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ヨガ・インストラクター、岡本かなみさんに聞く『産後の体型戻し』7つの方法

2023/5/15
ヨガ・インストラクター、岡本かなみさんに聞く『産後... ヨガ・インストラクター、岡本かなみさんに聞く『産後...

『産後の体型戻し』は、出産をしたママたち、これから出産をするママたちの多くが気になるところですね。2回の出産を経験し、現在産後5ヵ月でもあるヨガ・インストラクターの岡本かなみさんに『産後の体型戻し』について、ご自身の経験とアドバイスをお聞きしました。

岡本さんが、産後ママの身体の変化に驚いたこと

——岡本さんのお仕事について教えてください。

岡本さん
ヨガ・インストラクターです。『親子でできるヨガ』をベースに、ママに向けたヨガから赤ちゃんに向けたヨガ、親子でできるヨガ、子どもたちに向けたヨガ、マタニティ向けのヨガなどをやっています。また親子で楽しい時間を過ごすイベント等も行っています。

——ママや赤ちゃん対象のヨガを中心にやられているのはなぜですか?

岡本さん
ある妊婦さんに出会ったことが大きなきっかけです。マタニティ・ヨガを受けていたママが出産後に「このままヨガを続けたいから」と来てくださっていたのですが、そのときに『出産後のママってこんなに過酷なの!?』『出産でこんなに身体が変わるの!?』と驚いたんです。

ヨガをやっていて、一番身体が良い方向に変わるのが『産後ママ』です。1回のレッスンだけでも身体がものすごく変化します。それだけ産後のママの身体は、ダメージを受けてマイナスになっている状態なのです。

そのことをきっかけに私も色々と調べていくうちに、産後のママが妊娠、出産でこれだけのことを成し遂げていることに驚いたし、赤ちゃんのことも知れば知るほど、全ての時間が成長に繋がっていることを知って、赤ちゃんの可能性に感動しました。

こういうことをもっとママたちに伝えて、子育てをもっと楽しんでもらい、自分の身体のこともケアして欲しいなと思い、今の活動に繋がっています。

岡本さんと娘さん

——岡本さんご自身が出産を経験されたのは、その活動を始めた後ですか?

岡本さん
はい。その後に結婚して子どもを授かりました。1人目は2019年出産(現在4才)、2人目は2022年11月(現在5ヵ月)に出産しました。

——実際に出産や子育てを経験されてみて、どうでしたか?

岡本さん
それまでたくさんの過酷なママたちを目の当たりに見てきて…例えばレッスン中に感極まって泣いてしまったり、子育てしたくないと言ったりとか。

子育てはやっぱり覚悟していた通り、ママたちが言っていた通りだな、って思うところがありました。

ポジティブに切り換える方法や生き方も学んできているはずだったけど、育児に関しては初心者のママが、出産してすぐに育児をやるのは難しいなと思いました。

楽しいも100、でも難しいも100。だから、ママたちは改めてすごい!というのを実感しました。

岡本さんに聞く「産後の体型戻し」7つの方法

左から産後〜産後1ヵ月〜産後3ヵ月左から産後〜産後1ヵ月〜産後3ヵ月

1)「呼吸」で体幹を整える

——岡本さんが、産後の体型戻しで最初に始められたことは何ですか?

岡本さん
まずは「呼吸(腹式呼吸)」です。私は自然分娩だったこともあり、すぐに動くことができたのですが、常に「呼吸」を意識していました。寝ているときも立っているときにもできます。それは今でも続けています。

骨盤を支える一番の筋肉は、おなかの体幹の部分です。腹式呼吸でおなかの体幹部分を引っ張り上げることで、骨盤を正しくグッと引き上げていくので、まずはおなかを使った呼吸で骨盤を整えていました。呼吸をしながら、傾いてしまった骨盤を上に引っ張るような意識をします。

2)「骨盤の位置」を戻す

——産後の骨盤はそもそも歪(ゆが)むものなんですか?

岡本さん
歪みます。出産によって、必ず骨盤に影響が出ますね。

——妊娠するまでは、骨盤は同じ形なのですか?

