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「おしゃぶり」の疑問を、専門医の先生が解説!

2020年1月に赤ちゃんの口腔研究から生まれたおしゃぶりの商品発表会がピジョンで開催されました。その中で、小児歯科の専門医である井上美津子先生から、子どもの歯と口の発育と「おしゃぶり」の疑問について、さまざまな角度からお話しいただきました。

「おしゃぶり」の疑問を、専門医の先生が解説! 「おしゃぶり」の疑問を、専門医の先生が解説!

おしゃぶりの商品発表会は、8人の子育て中のママやメディアの方が集まり開催されました。そこで、昭和大学歯学部小児成育歯科学講座の井上美津子先生より、子どもの歯と口の発育についてと、おしゃぶりのイメージや疑問について専門医の立場から講演をしていただきました。

「子どもの歯・口腔の発育としゃぶる行為の関係性」について

まずはじめに、子どもの発育段階ごとの歯・口の発育と、しゃぶったりかんだりする口での行為がどのように関係していくか、解説していただきました。

井上先生
口はとても早く発達する器官で、妊娠初期から発達が始まっています。胎生12~14週頃には、早くもくちびるや舌への刺激で口を閉じる反応が見られるようになり、16週頃には指しゃぶりのような動きが見られるようになります。つまり、赤ちゃんはおなかの中にいるときから“しゃぶる”行為をしているんですね。30週前後には、赤ちゃんがおっぱいを吸うための反射運動ができるようになります。

生まれたばかりの新生児がいきなり自力でおっぱいを吸うことができるのは、おなかの中にいるときに培った反射のおかげです。そして、生後2~4ヵ月頃には、指しゃぶりをしたり、タオルやおもちゃを吸ったりなめたりするようになります。この時期はくちびると舌が最も敏感な器官なので、何でも口もとに持ってきて感触を確かめようとしているのです。また、最初は反射で吸っていたおっぱいも、徐々に自分で飲む量をコントロールできるようになり、遊び飲みが始まります。おっぱいを吸いながらお母さんの様子を見たり、声を出したりする赤ちゃんに対し、お母さんが「なあに?」「おなかいっぱい?」と応えたりしてコミュニケーションをとることで、愛着形成がされる時期でもあります。

生後5~6ヵ月頃になると哺乳反射がなくなってきて離乳食が食べられるようになります。その後、乳歯が生え始めると舌を口の中で動かしやすくなり、上下の前歯が生えてくると、かみ遊びも見られるようになります。生後9〜11ヵ月頃の離乳後期になると、奥歯は生えてなくても歯茎が盛り上がってくるので、そこで食べ物をつぶせるようになり、徐々に形のあるものでも食べられるようになります。

1才を過ぎてくると、個人差はありますが奥歯が生え始めて、奥歯でつぶす歯を使った咀嚼ができるようになり、いろいろな物が食べられるようになって離乳は完了となります。すると、しゃぶる行為の機能発達面での意義は失われてきて、気分を鎮めたり精神安定の役割が大きくなってきます。2才半から3才になる頃にはかみ合わせが完成し、咀嚼力も増すため大人に近い食事が食べられるようになります。そうなると、3才以降のしゃぶる行為は「クセ」ですね。どうコントロールしてしゃぶるクセを止めさせるか?ということを考える必要が出てきます。

井上先生

「おしゃぶり」について

続いて、おしゃぶりにまつわるイメージや疑問について、お答えいただきました。

ーー口やあごの発育を促すって本当?

井上先生
おっぱいを飲むことが中心の乳児期には、指しゃぶりやおしゃぶりなどのしゃぶる行為は、くちびる、舌、あごの一体化した動きを促すので、口のまわりの筋肉や舌の動きの発達、顎の発育を促します。離乳期以降になると、かむ動きができるようになるので、しゃぶる行為が機能面での発達に関わる意義は薄れてきます。

ーーSIDS(乳幼児突然死症候群)の予防になるって本当?

