先輩パパとママの毎日コラムvol.360

1+1+1+1=∞の日々「七五三+お宮参り+お食い初めを一日でまとめると?」

2020/9/17
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編集者であり、ふたりのお子さんのママである岸野恵加さんは、兄妹のセレモニーをまとめて行うというアイデアを思いつきました。さて、いったいどんな一日だったのでしょうか。

赤ちゃんが生まれると、とにかくいろんな「すべき行事」があります。お七夜にお食い初め、初節句…。出産前から本などを読んで頭に入れてみたものの、産後は安定しない体調と慣れない育児にてんてこ舞い。息子は真夏に生まれたこともあり、生後1ヵ月ちょうどでのお宮参りも酷暑の中ではする気になれず…。涼しくなってきた生後3ヵ月頃にやっと、近所の神社にて家族3人で細々とお宮参りを済ませたのでした。SNSなどで友人が両親を招いてしっかりとお宮参りをしていたり写真館で撮影したりしている様子を見て、みんなすごいちゃんとしてるんだなあ…と、自分の行き当たりばったり感を実感するとともに、親孝行ができていないような気がして、少しへこんだりすることもありました。

そして娘が生まれたときはどうしたかというと。8月生まれだったので、ふとした瞬間、お食い初めのタイミングが、ちょうど息子の5才の七五三の時期と重なるのでは?ということに気づきました。よし、いっそ両家の両親を招いて、娘のお宮参りと息子の七五三参りを一緒にし、そのあとの食事会でお食い初めもまとめてやってしまおう!と思いついたのでした。

一日ですべてが済むのだから効率がいいし、両家の両親も喜ぶのでは?と、自分のアイデアに満足していた私。しかし実際に動き出してみると、待っていたのは、果てしない調整に次ぐ調整の日々でした。

まずは日程。私たち一家の予定を合わせるだけでも、私と夫の仕事、そして息子の園の行事やら習い事の予定を照らし合わせないといけないのでなかなかひと苦労ですが、広島から泊まりでやってくる義両親と、休日に予定を詰め込みがちな私の両親の予定を合わせると、かなり調整が大変で。正直、大安など六曜まで気にする余裕なんて、とてもじゃないけどありませんでした(笑)。

日程が決まったあとは、神社と食事会の場所、記念写真を撮るスタジオの選定と予約。そして息子が着る袴の予約などやることが山積み。まだ首が据わってない赤ちゃんを連れてスムーズに移動できるか、というところも大事なポイントなので、タクシーで移動するとしたらどんな動線になるかを何度もシミュレーション。そしてスケジュールが固まってきたら、すべてを両家にメールで伝達。ときに意見が飛んできたらプランを組み直したり。正直考えること調整することが多すぎて、これは下手な仕事よりよっぽど大変なのでは…?と、途中から何度も途方に暮れていました。

お兄ちゃんと妹/祝い着にくるまる娘さん

そして迎えた当日。慣れない袴を着て今にも走り回りそうな息子をなだめつつ、娘の授乳タイミングなども考慮してスケジュールをこなしていきます。子どもの七五三では私も一緒に着物を着るのが夢だったのですが、授乳があったということを差し引いてもそんな余裕はありませんでした(笑)。

すべての場所の位置関係などを把握しているのは私だけだったので、一団を率いて無事に一日を終えられるか緊張し通しだったのですが、息子は両家のじじばばにちやほやされて終始嬉しそう。そしてじじばばたちも、孫ふたりの晴れ姿に目尻を下げっぱなし。神社で祈祷を受けるとき、大好きなふたりのじいじに囲まれてしっかりと正座している息子の姿と、私が生まれたときと同じ着物に包まれてばあばに抱っこされた娘の姿を見ていると、胸にこみ上げてくるものがありました。

予定をこなしていくにつれて、徐々に緊張感もほどけていって。ホテルのレストランでのお食い初めの際に、私の母が持参してくれたかるたでみんなが楽しそうに遊んでいる姿を見たときには、大変だったけどやってよかったな、みんなのこんな顔が見られてよかったな、と、大きな充実感を感じました。私、頑張った。ものすごく頑張った。

娘さん3才の七五三のお参り/親子3代でかるた遊び

とはいえ、もうくたくたになりすぎて、こんなにまとめるんじゃなかった!もう二度と無理!と、終わったあとは少し後悔の気持ちも湧いていた私。なのに、その3年後、娘3才の七五三のお参りの際にも、同じように両家を招いてお参りと食事会を行ったのでした。両親たちから無言のプレッシャーを感じたこともありますが(笑)、やっぱり全員が喜んでくれていたと実感したことがとても大きくて。

こうした家庭行事の企画進行は、誰もが当たり前に難なくこなせることだと思われがちだけど、子どもの予定の管理やこうした行事の調整って、実は仕事と同じかそれ以上大変で、スキルが必要なことだと思います。こういったことを日々こなしているお父さんお母さんを、私は心から尊敬するし、お疲れ様!とみんなで乾杯したい衝動に、しばしば駆られます。

岸野恵加(きしのけいか)

PROFILE

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2011年生まれ男児と2016年生まれ女児の母。編集者として働くかたわら、インタビューZINE『meine(マイネ)』を発行するなど活動の幅を広げている。ドラマーとしても活動(所属バンド『the mornings』は現在休止中)。
https://www.instagram.com/kemonokeika/
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