岡本さん
一言で言ってしまえば、骨盤自体は同じ形なのですが、骨盤ってものすごく不安定なもので、出産をしていない方でも、姿勢の悪さなどで、骨盤が傾いている方はいます。

骨盤は、妊娠により傾いてしまった上に、出産による圧も加わったりするため、産後は骨盤がさらに大きく傾いたり、グラグラしている不安定な感覚があったり、尿モレが起きたりするなど、骨盤の歪みの影響が出てきます。

岡本さんと娘さん2

——出産で歪んでしまった骨盤は、そのままにしておくと戻らないのですか?

岡本さん
私たちの身体はすごい力を持っているので、傾いたり開いてしまった骨盤は自然に戻ろうとしますが、一般的にはそのまま放っておいたら完全には戻らないと言われています。

大事なのは「骨盤の位置」を正しく戻すことです。妊娠中、おなかが大きくなるにしたがって、骨盤は前に傾いていき、そのまま出産を迎えます。そのため、産後の方の骨盤は前に傾いています。まずは、出産してすぐに骨盤の位置を戻すことが大事です。

——岡本さんは「骨盤ベルト」は使いましたか?

岡本さん
姉から譲ってもらったものを1人目も2人目のときも入院中の産後すぐから着けていました。骨盤ベルトの良いところは、ベルトを着けていることで「骨盤に意識が向く」こともあります。常に骨盤の位置を戻していることを意識できるのは良いことですね。私も入院中は骨盤ベルトを締めないと不安に思っていました。

3)産後2ヵ月は身体を伸ばす程度の簡単なストレッチから始める

——退院してからの体型戻しは何をされていましたか?

岡本さん
産後2ヵ月くらいは、身体を動かして運動するというよりも、身体を元に戻すことを優先させていく時期なので、身体をほぐすストレッチ、伸びたりする心地良い動きをしていました。ストレッチは、伸びればその分筋肉も使えるようになるので、代謝も上がるのです。

実は産後のママたちの身体が一番ダメージを受けているのは、産後すぐではなく、出産でダメージを受けた身体ですぐに子育てが始まるので、産後の身体の状態で子育てが継続していくときなのです。さらにダメージを受けてマイナスの身体の状態を続けるのは、産後に太りやすくなっていく原因にもなります。

出産してすぐの早い段階で、骨盤を正しい位置に戻したり、身体を伸ばしたり姿勢を良くすることで、ママの身体はかなり快適になっていきます。それはどう子育てに向き合っていくかに繋がります。身体を整えることで、もっと快適に子育てができるようになります。

ストレッチをする岡本さん

4)2ヵ月を過ぎたら運動をする

——運動はどのくらいから始められましたか?

岡本さん
ストレッチから、少しずつ身体を使って代謝を上げていく動きにしていきました。出産して3ヵ月くらいは運動をする余裕もなかったのですが、仕事でレッスンの配信や、動画を撮るために運動するようになったら、夜中の抱っこや寝かしつけなどが本当にラクになりました。抱っこして歩いたり揺れたりするのも股関節の動きがよくなっているので、ものすごくラクになるのです。

悪い姿勢で赤ちゃんを抱っこしたり揺れたりしていると、腰が痛くなったり、肩が痛くなったりするのですが、骨盤の位置を整えて運動することによって、筋肉もついて股関節の動きも良くなってくると負担なく動けるようになります。身体を整えるって本当に大事だなと思いました。

——毎日どのくらい運動していましたか?

岡本さん
運動としては1日10分とか、やっても15分です。子育てそのものも動いているので、子育ての動作でアプローチできない部分を鍛える、整えるようなことをしています。

子育てだけでもエネルギーは使っていると思うのですが、それでも太ってしまう方は、身体に悪いものを食べてしまっているのかもしれません。

5)食べたかったら食べる!ただし身体に良いものを食べる。

——岡本さんは妊娠中、どのくらい体重が増えましたか?

岡本さん
2回の妊娠とも体重は12kg増えました。産後すぐは5kg減って、退院時に7kg減っていました。産後2ヵ月からそろそろ本気でダイエットを始めようと運動を始めて10kg落ちたのですが、あと2kgがなかなか落ちなかったです。今(産後5ヵ月)はほぼ戻っています。腹式呼吸はずっと続けていて、運動はヨガや筋トレを続けています。

——食事の管理はどういったことをされていますか?

