先輩パパとママの毎日コラムvol.279

佐藤蕗のおもちゃ作家的生活 『0才誕生日』

2019/10/31
佐藤蕗のおもちゃ作家的生活 『0才誕生日』 佐藤蕗のおもちゃ作家的生活 『0才誕生日』

おもちゃ作家・造形作家として活躍する佐藤蕗さんの、少し早めにふたり目を出産した際のエピソードです。

2019年に長男のときから7年の年月をあけて、次男を出産しました。

「赤ちゃんが産まれてから1年経ってついに1才。初めての誕生日は家族でお祝い!」……というのが一般的な「赤ちゃんの初めての誕生日」ですが、我が家の次男は産まれてからほんの1ヵ月半で「初めての誕生日」のお祝いパーティーを開催しました。名付けて『0才誕生日』。

ケーキ

というのも、次男は出産予定日より1ヵ月半ほど早く産まれたからです。妊娠自体は順調だったので、何の兆しもなく突然陣痛が来て驚きました。すぐに病院に行くことができ無事出産に至りましたが、遠出をしていなくて本当に良かった。赤ちゃんはおなかの中にいる時間が短い分、抗体の量が少なくなり、感染症にかかりやすいということを始めて知り、妊娠中はちょっと慎重すぎるくらいがちょうどいいとヒシヒシ感じました。

そのため、次男は産まれてから1ヵ月間ほどNICU(新生児集中治療室)に入院して、退院の日まで毎日、搾乳をした母乳を届けに病院へと通っていました。NICUで丁寧に育てていただいたおかげで順調に体重も増えてゆき、ついに退院となったのですが、それでも出産予定日よりも2週間前。退院はとてもうれしかったけれど、こんな小さな赤ちゃんを家に連れて帰っても良いものだろうかと、やはりドキドキしました。

出産した日の長男の絵日記。「いきなりあかちゃんがうまれた!」と書かれている出産した日の長男の絵日記。「いきなりあかちゃんがうまれた!」と書かれている。

そして退院から2週間経過し、ついに出産予定日が。「あ〜ここまで長かった!今日からが新生児の始まりなんだね……。ということはやっと0才になったんだね。つまり、ほかの赤ちゃんよりも1回、誕生日が多くてラッキーだってことにしよう!」と家族で話し合って、ささやかですが自宅でケーキとちょっとしたご馳走で『0才誕生日』のお祝いをしたというわけです。

『0才誕生日』の写真で次男が着ている新生児服の絵は、長男が描いたイラストをアイロンプリントで再現したもの。長男と次男は7才離れているので、いわゆる赤ちゃんがえりのようなものはありませんでしたが、予定よりも早く、またケアが必要な赤ちゃんが突然家に来たことでやはり気を遣って疲れたようです。次男が家にやってきてから1ヵ月ほどは笑顔が少なくなったり、一時的に暗闇を怖がったりするようになりました。私も新生児のお世話でぐったりしてしまったこともあり、だからこそこの状況をふたりで楽しむことに。

退院直後に長男が書いてくれた次男の絵退院直後に長男が書いてくれた次男の絵

夕方になると次男が大泣きをし始めるので、長男と「泣き始めてから何分で泣き止むか」を予想して当てっこしたり、「今日は18時ぴったりの時点で泣いているかどうか?」をクイズにしたり(当たったらお菓子がもらえるルールに)。特に大きな声で泣いているときはスマートフォンアプリで声の大きさを測って、赤ちゃんが泣いていることや大変なことを “悪いことではない”と捉えるようにしました。そんな風にしていると、「今日は思ったより泣かなかったね!」「赤ちゃんの泣き声に慣れてきた」と言うようになり、やがて「赤ちゃんは泣くのが仕事なんだからだいじょうぶ」と私に声かけしてくれるようにもなりました。そうこうするうちに大泣きする時期はあっという間に終わり、今では長男も「赤ちゃんのいる生活」にも慣れて、すっかり仲良く暮らしています。

佐藤蕗(さとうふき)

PROFILE

佐藤蕗(さとうふき)このライターの記事一覧

2児の母。店舗設計会社、建築設計事務所勤務を経て、第1子出産を機にフリーランスに。育児をしながら作っていたおもちゃが反響を呼び、デザイナー、イラストレーターの活動のかたわら、造形作家として、雑誌、web、テレビなどで活動中。
http://fuki.petit.cc/

(制作 * エチカ)

RELATED 関連情報はこちらから

RANKING アクセスが多い記事をランキング形式でご紹介。

妊娠・出産・育児は、
わからないことがいっぱい。
悩み過ぎず、自分のペースで
行える育児のカタチを紹介していきます。
コモドライフとは?