スーパー主夫・山田亮「ママを助けたいパパの心得」vol.1

結婚して家事をすることは、ひとり暮らしの延長でした。

2020/9/16
結婚して家事をすることは、ひとり暮らしの延長でした。 結婚して家事をすることは、ひとり暮らしの延長でした。

家事ジャーナリストとして執筆や講演などの活動を行っている“スーパー主夫“の山田亮さん。研究者として仕事に邁進する奥様との生活について、主夫となった経緯、パパ目線だからこそ見える育児の楽しさ、家事のコツなど、幅広いお話を伺いました。インタビュー記事全3回の1回目は、家事育児をメインで担当することになったキッカケや、出産直後のエピソードについてお聞きします!

ーー山田さんは結婚直後から家事をメインで担当されていたとのことですが、奥さまではなく自分が家事をやろうと思ったキッカケは?

山田さん
まず、僕は11年一人暮らしをしてきたので、人が生きていくためには家事が必要だとわかっていました。また、独身の時はお金もなく、自炊はもちろん、洗濯や掃除もまったく抵抗がない、というか、やるしかなかったですね(笑)。ごく普通に、毎日家事をしながら暮らしていました。逆に、妻は出会った時から「家事は苦手。これまで家事はやってきていないし、やらなくても済むように生きてきた」と宣言していました(笑)。だから、お付き合いした最初から僕がご飯を作っていましたね。

ーー結婚しても、山田さんにとって家事をすることは自然なことだったんですね。

山田さん
「私は家事が苦手」と聞いた時、ごく自然に「そうなの?じゃあ僕がやるわ」と思いました。僕にとっては、ひとり暮らしの延長。肩肘張って頑張るものではありませんでしたから。料理は良い気分転換にもなっていたので、「僕に料理させてくれるなんてラッキー」とも思いました。好きなものを作って食べられるなんて、贅沢です!

山田さん

ーー奥さまは、当時から仕事に忙しい人だったんですか?

山田さん
妻は医療分野の研究者なのですが、二人の間で結婚を意識し始めた頃から、「私は仕事であまり家に帰れないから、覚悟してね」と言われていました。妻は生まれも育ちも京都で、結婚生活も京都でスタートしましたが、出産当時は名古屋の大学で講師をしていて、京都から新幹線通勤していたんですよ。知り合った当初から仕事が好きなことは十分わかっていましたし、僕は専門外ですが社会的価値のある仕事だと思います。そして何より本人が真摯に仕事に取り組んでいることも伝わってきました。

結婚して3年後に娘を授かったのですが、妊娠中もギリギリまで新幹線通勤をしていましたね。その後、京都に転勤になり、助教授から教授へと順調にキャリアアップしています。

ーー山田さん自身は、どんな仕事をしていたのですか?

山田さん
当時は大学院に所属しながら、研究や執筆活動をしていました。妻は出産後、2ヵ月で復職することが決まっていたので、家事と同様に僕が育児をメインで担当することは当たり前、という感じでした。特に妻と役割分担の話はしていませんが、妻の大学助手の仕事は代わりが効かないだろうし、それを支えるためにも、時間の融通が効く僕がメインで娘の面倒を見るのが自然ですよね。

手を伸ばしている山田さん

ーー産後2ヵ月で復職とは!さらに、奥さまは出産直前まで忙しく仕事をしていたようですが、出産準備などはどうしたのでしょうか?

山田さん
妻は僕より5才年上で、39才の時に出産しました。高齢出産だったので、周囲はすでに出産している知り合いも多くて育児は身近に感じていたようですし、自分自身が医療関係者で体のことは良くわかっていたこともあり、「なんとかなる」とすごく楽観的だったんですよね。ほとんど何も準備しないで出産を迎えました(笑)。退院してから、ミルクをあげるにも60度のお湯がないとダメだとわかり、あわてて60度設定ができる電気ポットを買いに行ったり、両手が空かないと家事どころじゃないことがわかって抱っこひもを買いに行ったり、すべて出産後にバタバタと揃えた感じです。

ーーなんと!奥さまは研究者とのことで、用意周到に準備をするタイプかと思ったら逆なんですね。

山田さん
あれこれ考えるのは好きなようで、例えば収納を考えるのが好きで、グッズをいろいろ買ってくるんですよ。ですが、収納の仕組みを作るのは好きでも、その運用になるとまったく興味がない(笑)。日々、妻が考えた仕組みに沿ってせっせと収納するのは僕です(笑)。 他にも、ちょっとしたことが便利になる最新ツールとか、ガジェットも好きですね。面白そうだと飛びついて、少しはそれを使う家事を頑張りますが、すぐに飽きるので、次は僕が使ってみたりしています。

ーー楽しい奥さまですね!山田さんがメインで育児を担当しながらも、夫婦で助け合いながら楽しく過ごされていたのではないでしょうか?

山田さん
そうですね。妻が楽観的なので助かった面は多々あります。退院直後、復職までの間に二人であれこれと試行錯誤しながら育児をしたのは楽しかったですね。ですが、産後2ヵ月で妻が復職する初日、娘を抱っこしながら玄関で「いってらっしゃい」と妻を送り出し、ついに娘と1対1になった時は、取り残されたような大きな不安が襲ってきたことを覚えています。おそらく、旦那さんが復職した時の奥さんと同じ気持ちだと思うのですが、妻の帰りが待ち遠しかったですね(笑)。妻が名古屋に新幹線通勤している時はまだ講師で、少し配慮されて必ず家に帰ってきていたので、その日にあったことなどを話していると、かなり気持ちが楽になりました。

(vol.2へ続く)

山田亮(やまだりょう)

PROFILE

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家事ジャーナリスト、スーパー主夫、社会福祉士。 大学助手だった妻と結婚し主夫に。ホームページ上で綴った家事・育児記録が新聞社の目にとまり執筆活動を開始。ロジカルな視点で「楽に家事をする」方法 を日々実践し、「楽家事ゼミ」を主宰。男性の家事・育児参加、男女共同参画に関する講演活動や執筆活動等も行う。現在、妻・娘と京都市在住。
東京新聞、中日新聞、日経新聞紙上で家事について連載中。
https://rakukajiseminar.com

(制作 * OfficeTO)

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