井上先生
日本ではSIDSの予防策としては特に挙げられていませんが、アメリカでは2006年に小児科学会で「おしゃぶりの使用がSIDSの予防になる」という見解が示されています。口におしゃぶりが入っていることで、空気の通り道が確保されて、窒息事故の防止になると考えられているようです。また、SIDSの危険性が増すと言われるうつ伏せにはおしゃぶりをしたままではなりにくいですよね。日本ではアメリカのように言われていないのは、生活習慣の違いがあると思われます。アメリカは赤ちゃんのときから大人とは別のベッド、別の部屋で寝ますが、日本は同じ部屋での添い寝が一般的ですからね。

講演の様子

ーー赤ちゃんの気分を鎮め、泣き止ませるって本当?

井上先生
おっぱいを吸いたいという本能(吸啜本能)を満たしてくれるので、子どもの気分を鎮めて、精神的に安定させる効果はあります。おしゃぶりだけでなく、指しゃぶりやタオルしゃぶりも同様です。ただ、本当におなかが空いているときは、あくまで一時的な効果になります。授乳の準備をするまでの場つなぎには良いかもしれませんね。

ーー子育てを助けて、親を精神的に安定させるって本当?

井上先生
「子どもの泣いている原因がわからない」「どうあやしたらいいかわからない」という親にとって、おしゃぶりで子どもが落ち着けば、育児不安やストレスを軽減できて精神的な安定につながります。また、外出しようと思っても、赤ちゃんがぐずることが心配で外出を控えてしまうことがあるかもしれません。そんなときにおしゃぶりがあれば、ぐずっても子どもが自然と落ち着くので外出しやすくなり、育児がより楽しくなりますね。

おしゃぶりは、以前、ピジョンさんから「母助(ぼすけ)」という商品名で発売されていたそうです。今の時代は、インターネットなどに情報はあふれていますが、自分の子どもに合った情報がわからない、具体的にどの情報を信用したら良いのかわからない、という育児状況です。そのため、育児不安を抱えているお母さん、お父さんがたくさんいますが、おしゃぶりが不安解消の助けになってくれると良いと思います。

おしゃぶりの使用実態

最後に、おしゃぶりの使用実態についての調査結果と、そこからわかることについて解説していただきました。調査によると、ママ・パパにとっての心配ごとは「一度使うと止められないのでは?」「歯並びが悪くなるのでは?」などということ。これらの心配ごとに対して、調査結果をもとにお答えいただきました。

ーー癖になって止められなくなる?

井上先生
おしゃぶりの使用状況は、月齢が上がると減っていきます。おしゃぶり使用者に止めた時期ときっかけを聞くと、「子どもが飽きて使わなくなった」という理由が多く、1~2才の幼児期前半頃には、他に興味のあるものが増えることで、自然に止める子が多いようです。つまり、他のものに関心が移るのですが、もし3才近くになってもまだ続いているならば、その頃になると発達が進み理解力が増すので「そろそろ止めようね」と言い聞かすことも効果があります。例えば、「3才の誕生日になったら、もうおにいさん、おねえさんになるから止めようね」などと声をかけるのも良いのではないでしょうか。

ーー歯並びが悪くなる?

井上先生
離乳期が終わったのに、まだおしゃぶりを使っていてもいいの?と心配している方が多いですが、2才半頃までに止められれば影響は少ないと思います。2才半、3才以降まで長時間使っていると、歯並びやかみ合わせに影響が出る子どもが急に増えてきます。そのため、1才を過ぎたら徐々に使う頻度を減らしていき、2才半頃までに止められると良いですね。おしゃぶりを使っている間も、子どもへの声がけやスキンシップを大切にしてくださいね。

講演の様子2

最後にまとめとして、子育て中のママ・パパへのメッセージをいただきました。

井上先生
おしゃぶりは、指しゃぶりと違って親や周囲の大人が与えるものです。子どもにとっても、親にとってもメリットの大きなものなので、上手に使ってください。


井上先生、役に立つ貴重なお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました。お話にあったように、おしゃぶりを上手に使って、赤ちゃんもママ・パパも楽しい毎日が送れると良いですね。

ピジョンのおしゃぶり

この日に発表されたピジョンのおしゃぶり、新商品についてはこちらです。

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