先輩パパとママに聞きました!vol.111

育児は〝点〟ではなく〝線〟で関わると、幸せがいっぱい!子育てインフルエンサー、木下ゆーきさんインタビュー

2020/1/24
育児は〝点〟ではなく〝線〟で関わると、幸せがいっぱ... 育児は〝点〟ではなく〝線〟で関わると、幸せがいっぱ...

TwitterやYouTubeで配信する育児動画が大人気で、トークライブは即完売!育児中のママから絶大な支持を受ける子育てインフルエンサーの木下さんに、普段の育児分担の実情やパパたちの育児への関わりについてお話をお聞きしました。

ーー木下さんは、7才の息子さんと1才の娘さんがいるということで、子育て真っ最中の現役のパパですね!Twitterで公開しているモノマネおむつ替え動画が大人気ですが、どんな思いで動画を制作されているのでしょうか?

木下さん
育児で大変なことも、少し視点を変えると面白くなる、ポジティブな気持ちになることを伝えたいですね。例えば、ウンチが漏れてしまったとき、おむつ替えだけでなく服も替えて洗わなくてはならないし、体もふく必要があるし、最悪の場合はシーツも布団も洗わなくてはならない。イラッとして当たり前なのですが、少し視点を変えると、おむつのメーカーの優秀な研究員さんたちが、日夜研究してウンチ漏れをしないように開発した工夫や仕組みを、0才児が悠々と越えていく。いやもう、天才じゃないか!と考えると、ちょっと面白い気分になりますよね。

また、息子が1才の頃、少し目を離したらスーパーで買ってきた生スルメイカのパッケージを開けて、イカを手でそのまま触っていたことがありました。「ギャー、やられた!」と思わず写真に撮りつつもイライラしたのですが、3年後にふと見返すと、開けられた生スルメイカのパッケージに“100円”と書いていたんです。「大変な出来事も、後から振り返ったら“イカ安い”と思えますよ」と書いてSNSに写真をアップしたら、ママたちから「思わず笑ってしまいました」というような反応がありました。

小さな赤ちゃんの育児は本当に大変で、張り詰めた気持ちになっているママも多いと思います。そんな日々の中でもフッと気持ちを和らげる瞬間を作りたい、なんとか今の時期を乗り越えてほしい、という思いで動画や写真をアップしています。

長男(現在は7才)をシングルファーザーとして子育てをしていた時期もあった木下さん長男(現在は7才)をシングルファーザーとして子育てをしていた時期もあった木下さん

ーー動画では木下さんが楽しそうに育児をしている様子が伝わってきますが、実際はどのように家事や育児を分担されているのでしょうか?

木下さん
分担は特に決めていなくて、気づいた方がやっています。担当を決めてしまうと、それ以外はやらなくなってしまいますし、親の仕事に性別は関係ないと思っているので。ただ、面倒なことは率先してやろうと意識しています。夫婦とはパートナーをいかに楽しい気持ちにさせるかのゲームだと思っていて、そう考えると、どちらかが不満を抱いたらゲームオーバーなんですよ。僕が面倒だと思うことは、パートナーも面倒だと思っているはずなので、そこを率先してやることで、不満に思われないようにしています(笑)。

ーー動画では、撮影している奥さまの笑い声も入っていますね。確かに不満はなく、楽しそうな笑い声です(笑)。

木下さん
最近は、「奥さんの笑い声のファンです」と言われるようになりました(笑)。動画はごく当たり前の「木下家の日常」で、モノマネも奥さんを楽しませたいと思ってやっていることです。

それが、動画を見てくれた人も楽しい気持ちになってくれて、たくさんの人の助けになっている。また逆に、「木下さんの動画を見て、育児が楽しいと感じ、救われました」という声を聞けることで、僕自身も救われているんですよね。動画を撮りたいとウンチ待ちになったりして(笑)、ますます育児が楽しくなりました。

昔は親戚や近所の人と物理的にも精神的にも距離が近く、つながりながら子育てできましたが、核家族化が進んだ今は違います。現代ならではのネットワークであるSNSを通じて、距離は離れていても精神的に支え合って、ひとりじゃないと感じてもらえたら、と思います。

ーー育児のパートナーとしてとても頼りになる木下さんですが、最初から積極的に育児に関わっていたのですか?

木下さん
正直、息子が生まれてしばらくは、父親の自覚がありませんでした。「女性はおなかの中に赤ちゃんがいるから生まれたときには母親としての自覚があるけど、男性は急には自覚できないので、女性ほど育児に関われない」とよく言われますし、自分もそうだと思っていました。しかし、これは言い訳だと思います。「何をすれば良いのかわからない」と言う男性は多いですが、女性だって赤ちゃんが生まれた直後は何をしたら良いのかわからないのは同じなんですよ。わからないけど、試行錯誤して何とかやっているうちに、徐々にできるようになるだけなんです。スタートラインは同じなのに、男性があれこれ言い訳しているんですよね。

僕のSNSのフォロワーも、女性が95%で男性はわずか5%です。この数字だけを見ても、まだまだ男性の子育てに対する意識は低いですね。

取材中の木下さん1「『何をすれば良いのかわからない』と言う男性は多いですが、女性だって赤ちゃんが生まれた直後は何をしたら良いのかわからないのは同じなんですよ。わからないけど、試行錯誤して何とかやっているうちに、徐々にできるようになるだけなんです。スタートラインは同じなのに、男性があれこれ言い訳しているんですよね。」木下ゆーきさん

