好きな仕事を続けながら子育て中の石川史明さん・あかねさん夫婦は、娘さんと３人暮らし。総合病院の管理栄養士として働く史明さんと、カフェチェーンでデジタルマーケティングを担当するあかねさん。働き方を見直し、家事・育児とのバランスをとりながら賑やかな毎日を送る、石川家のママの職場復帰までの日々を４回に渡ってお届けします。２回目はドタバタだったという出産当日のお話です。
——あかねさんのつわりとの戦いと史明さんの家事がスキルアップした妊婦期を経て、ついに迎えた出産当日のことを教えてください！
あかねさん
予定日の前日、旦那さんと「いよいよ明日だね〜」なんてのんきに話しながら“陣痛ごっこ”をしていたんです。大きく息を吸って、ふ〜っと息を吐いたとそのとき！なんと破水してしまって。びっくりしました（笑）。
史明さん
夜中の11時だったのですが、マタニティタクシーに電話が全然つながらず。さらにその日は、東京はあいにくの雪。あわてましたが運良くタクシーを捕まえることができて、病院に急ぎました。そこから、長い１日が始まったんです…。
——病院に到着してから、どのくらいで出産されたんですか？
あかねさん
31時間かかりました。私はもともと生理痛が重いので、それに比べて、陣痛は痛くないときと痛いときの波があるので、最初は余裕だなと構えていたのですが、だんだんと我慢できないほどに余裕がなくなってきて…。助産師さんがいないときに助けが欲しくて旦那さんを「呼んだらすぐきて！時間たって来ても意味ないから！」って怒鳴ってしまったり、ただただ必死で（笑）。そんななかでも、ヨガの呼吸だけにフォーカスするという訓練が、役に立ちました。痛みから気をそらすことができたので。
史明さん
立ち合いすることは最初から決めていて、準備万端のつもりなんですが、まさかこんなに長くかかるとはみじんも思っていなくて。病院に着いたのが真夜中で、最初の10時間くらいは、しっかりと起きていたのですが、だんだん体力の限界がやってきて…。大声で呼ばれて、はっ！と起きての繰り返し（笑）。見ていて大変そうだったのは、陣痛促進剤を打つために食事を食べなくてはいけなかったとき。痛いし食欲もないしで、本当に大変そうでした。奥さんは30時間以上、弱音も吐かずにえらいなと思いました。
——待ちに待った産まれた瞬間はどんな感じでしたか？
あかねさん
促進剤を打ったらあっという間に産まれてきてくれて。30時間以上苦しんだ分、あれ？もう？と、拍子抜けな感じでしたが、やっと終わった、無事産まれてきてよかったと、ほっとしました。
史明さん
僕は、出てきた瞬間はぶるぶると震えましたね。出産までに時間がかかったために、カンガルーケアや、へその緒を自分が切るという予定していたことは全くできなかったのですが、本当に嬉しかったです。産んだばかりの妻もホッとしておなかが空いたのか、か細い声で「フルーツサンドが食べたい…」と言うので、走って買いにいきました（笑）。
——急な入院だったようですが、準備は万端でしたか？
あかねさん
必要なものは病院で用意してくれていたので、私は赤ちゃんを産んだら気分良く過ごすためのかわいいパジャマをバッグに入れて準備万端で。でも出産しても思っていた以上におなかは引っ込むこともなく…、袖を通すこともなく退院しました（笑）。
——産後、病院ではどのように過ごしましたか？
あかねさん
寝ていても授乳のために１〜２時間おきに看護師さんに起こされるのですが、あまり寝られていないはずなのにそれほど眠くもなく、お母さんの体はすごいなと思いましたね。あとは、早く３人一緒に家に帰れる日を楽しみに過ごしていました。
史明さん
産まれてから退院するまでは、たったの５日間だったのですが、その間に、家族や友人など本当にたくさんの方が会いにきてくれて、とっても嬉しかったですね。
おむつチェック中——思いがけず破水してから出産まで31時間もかけて産まれてきた我が子との対面を果たした２人。次回はいよいよ３人暮らしがスタートします。
PROFILE
石川史明・あかねこのライターの記事一覧
パパは、総合病院で入院患者の栄養管理と指導を担当する管理栄養士。ママは、カフェチェーンのマーケティング本部に勤務し、デジタルマーケティングを担当しながら、プライベートでは産婦人科のミュージックセラピストとして活動。都内で娘との３人暮らし。
(制作 * エチカ)
