アメリカ・オレゴン州にあるアシュランドという芸術活動が盛んな美しい都市で暮らすセキアキコさんのアメリカでの子育てエピソード。
まさか自分がアメリカで出産するなんて思っていなかったので、出産のイメージといえば日本のドラマとかで見るあの感じ。でも私が経験したアメリカでの出産は……なんだかちょっと様子が違う?今回は、私もびっくりしたアメリカの産院の出産スタイルについてお話しさせてください。
私が出産した産院では、予定日が近づいてくると「バースプラン」というものを提出するように言われます。私は妊婦教室に参加した時にバースプランの記入用紙をもらったのですが、その項目にびっくり。
もちろん最初のほうは、「自分を担当している産婦人科医の名前」「個人的にお願いしている助産師はいるか」「水中出産など特別な出産方法を希望するか」など普通の項目。でもそこから、「出産中にかけたい音楽はあるか」「部屋の明るさはどうしたいか(照明を持ち込みたいか否かも含め)」「リラックスするために持ち込みたいものは」と、頭の中が???となってしまうような項目が続きます。
産院の方に、これはどういう意味なのでしょうか……と恐る恐る聞くと、出産・分娩に自分が必要だと感じるものであれば基本的に持ち込んでOKですよ、とのこと。音楽に関しても、私はソフロロジー法などの音楽のことを言っているのかと思っていたら、自分の好きな曲をかけていいと言われてさらに混乱(笑)だってそんなこと、今まで考えたことないですもん!
あまりのカルチャーショックに初めは若干オロオロしてしまいましたが、妊婦教室の後半に産院を歩いて回りながら説明を受ける機会があり、そこでようやく全体像がつかめてきました。
まず、この産院では妊婦さん1人につき1部屋個室が割り当てられ、そこで陣痛・分娩・産後を過ごすことになります。なので、分娩室というよりは、自分の部屋のような感覚。そして、妊婦さんがリラックスした状態でお産に臨めることをとても大切に考えて下さっているのだな、という思いも伝わってきました。
こうしてとりあえず状況を理解することはできたけど、私は結局控えめに「では自分のベッドにかけてあるアンティークのキルトを……」とお願いして持ち込ませてもらうことにしました。
PROFILE
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アメリカ・オレゴン州で出産と子育てをスタート。現在はメイン州在住。サンフランシスコで写真を学んだ後、スタジオアシスタント、ブライダルカメラマンとして働く。
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(制作 * エチカ)