
PROFILE
渡部和泉このライターの記事一覧
菓子・料理家。国際中医薬膳師。漢方薬メーカーや無添加食品会社の勤務を経て、独立。著書に「漬けるおかず便利帖」「季節の手づくりジャムの本」など。少人数のお菓子教室「atelier mel」主宰。
(制作 * エチカ)