ーー確かに、育児に関わる男性が増えていることを感じる一方で、女性だけの「ワンオペ育児」もいまだによく聞きますよね。

木下さん
厳しいことを言うと、育児にまったく関わらない男性は「ブラック企業」と同じだと思います。社員はすごく苦しい思いをして何とか頑張っているのに、ブラック企業は会社が回っているから大丈夫、と考えて改善しようとしません。子どもが大きくなったら夫は変わってくれるかも?と期待している方もいるかもしれませんが、社員が声を上げない限りブラック企業は変わりません。何度も業務改善を言い続けるしかないですし、自分で言えなければ周りの人の助けを借りて改善を訴えてほしいです。

育児に関わらずブラック企業になってしまっている男性には、もし自分の娘がブラック企業で働くことになっても良いのか?息子がブラック企業の経営者になっても良いのか?と問いたいです。

木下さんは、7才の息子さんと1才の娘さんの子育て真っ最中のパパ木下さんは、7才の息子さんと1才の娘さんの子育て真っ最中のパパ

ーー自分のことだけを考えるのではなく、パートナーである女性の立場、また子どもの立場に立って考えて欲しいですね。

木下さん
子どもは親の背中を見て育ちます。家にいるときはスマホばかり見てゴロゴロしている父親なら、将来的に息子は同じような父親に育ちますし、娘は抵抗なくそんな男性をパートナーに選びます。娘はものすごく苦労して子育てすることになり、息子はパートナーに苦労をかけて家庭生活は幸せなものになりません。子どもの将来を思えば、疲れていても面倒でも、育児に関わっていく姿を見せた方が良いですよね。

それに、育児は「初めて立った」「初めてキャッチボールした」など、節目となる〝点〟だけで関わるより、〝線〟で関わった方が発見や幸せをたくさん見つけることができます。例えば、息子と外出するときは手をつなぎますが、あるとき僕の手を息子からつないできたんですね。それまで僕からしっかり握らないと手をつなげなかったのに、ふっとできるようになる瞬間が来る。「できるようになったんだ」と幸せが込み上げたのですが、この話を男性にしてもわかってくれない人が多いんですよ。この幸せに気づかないなんて、もったいないと思うのですが。

取材中の木下さん2「育児は『初めて立った』『初めてキャッチボールした』など、節目となる〝点〟だけで関わるより、〝線〟で関わった方が発見や幸せをたくさん見つけることができます。」木下ゆーきさん

ーー「立った」「歩いた」と言う大きな節目の前後には、たくさんの小さな成長があり、幸せがありますよね。

木下さん
そうなんですよね。その何層にも連なる立体的な出来事を知らないと、薄っぺらい思い出しか残らないのですが、男性は育児を〝点〟で見がちなのかな、と思います。

例えば、「子どもをお風呂に入れている」と自慢げに言う男性はよくいますが(笑)、お風呂に入れる前後は誰がやっているのでしょうか?「湯船に一緒に入る」「体を洗う」ことは〝点〟であり、お風呂を沸かし、子どもの服を脱がせ、タオルを用意し、お風呂から出たら体をふいてあげて、タオルや脱いだ服を片付け、スキンケアをして、服を着せてあげるところまで〝線〟でやって初めて「お風呂に入れる」育児をしている、と言えると思います。また、それらを〝線〟でやるからこそ、お風呂で起こる小さな幸せをたくさん感じることができます。

ーー木下さんの動画を見て、育児の〝線〟としての面白さに気づく男性が増えることを願います!では最後に改めて、育児真っ最中のママとパパにメッセージをお願いします。

木下さん
長男の育児をメインで担当していたとき、2時間夜泣きが続いて、暗闇の部屋でずっと抱っこしながら歩き回ったことがありました。終わりが見えず、本当に暗闇の中でした。また、シングルファーザーとして子育てをしていた時期もあり、外に出たくても出られないつらさも経験しています。だから、産後うつになったり、育児ノイローゼになるママたちの気持ちもよくわかります。

そんなママたちに自分が何ができるかと考え、育児の中にある笑いを届けたいと思ってSNSに動画をアップし始めました。暗闇はいつか終わりが来るので、動画を見て肩の力を抜いて、育児を楽しむ視点を見つけてもらって、乗り越えて欲しいなと思います。リアルイベントも開催しているので、外に出るキッカケにしてもらえたら、本当にうれしいです。笑顔で会いましょう!

木下さん、ありがとうございました!木下さん、ありがとうございました!

木下ゆーきさんプロフィール画像 木下ゆーき 1989年3月9日生まれ。笑いを交えた子育て情報を発信する子育てインフルエンサー。ユニークなおむつ替えシリーズや子育てモノマネ動画など、その発想力と表現力は著名人にもファンが多い。15才で大道芸人としてデビュー。全国のイベントに出演し鍛え上げられたトーク力とアドリブ力にも定評がある。TVやラジオ等のメディア出演のみならず、トークライブは過去公演全てにおいてチケットが即完売している。
Twitter: @kinoshitas0309
Instagram: kinoshitayuki_official

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