先輩パパとママの毎日コラムvol.419

愛するプニプニ「子育てと仕事」

2021/7/12
愛するプニプニ「子育てと仕事」 愛するプニプニ「子育てと仕事」

イラストレーターかみやかやこさんの子育てダイアリー。子育てしながら、どうやって仕事しているの?と、よく聞かれる。模索してなんとなく出来上がった、子育てと仕事のバランスを見つけるまでのお話。

子どもができたら、どのように仕事ができるのか。そのとき会社員なのか、フリーランスなのか。大学の頃から、ぼんやりと将来の母像を考えてみることはあったが、実際に結婚の話があるわけでも、妊娠しているわけでもない身には、仮定の想像は全くできなかった。「そんなのずっと先の話!子育てはとりあえず大変そう!それより私の将来どうなるの!」と、考えは及ばなかった。

そして、27才でフリーランスに。29才で結婚・妊娠、30才で第一子を出産した。

自分の母像は相変わらず想像できていなかったが、なるようになる、という言葉がふさわしいように、仕事と妊娠を両立していた。フリーランスの産休・育休は自己判断だ。第一子のときは元気な妊婦で、仕事は座って絵を描くだけということもあり、出産ギリギリまで仕事していた。

そして、オギャアと赤ちゃんが生まれた。生まれちゃったら、私のベクトルは子育てにまっしぐら。だって目の前にほやほやの赤ちゃんがいるのだから。お世話せずにはいられない母心。これは思いもよらぬ母性だった。もう少し「仕事がやりたい、やらなきゃ」という感情が残るかと思いきや。ホルモンと赤ちゃんは人を変えるものだ。

少し落ち着いてきた産後3ヵ月頃からぽつぽつと仕事を始めた。その頃にもなると、赤ちゃんが寝てる間を利用して仕事ができた。しかし起きてるときは、笑顔が多発してくる頃でたまらなくかわいくて、虜になりすぎて仕事にならなかった。けれど、ずっとそばにいたかったので、保育園に入れず、赤ちゃんをみながら仕事を続けようと考えていた。

産後の仕事復帰は、浦島太郎みたいな気分だった。たった4ヵ月程、社会の仕組みから離れていただけなのに、気持ちがかなり遠のいていたみたいで、とても平和ボケ(いい意味で)していた。なんせ、赤ちゃんの喃語に合わせて四六時中バブバブ言ってたもんだから、社会の言葉を使うのも久しぶりだった。

赤ちゃんを寝かしつけながらの仕事

ところが赤ちゃんだって、人間だもの。寝るとき、寝ないときもある。いつもなら寝てくれる時間で、このあと仕事する予定だった。けれど今日に限って、寝てくれない。明日締め切りなのに、早く寝てくれ〜、という悩みが出始めた。元々、タイムリミットのプレッシャーに弱い私。ちょっとイライラし始めてしまう。自分の「ちょうどいい」を模索する日々。けれど、どんどん活発になる赤ちゃんと切羽詰まる仕事。削れるのは自分の睡眠時間のみ。

そしてとうとう、子育て・主婦業・仕事のバランスが保てなくなった。全部をうまくできない情けなさ。やっぱり仕事もしたいのだ。でも娘と過ごす時間もたくさん欲しいし、部屋の中も綺麗にしていたい。睡眠時間を削って仕事するため、眠いし、夜間授乳もまだある。

そんな私を見て、夫は「どこかにちょっとだけでもお願いできないのかな?」と言った。ものすごくサラッと言ったが、私にその考えは露ほどにもなかった。

赤ちゃんがかわいすぎて、一瞬たりとも、成長を見逃したくない。預けているときに初めてのハイハイをしたら、初めてママと言ったら…そばを離れたくないという強い気持ちがあったのだ。

しかし、解決するためには、第三者の手をお借りしないとならなかった。もう限界だったので、潔く決断した。でもなるべく一緒の時間を取れるよう、時間と希望日を自由に選べる一時保育を2箇所利用した。

保育園

一つは地域が運営している親子広場。1階では遊びに来た親子や託児を利用している赤ちゃんが一緒に遊び、2階はシェアオフィスでママたちが仕事をできる環境だった。何かあればすぐ呼んでもらえる。なんなら娘が遊ぶ声も聞こえる。もう一つは区が運営している一時保育所。こちらは朝からお願いすれば、お散歩時間もあり、お弁当を持参すればご飯までお願いできるので、大変重宝した。娘が楽しんで通っている姿を見ると、私も思いっきり仕事に打ち込むことができた。

一時保育の予約が取れないときには、ノートパソコンを実家に持ち帰り、私の父母に娘をお願いして、仕事をさせてもらうこともあった。

この原稿も夫に娘の寝付かせを託して、書いているわけで。

つまり、一人では仕事と子育ての両立はできなかった。周りの皆様さまさまです。ありがたやです。

砂遊び

私は毎日、決まった時間で仕事をするわけではないので、仕事がないときは娘と公園や児童館に行き、お友達親子と遊ぶ。仕事が忙しくなったら、娘が寝た後、夜頑張る。それでも仕事が終わらなければ、一時保育をお願いする、実家に帰る。たまに打ち合わせに、子連れで行く。

正直、寝不足で午前中から公園でハッスルするのは本当にスパルタスポーツだ。仕事終わるのかしら…とハラハラしながら、娘と遊んでいることも多々ある。けれど、心は満たされるので、私にはこのバランスがちょうどいいのかな。これからも仕事と育児のバランス模索は続く。

かみやかやこ

PROFILE

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多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。デザイナーを経て、イラストレーターとして独立。2018年に女の子、2021年に男の子を出産。愛情たっぷり注ぎながら、子育てを楽しんでいる。好きなものは、海、コーヒー、いい香り、植物、ドラマ、美容情報、美味しい食べ物、アイドル。
http://kamiyakayako.com/
https://www.instagram.com/kamiyakayako/

(制作 * エチカ)

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