岡本さん
実は私、食べることが大好きで、主人の倍くらい食べるのです(笑)。それでも体重をキープできているのは、「食べたいときは食べる。ただし食べるものの『質』を変える」だと思っています。

食べたいときは、おにぎりをがっつり食べちゃう。そうすることで、お菓子を減らせたり、栄養があるもの、身体にとって必要なものを摂取できます。

食べることは、身体のエネルギーになるので、身体が喜ぶものを食べてあげた方がいいですよね。

気をつけることは、「ダイエットのために食べないのではなく、身体に良いものを食べる」ことです。

昔の私の朝ごはんは、菓子パンにグラノーラで、朝から野菜なんて無理!…という感じだったのですが、そこから少しずつ変えていきました。今は、米粉パンに野菜を乗せてサンドイッチにしてガブッとかじっています。量も食べていますよ。私もお菓子は食べていますが、脂質をそのまま食べているようなものもありますから気をつけたいですね。

米粉パン、カンタンですよ!

とある日の岡本さんの朝ごはんとある日の岡本さんの朝ごはん
おやつの米粉蒸しパンおやつの米粉蒸しパン

6)ながらストレッチ、ながら運動をやる

——なかなか運動ができないママたちもいると思いますが、そんなときはどうしたらよいでしょう。

岡本さん
「ながらストレッチ」「ながら運動」でもいいのです。

たとえば、私はおむつ替えのときにストレッチをしています。開脚をしておむつ替えをすると、かがむ姿勢に自然となるので、おむつ替えのときのストレッチから始めてみてください。

おむつ替えの後にはストレッチおむつ替えの後にはストレッチ

7)1日5分、ケアの時間を作る

——最後にママたちにメッセージをお願いします。

岡本さん
1日5分でいいので、身体のケアをしてください。子育ては大変ですが、1日5分は絶対見つけられると思うんです。たった5分のチリツモが、身体を変えていきます。

生活の一部に5分のケアを取り入れるだけで、子育てもラクになるし、気持ちも前向きになって「運動した自分ってえらい!」と自己肯定感も上がっていきます。

そして、やっぱり身体に良いものを食べる。授乳中ならなおさら良いものを食べたいですよね。


インタビュー終了後、ピジョンインフォ会員の皆さまのアンケート回答「産後の体型戻し、いつから、何を始めた?体型は戻っている?」を見て、岡本さんからアドバイスをいただきました。

「産後の体型で気になった部分はどこですか?」アンケート結果

●おなか

実は、おなかは一番戻りやすいのです。妊娠は、太っておなかに脂肪がついたわけでなく、単に伸びただけなので、逆にくびれは作りやすいですよ。

ただ、産後に放っておいて、そこに脂肪をつけちゃダメです。

●おしりなど腰回り

おしりなどの腰回りは、落ち着いたら運動しないと引き締まりません。

骨盤の後ろには靭帯が張り巡らされていて、それが出産後はダメージを受けている状態で、垂れやすくなるのです。それプラス、むくんだり、脂肪がついて、どんどん大きくなってくるので、おしり周りは筋肉をつけて戻してあげないとですね。運動して丸みのあるおしりを作ってください。

●骨盤

骨盤は先にお話しした通り、産後すぐから元の骨盤の位置に戻すように意識してください。

●ウエスト

ウエストもおなかと一緒で引き締めやすいので、産後に脂肪をつけないように気をつけましょう。

●太ももなど足

この部分もおしりなどの腰回りと繋がっていますね。運動して引き締めましょう。

●二の腕、背中など

二の腕が太っている人は、背中にも脂肪がつきやすかったりします。まずは、巻き肩にならないように普段の姿勢から気をつけましょう。私も体重は戻っても、後ろ姿は全然違います。運動して筋肉をつければ、後ろ姿もきれいになっていくと思います。

岡本さん

岡本さん、ありがとうございました!

【岡本かなみさんプロフィール】

岡本さんプロフィール写真 岡本かなみ(ニコタイムズ代表)

親子の心と身体を元気にしたい!笑顔いっぱいでトキメク空間を届けたい!という想いで[ニコタイムズ]を立ち上げ、ベビトレヨガや子どもヨガ、親子のためのヨガレッスンやイベントを開催している。現在はインストラクター育成講座に力を入れ、全国、そして海外にいる2000名以上のインストラクターと活動している。
https://www.instagram.com/kanamiokamoto/

ママグラフィック ●産後の体型戻し、いつから、何を始めた?体型は戻っている?

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